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●夜も更けて
「ふう……」
カードゲームの場を抜け出して、
御剣 刀
は露天風呂に入っていた。
傷はまだ少し痛むが、若さゆえだろうか、回復しつつあるのは明らかだ。
手のひらから湯気の立ちのぼるのを目で追う。
このところ、危険なことに関わることも多い。意識しない緊張もあるのだろう、時々こうやって独りになって心身の力を抜くのが心地良かった。
湯煙のむこうは夜空。
流れる雲、月は見えない。
雲の切れ間に名も知らぬ星々が瞬いている。
――今まで色々な事が起こって、これからもきっと様々な事件が起こるだろう。
――俺は、これからもそれらに関わってゆく。剣術の腕を鍛える為に。
――俺のフツウを守る為に……。
垣根ひとつ隔てた女湯で、
小山内 海
もまた同じ夜空を見ていたことを、ふたりは知らない。
●赤い壺と屏風の謎
刀と海が、同じ夜空を見上げていたちょうどそのころ。
「抜き足、差し足、忍び足……と。ははぁ、玉手箱が隠されてるのはここだねぃ」
人気のない冬の離れに忍び込む影がひとつ。カタコトと箪笥の仕掛けを解いてゆく。
現れた玉手箱を開けると、ぎっちり詰まった色とりどりの髭の上に一枚の紙きれを乗せ、影――
骨削 瓢
はにんまりと口の端を持ち上げた。
「この中にこいつを忍ばせて、と」
――『寝子温泉は裏寝子温泉をまねたものです』――紙切れにはそう書かれている。
「これで、裏寝子温泉の名がさらに広まること間違いなしだよぃ」
悪戯に満足した瓢は元のように玉手箱を箪笥に仕舞い――と、そこで唐突に声を掛けられた。
「なにしてんの?」
ぎょっとして振り返る。するとそこには、赤い壺を抱えた
桜庭 円
がきょとんとした顔で立っていた。
「ッ! ……と桜庭はん。いやあっしはねぇ、」瓢は円がいまの悪戯に気づいていないと見てとるや、咄嗟に目についた屏風を指差して口から出まかせをいう。「屏風! あの屏風がどうにも気にかかってねぇ」
「なんだ、そうだったんだ。じゃあボクと同じだね」
「は?」
「ボクもどうも気になってさ、女将に聞いたんだよ。そしたら、秋の間の赤い壺と冬の離れの屏風は、もともとセットだったっていうんだ。屏風の前に壺を飾るようになっていたらしいよ。でも今回の謎解きイベントをするのに、答えのある冬の間に壺が置いてあると邪魔だから、一時的に秋の間の棚に移しておいたんだって」
「ずさんだねえ」
「はは、……ふたつとも女将が先代から受け継いだ古いもので、ずっと昔に木天蓼湾を荒らしまわっていた海賊の宝だっていう言い伝えがあるっていってた。いわくありげだし、折角だから壺を屏風の前において写真くらい撮っておこうかなと思って」
屏風正面の畳を検めると、歪んだ円のかたちに窪んでいるところがある。
円が回転させながら壺を置くと、壺の底がちょうど窪みと一致する場所があった。
「きっと、この壺はずっとここに置かれていたんだ」
円はそこで一枚写真を撮ると、瓢が地下帝国皇帝であることを思い出し、こんなふうに切り出してみた。
「……あのさ、
地下帝国でみつけた紅梟の壁画
ってあるじゃない」
「ほう、紅梟」
瓢が興味深そうに繰り返す。
「ボクさ、なんとなく思うんだ。この赤い壺、あの紅梟の形に、どこか似てない?」
「ちょっと待ったー! その話、もちろん僕らも混ぜてくれるよね?」
晴海 飛鳥
が屏風の影から飛び出したのはそのときだった。
さらに、飛鳥の後ろから、
坂内 梨香
も気まずそうに顔を出す。
「実はさー、ここ静かだから、僕らここで話をしてたんだけどね。瓢君が来たものだから屏風の影に隠れてたんだ。そのままやり過ごすつもりだったけど、紅梟と聞いちゃ黙っていられなくてね」
そういうと飛鳥はさも当然のごとく、瓢と円の間に腰を下ろした。
「地下帝国皇帝さんと、壁画発見の立役者。それからシーノの僕と梨香。紅梟考察班としては申し分ないと思うね。どうだい、ここはそれぞれ立場を超えてあの紅梟の謎について考えてみるというのは」
瓢は狡賢そうな笑みを浮かべるとすぐにこう答える。
「異存はないさぁ。紅梟の進行状況については、あっしも聞いてみたいと思っていたところだった」
「ボクも」円も同意する。
「リッカ先輩、紅梟の壁画以外に、あんなのってないのー? 他にも緑とか青とかの壁画があれば、重ねあわせて意味のあるものが見えそうな気もするけど。RGBとかRYBとかで」
「残念ながら、いまのところそういうものは見つかっていないわね。伝承にも紅梟としか……」
「じゃあリッカ先輩たちの方で、なにかわかったこととかは?」
飛鳥が肩をすくめる。
