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ヒゲ猫ペンシルと、魔法商店街の無邪気な子どもたち
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【ZooTuberになろう!(2)】
「さ……紗月! 紗月!?」
なんといったか。ローグ……ライト? ローグライク? 言葉の意味は分からないがどうやら、プレイヤーがむかえる無数の死によって経験を積み重ね、徐々に攻略を進めてゆくというゲームの様式の一種であるらしい。死を繰り返すことそのものをこそ求められるとは、酷ではないか。楽しいのかね、それ? どうにも理解しがたいが、これが揺るぎなく確立されたジャンルであるという。
ふむ。そうだな……死に憧れる人間は少なからず在ろう。霊界にもそうして命を断ったものの魂が否応なく流れつき、虚ろなるまま列車へと乗り込み深淵へと向かう。あやかしの死は人のそれといくらか意味合いを違えるが、永劫の別れであることに変わりはない。ときにあやかしとて死におびえ、死を厭い、死を嘆くものだ。では、諸君はどうだ?
画面に映る死のひとつひとつであれば虚構と認識もできようが、Loreのもたらすそれは確かに虚構でありながら、衝撃をもって感情を揺らす体験だ。初瀬川の狼狽も無理はない。
「紗月、どこ!? 紗月……」
「……理緒ちゃん!」
駆け寄るふたりがたがいをかたく抱きすくめる様は美しい。暗い死の憂いなどいっとき吹き飛ばすほどに。
地下の陰鬱な施設に踏み込み、奇怪な異形に殺戮された彼らはふたたび、出発点へと立っていた。樹のうろに続く階段を前に、倉前とブラックウッドも呆けて口を開けている。
「ウォルターさん。僕たち、死にましたよね? ウォルターさんも……あんなに。ば、ばらばらに」
「いやあ、おどろいたよねえ」
長い生の果てに一瞬の死をむかえるのが人生ならば、ここではそれらが逆転するらしい。数多の死のサイクルを繰り返した先にようやく、生の安息を得ることができるのだ。彼らは自らの死を繰り返し味わい、親しく近しい者たちの死を見つめ続けることになるだろう。まったく、酷なことを考えるものだな、人間は。
「理緒ちゃん、私……怖かった。痛かった。自分が死んじゃうのもイヤだけど……理緒ちゃんが、し、死んじゃうのを……何度も見なきゃいけないの?」
「あたしだって! 紗月があんなふうに……また、この穴にもぐらなきゃいけないなんて」
「ふぇふぇふぇ」
はっとして彼女らが振りかえると、これがどうだ。またしても奇妙な光景が目に入った。小屋が建っていた。なんとも簡素なボロ小屋だ。
入り口の扉からひとりの少女が顔を出し、こちらを見つめている。
「あれ……山田さん?」
「山田 エレキちゃん?」
「ふぇふぇ。死ぬのはイヤやなあ。そうやろなあ。だったら、エエもんがあるで~」
山田に似た、長い髪をふたつ縛りに結った少女だ。しかし目の下には黒々としたくまがあり、背を曲げて上目づかいに彼らを見る様はどうにも陰鬱に映った。
少女はゆらゆらと手を振り彼らを小屋へと招いた。
「そのカメラでいくらかでも、あのバケモンを撮ったやろ~? アノマリーちゅうて呼ばれとるけどな~」
「え。カメラ」
「倉前、あんたの持ってるソレじゃないかい」
「あ」
夕顔に指をさされるまで、忘れていたらしい。少女の指示するまま、それを小屋に据えられた大型テレビへと接続する。
「あのー。エレキさんじゃ……なかとですか」
「ふぇふぇふぇ、ウチはただの案内役やで~。つないだ? ほんじゃ、映像を配信するんや」
「おー、映った。Mewtubeみたいだねえ」
映像は手ぶれがひどくまっとうな鑑賞には耐えがたいが、撮影すべき肝要は映り込んでいた。つまり彼らの死や、アノマリーと少女が呼んだ異形の克明な姿だ。それらが映し出されるたび、画面の端に流れるコメント欄には次々に『すごい!』『だいはくりょく!』『リオがかわいい!』『ウォルター、うしろうしろ!』『もっとよくみせて!』などと勝手な意見感想が連なり、あわせて添えられたハートマークの数が増えてゆく。
「こうやって撮影したものを配信するとな~、『いいZoo』がいっぱいもらえて、お金もがっぽがっぽ儲かるわけやね。そんで稼いだお金で、ウチからお助けアイテムをばんばん買って、攻略してくんやで」
「……お助けアイテム?」
すっかり、お膳立ては整っているらしい。
右手に懐中電灯、左手に佐和崎のやわらかい手を握り、初瀬川は駆ける。佐和崎が持っているのはラジオだが、今のところ役立ちそうな局面は見られない。異形を音で引き寄せるとのことだが、こんな状況になっては活躍は見込めまい。
「まだ来る!? 来てる!?」
「来てる! 理緒ちゃん、すぐ後ろに!」
「走って、とにかく走って、紗月!」
小鬼とでも表現すればよいだろうか。顔のないさまはぬっぺっぽうも思わせる。這うような姿勢で追いすがる異形、アノマリーが数体、ふたりの背後に迫っていた。
「倉前くんと、ブラックウッド先生は……!?」
「分かんない、はぐれた! まずいね、これじゃ撮影もできな」
「理緒ちゃ……」
ふたりはふたたびの死をむかえた。とだけ述べておこう、この死にざまを克明に言い表すにははばかられる。
いっぽう倉前とブラックウッドも地下施設を駆けていた。
「なんですか、あれ? なんですかあれ!?」
「僕が引きつける、七瀬は撮影を! それしかない……!」
うごめく影がブラックウッドをとらえ、絡めとってゆく。七瀬は思わずカメラを投げ出し影へととびかかったが、かなう相手でもない。そして彼らは魔法をすっかり失念しているようだった。冷静に杖のひとつも振るえば切り開ける局面であったかもしれないが、近しい者が命を落とすのをまざまざと見せつけられながら容易に平静保つような輩がいるなら、きっと悪鬼か悪魔の類だろう。
「ウォルター、さん……!」
幸いにしてカメラは自動的に回収されるようだ。彼らの果てるさまもまた見ごたえのひとつというわけだ。後に確認すると、転げたカメラは影の内側で回転する歯牙へと吸い込まれてゆくふたりを克明に映し出していた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年09月06日
参加申し込みの期限
2024年09月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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