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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
寝子温泉、謎解きの宿
●隊長ＶＳ武道少女コンビ
ホビットこと七峯 亨がピンチに陥っていたちょうど同じとき。
「そこまでよ！ そのピンクの衣装、世を騒がせる桃色破廉恥小隊とはあなたたちのことね！？」
駆けまわった末ようやく脱衣所前に辿り着いた下心は、風呂場から駆け付けた矢萩 咲と奈良橋 博美の武道少女コンビと対峙していた。
ふたりとも湯上りに大慌てで着つけた浴衣姿で構えを取る。
その、ちらちらと見えそうで見えないところが下心の桃色ハートをくすぐりまくる。
博美は呆れた声でいった。
「俺の身体なんて見ても、楽しくないと思うんだけどな」
下心はノンノンと、真顔で――仮面をつけているけど――いってのけた。
「どんな女の子にも、のぞきがいはあるものさ！」
「破廉恥な！」咲がドヤーッと竹刀で突く！
「くッ！」竹刀が下心の肩を強く掠める。
「こんな事もあろうかと竹刀を持ってきていて正解だったわ……破廉恥行為は許しません！」
咲の勢いに押されて逃げを打った下心を、今度は博美が＜トンビの飛翔＞で追う！
「逃がさないよ！」
もんどりうって博美に取り押さえられた下心に、追いついた咲が竹刀を振り下ろし――寸止めした。
「ぜ、絶対絶命……！」
武道少女コンビ完全勝利、かと思われたそのときだった！
「あー、どけてーあぶなーい」
男湯の暖簾の影から突如現れたのは初島 優ではないか！
「あーごめーん！ ちょっとすべっちゃってー」
優はえへへ、と少年力を最大限に駆使した邪気のない笑顔で通り過ぎていった。
しばらく唖然としていた咲が「あ！」と叫んだ。この隙をついたピンクなアイツが、すたこらさっさと廊下を曲がって逃げ去るところだった。
――こうして下心の女湯への挑戦は幕を閉じた。
今宵は残念ながら天国を見ることは叶わなかったが、心配ご無用。リナに踏みつぶされそうになったとき、咄嗟に足裏の土踏まずの窪みに身を滑らせることでギリギリ命を存えたホビットが、のちにすばらしい体験を聞かせてくれることだろう。
●お風呂上りのバニラアイスは至福
「時枝さん、いまの寝室のセッティングどうだった？」
「すばらしいです！ １分かかっていません！」
「どうどう？ 女将より早いでしょ？ にひひ！」
夏の間から、風呂上りの青物 といきと時枝 香苗がわいわい布団を敷いている声を聞こえてくる。
のぞき騒ぎこそあったものの充分温泉を楽しむことのできた坂内 梨香は、ひとり夏の庭に出た。
手にしているのはバニラアイス。
ぺろりと舐め、その冷たさにうっとりと頬を緩める。
「ああ……」と梨香は嘆息した。「これよこれ。お風呂上りのバニラアイスは至福ね」
と、
「梨香君、だーれだ」
突然目の前を両手で塞がれる。しかし、梨香はすぐに相手が誰かわかった。
「晴海さん」
「あたり」
悪戯っぽい目つきで舌を出したのは、梨香と同じシーノという組織の一員でもある晴海 飛鳥だった。
「やぁ、梨香君しばらくぶり！ さっきまでお疲れが顔に出ちゃってたけど、つやつやになったんじゃない？ ちょっとは癒された？」
「まあね……」
「あーまたそんなにぶすくれて。地下帝国で見つけた例の紅梟の壁画の解読、進んでないみたいだね？」
梨香はちょっと飛鳥を睨みつける。
「あ、気を悪くしたならゴメンネ、嫌味いいに来たんじゃないよ？ ただ、たまたま一緒になった友達に声をかけたくなっちゃっただけだからさ。ちなみに僕が来たのは、知り合いのおばあさんが持ってる曰くつきのしなの鑑定をしてあげたお礼で～って興味ない？」
「ないわね」
同じ組織に属していても、ふたりには微妙な距離感があるらしい。
「梨香君には頑張ってもらわないと、遊びのネタがねぇ。最近愉快なネタも回ってこないしね。梨香君にはびっくりな発見してもらって、僕が現場に一番乗りできるのが理想なんだけど」
「君ってほんとうに歯に衣着せないわよね」
「あっははー。それが僕のいいところさ！」
ひらひら手を振って立ち去ろうとする飛鳥を、梨香が呼びとめる。
「なに？」
「べつに……大したことじゃないけど。バニラアイス……」
「バニラアイス？」
「ふたつあるから。……ひとつ食べない？」
ははは、と飛鳥は声をあげて笑った。
「食べる食べる。風呂上りのアイスって美味いよね！」
「そうよね！ とくにバニラアイスは最高……って今の、シーノのみんなには内緒だからね？」
「はいはい。梨香君は風呂上りのバニラアイスでデレる、と」
「デレないわよ！」
「あはは！ わかったわかった！」
バニラアイスのお礼に僕も手伝うよ、と飛鳥はいった。
「お宝の手がかり、見つかるといーねぇ、ムッフッフー♪」
秋の間からどっと歓声が上がる。トランプの大富豪ゲームで、革命が起きたらしい。
そのころ、二階の個室でも、それぞれの夜が繰り広げられていた――。
ホビットこと七峯 亨がピンチに陥っていたちょうど同じとき。
