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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街のはじまりの香り
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【鏡像】
志波人形となった虫はまたたく間に食い尽くされたが、そこにひとつ隙を見い出すことができたようだ。
「うわあ、我ながらグロい! でも今のうちに攻撃を……あっ」
「志波くんが子豚になった! リセットリセット! あっ」
「水樹まで子うさぎに……! 山田さん、致命で牽制を! リセットの時を稼ぎます!」
「ああ、冷静やなヒューバート。ええ判断や」
ヒューバートと山田の電撃が乱れ飛ぶうち、志波と水樹が復帰。カマキリを無害な子ヤギへ変質し、テントウムシをコンクリートブロックへ変質し、ふたたびかじりがいのありそうな子猫へ変質させられたりとせわしなく、そして着実に虫どもを駆逐してゆく。
「く……!」
たやすくはない。一進一退、変質し変質されての攻防が幾度となく繰り返される。これぞ魔法戦の華というものだ、そうだろう? 弾ける魔法光、めまぐるしい変質の変遷。時に大仰な破壊や悲痛、苦悶をともない、時にはロマンスをはさみつつ、最後は巨大なカタルシスへ終着する。"遠きもの"もさぞご満悦といったところだろう。
大きなクマムシ然とした虫が水樹の白魚のような腕を噛み砕かんと迫るも予言をもって身かわし、その背に飛び上がり小刻みに致命魔法を放ち虫どもの気を引いたところに、ヒューバートが特大の稲妻をぶちかまし集団ごと無力化する。迫るオニヤンマの群れに対する志波は己を鋼のごとく変質させ、鋭い顎を跳ね返す。そしておそるべき凄惨の志波人形作戦はきわめて効果的であり、彼は身を震わせながらもこれを数度に渡り敢行した。趣味がわるい? そう言ってくれるな、誰しもそう何度もやりたいことではなかろうが、彼とて仲間を慮るがゆえの決意なのだ。
「はあ、はあ……き、キリがないナー!」
「いや。見てみい、あの群れを」
彼らが予言し立ち回り、解析し変質させ、致命をもって切り裂いてきた群れはまばらとなり、個々も重ねた変質により弱りつつある。城山の献身、ヒューバートの鋭い瞳、志波の勇猛、たばねた致命魔法が群れを圧倒し始めたのだ。
「もう少し。あと少しか……!」
「そうだねえ。さて、そろそろ頃合いかな?」
「……白檀さん?」
おや、遅いご登場だな。ヒーローは遅れてやってくるとでも言いたいのかね? そうはいかぬさ。
「あ、ペンシルも! 助けに来てくれたの?」
そうだとも城山、ヒーローとははたしてどんなヤツだ? 己をかえりみず力なきものへ手を差し伸べ、時に身を投げ出すような者をそう呼ぶのだ。
「くふふ。あなたも来たのかい、ペンシル」
このような男をして標榜すべき言葉ではないのだ。
「なんや、白檀もペンシルも。美味しいとこだけかっさらおうちゅうんか? ま、ええけどな」
さて、役者もそろってきた……と、ペンシルなら言うだろうな。
「とにかく、手伝ってくれる助かるゼイ!」
「うん。この群れを撃退してしまおう」
志波とヒューバートに城山、山田もうなずくと、
「くふふ。派手にいくとしようか、花火みたいにどでかいやつをね」
ヤツは笑い、枯れ木のような細腕で杖を振るい、文字どおりに火花を散らして虫たちを払った。
彼らは気が付いていただろうか。大立ち回りの末にいつのまにやら、魔法商店街の中央に鎮座する、あの巨大な姿見の前へと彼らは戻っていた。
「はあ……ふう。な、なんとかなったカナ……?」
「ええ、群れは……残らず、やっつけたみたい。は~~~」
「水樹も、志波くんも、お疲れさま。山田さんも。それに白檀さんも……」
「いやいやいやいや! なんてことないさ。むしろ僕のためにありがとうって感じだよ。うん」
見るがいい。ヤツのこの……浮かれようを。全てが上手くいくと信じ切ったヤツの満面の笑みを。挫かれようなどとは夢にも思わないのだろう。
哀れなことだ。
「白檀さん?」
志波は山田を顔を見合わせ、水樹は不安げにヒューバートへ身を寄せた。
異変を察しつつある彼らのことなど、ヤツにはもう見えていないのだろう。不機嫌に尾を赤茶けた土の上に叩きつけたペンシルの愛嬌あるしかめ面もな。
「派手なバトルだったね、君たちもやるもんだ。おかげで"遠きもの"はじゅうぶんに満足したはずだよ。きっと満たされたさ、つまり、時が来た。そういうことだよ」
「それってどういう」
「願いがかなうんだよ! 僕のずっと手に入れたかったものが、ようやく手に入るんだ!」
結局……なにも変わりはしなかったのだろう。ヤツの空虚が埋まり、あるいはいっぱしのあやかしや人のごときふるまいをし始めるのではないかと、期待がなかったとは言い切れない。つまり彼女の、カオルの最期の思いが今さらながらに遂げられるのではないかとね。気をもんだのもなにかと便宜をはかってやったのも、寝子島の者らへ彼を紹介してやったのも、無駄であったわけだが。
まあ、仕方のないことだ。
「彼女が戻ってくる。"遠きもの"が願いをかなえてくれる、そのためにどれだけ僕が頑張ったたことか。きみたちも知ってるでしょ? どれだけ場を盛り上げてきたことか! ねえ、分かるでしょ?」
盲信。虚偽。無垢。哀れなほどに、ヤツは真っすぐだった。
しかし、"遠きもの"が応えることはないだろう。ひときわにかがやき始めた星はこちらを一心に見つめるが、我らの声が届くことは決してない。一方的なのだ。
断じよう。ヤツの願いは叶わない。もはや繕うこともなかろうさ、はっきりと述べよう。ヤツの願いは叶わない……そうと伝えられたら、どんなにか良かったのだがね。
「さあ、彼女を! よみがえらせておくれよ、今ここへ! 僕はそれだけの働きをしてきたはずだ、楽しませてきたじゃあないか! さあ、早く……あれ?」
姿見にかがやく星は物事を歪んだ瞳で覗くが、時として真の姿を見とおすのだ。
「これは……僕?」
映りこむヤツの鏡像が、変態してゆく。細くしなやかな足は節くれだって六本に。盛り上がった背からは蜻蛉のように薄く七色の羽が四枚。両の手はなめらかに動く指を失い蟷螂の斧となり、左右に開いた下顎はなにもかもを噛み砕くことだろう。本能の赴くままに。
「あれっ? おかしいな。彼女は……? 僕は……僕は、何だ?」
なもなきむしがみ。呆けた男の前で、鏡の中、在りし日のヤツの姿が軋みをあげる。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2025年01月17日
参加申し込みの期限
2025年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2025年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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