「それについては僕たちも話していたところだったんだけどねえ」
「紅梟については……」梨香が静かにいった。「いまのところ何もわかっていないに等しいわ。伝承によると、我々シーノが求める伝説の島を指し示すと言われているけれど、あのただ赤いだけの壁画をいったいどう読み解けばいいのか……」
「宝の地図じゃないのかい?」
そういったのは瓢だ。
「え?」
「いや、あんな地下の穴倉に御大層に隠しておくくらいだから、そんな気がしただけどねぇ」
「宝の、地図……」
梨香は考え込んでいる。飛鳥の方は気楽なもので、梨香の肩をぽんぽんと叩いて。
「ま、アイデアが必要なときは、無理に一点集中するより、あえて散漫になることで、思わぬ発見に繋がったりするもんさ」
「散漫に……?」
そういわれてすぐにいい考えが浮かぶなら苦労はない。梨香は目を閉じ、眉間にしわを寄せる。
そうだ、と瓢は話を変えた。
「さっき桜庭はんが妙な事言ってたね。その赤い壺が紅梟に似てるとかなんとか」
「そうそう。ほら、赤いしさ、羽根をひろげた梟みたいな形してない? 嘴みたいにとんがったとこもあるし」
瓢と円の言葉で、飛鳥も壺と屏風の方を見た。
「そういえばこの屏風の墨絵、さっきからなーんか見覚えがある気が……」
梨香はぼんやりと視線を上げた。
飛鳥のいうように意識散漫に。
するとそのとき、それは唐突に見えたのだ。
「……寝子島だわ」
みんなは梨香が突然何を言い出したのかわからなかった。
「みて、屏風に描かれているものを。あのなんだかよく分からない墨絵の形を焦点を合わせずに見てみるの。曖昧に見たら、わかるはずよ。見覚えどころか、私たちはちょくちょく目にしているかたちだってこと。例えば天気予報で。例えば地元のニュースで。だって」
梨香のいわんとしていることが、ようやく飛鳥にもわかった。
「あのかたち、木天蓼市付近の海岸線にそっくりだ!」
「そして、赤い壺が、その海岸線のどういう位置にあるか見て」
梨香の言葉に、円ははっと息を飲む。
「寝子島! あの赤い壺が寝子島みたいに見える!」
「嘴みたいに見える突起は、おそらく九夜山。左の翼は洞窟のあたり、右の翼は寝子島大橋につながるあたり……そういえば、桜庭さん、さっきこの屏風と壺のいわれについて何か話していたわね。もう一度、女将が何ていっていたか教えてくれる?」
「えっと、たしか、ふたつとも女将が先代から受け継いだ古いもので、ずっと昔に木天蓼湾を荒らしまわっていた海賊の宝だ、って」
「ずっと昔に寝子島近海を荒らしまわっていた海賊……」
梨香と飛鳥は顔を見合わせた。
「……シーノだわ」
梨香は赤い壺をひっくり返した。その底に、シーノが古くから使っている小さな鈴の文様があるのを見つける。この赤い壺と屏風はシーノの遺産に違いないと梨香は確信した。そういえば紅梟の壁画があった地下帝国の小部屋にも同じ文様があった。あの壁画とこの壺は、やはり関係があるのではないだろうか。
「ってことはなにかい、紅梟の壁画=寝子島の地図だとするなら、そちらさんの探してる伝説の宝の島は、寝子島だってわけかい? やぁやぁ青い鳥、探し物はすぐそばにあったよーって?」
どこか小馬鹿にしているかのような瓢の言葉に、しかし梨香は懐疑的だった。
「そうかしら……シーノは、いまでこそ横文字の名前を名乗って世界に進出しているけれど、元はこのあたりを根城にしていた海賊なのよ。寝子島にいて寝子島を捜し求めるってどういうこと?」
けれども、そこまでいって強く首を振る。
「でも……そうね。わからないわ。なにしろ、私たちは長い歴史の中で、多くのものを失ってしまっている……伝承然り、伝説の宝の島然り……あの紅梟の壁画もきっとそう。私たちが時の中で失ってしまったもののひとつなんだわ」
ひとつひとつ考えを口にするうち、梨香の瞳に静かな光が灯っていった。
それは、すべきことが見えてきた者に宿る、意志の光だった。
「寝子島……知っているようで知らないこの島のことを、もっと知らなければいけないようね」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
推理・サスペンス
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年12月11日
参加申し込みの期限
2013年12月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年12月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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