「そこまでよ！ そのピンクの衣装、世を騒がせる桃色破廉恥小隊とはあなたたちのことね！？」
駆けまわった末ようやく脱衣所前に辿り着いた下心は、風呂場から駆け付けた矢萩 咲と奈良橋 博美の武道少女コンビと対峙していた。
ふたりとも湯上りに大慌てで着つけた浴衣姿で構えを取る。
その、ちらちらと見えそうで見えないところが下心の桃色ハートをくすぐりまくる。
博美は呆れた声でいった。
「俺の身体なんて見ても、楽しくないと思うんだけどな」
下心はノンノンと、真顔で――仮面をつけているけど――いってのけた。
「どんな女の子にも、のぞきがいはあるものさ！」
「破廉恥な！」咲がドヤーッと竹刀で突く！
「くッ！」竹刀が下心の肩を強く掠める。
「こんな事もあろうかと竹刀を持ってきていて正解だったわ……破廉恥行為は許しません！」
咲の勢いに押されて逃げを打った下心を、今度は博美が＜トンビの飛翔＞で追う！
「逃がさないよ！」
もんどりうって博美に取り押さえられた下心に、追いついた咲が竹刀を振り下ろし――寸止めした。
「ぜ、絶対絶命……！」
武道少女コンビ完全勝利、かと思われたそのときだった！
「あー、どけてーあぶなーい」
男湯の暖簾の影から突如現れたのは初島 優ではないか！
「あーごめーん！ ちょっとすべっちゃってー」
優はえへへ、と少年力を最大限に駆使した邪気のない笑顔で通り過ぎていった。
しばらく唖然としていた咲が「あ！」と叫んだ。この隙をついたピンクなアイツが、すたこらさっさと廊下を曲がって逃げ去るところだった。
――こうして下心の女湯への挑戦は幕を閉じた。
今宵は残念ながら天国を見ることは叶わなかったが、心配ご無用。リナに踏みつぶされそうになったとき、咄嗟に足裏の土踏まずの窪みに身を滑らせることでギリギリ命を存えたホビットが、のちにすばらしい体験を聞かせてくれることだろう。
●お風呂上りのバニラアイスは至福
「時枝さん、いまの寝室のセッティングどうだった？」
「すばらしいです！ １分かかっていません！」
「どうどう？ 女将より早いでしょ？ にひひ！」
夏の間から、風呂上りの青物 といきと時枝 香苗がわいわい布団を敷いている声を聞こえてくる。
のぞき騒ぎこそあったものの充分温泉を楽しむことのできた坂内 梨香は、ひとり夏の庭に出た。
手にしているのはバニラアイス。
ぺろりと舐め、その冷たさにうっとりと頬を緩める。
「ああ……」と梨香は嘆息した。「これよこれ。お風呂上りのバニラアイスは至福ね」
と、
「梨香君、だーれだ」
突然目の前を両手で塞がれる。しかし、梨香はすぐに相手が誰かわかった。
「晴海さん」
「あたり」
悪戯っぽい目つきで舌を出したのは、梨香と同じシーノという組織の一員でもある晴海 飛鳥だった。
「やぁ、梨香君しばらくぶり！ さっきまでお疲れが顔に出ちゃってたけど、つやつやになったんじゃない？ ちょっとは癒された？」
「まあね……」
「あーまたそんなにぶすくれて。地下帝国で見つけた例の紅梟の壁画の解読、進んでないみたいだね？」
梨香はちょっと飛鳥を睨みつける。
「あ、気を悪くしたならゴメンネ、嫌味いいに来たんじゃないよ？ ただ、たまたま一緒になった友達に声をかけたくなっちゃっただけだからさ。ちなみに僕が来たのは、知り合いのおばあさんが持ってる曰くつきのしなの鑑定をしてあげたお礼で～って興味ない？」
「ないわね」
同じ組織に属していても、ふたりには微妙な距離感があるらしい。
「梨香君には頑張ってもらわないと、遊びのネタがねぇ。最近愉快なネタも回ってこないしね。梨香君にはびっくりな発見してもらって、僕が現場に一番乗りできるのが理想なんだけど」
「君ってほんとうに歯に衣着せないわよね」
「あっははー。それが僕のいいところさ！」
ひらひら手を振って立ち去ろうとする飛鳥を、梨香が呼びとめる。
「なに？」
「べつに……大したことじゃないけど。バニラアイス……」
「バニラアイス？」
「ふたつあるから。……ひとつ食べない？」
ははは、と飛鳥は声をあげて笑った。
「食べる食べる。風呂上りのアイスって美味いよね！」
「そうよね！ とくにバニラアイスは最高……って今の、シーノのみんなには内緒だからね？」
「はいはい。梨香君は風呂上りのバニラアイスでデレる、と」
「デレないわよ！」
「あはは！ わかったわかった！」
バニラアイスのお礼に僕も手伝うよ、と飛鳥はいった。
「お宝の手がかり、見つかるといーねぇ、ムッフッフー♪」
秋の間からどっと歓声が上がる。トランプの大富豪ゲームで、革命が起きたらしい。
そのころ、二階の個室でも、それぞれの夜が繰り広げられていた――。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2013年12月11日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年12月18日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2013年12月18日 11時00分
