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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
そんな一日があってもいいじゃない
部室棟にある射撃部の入口には大きな標的が置かれていた。部活動で使うビームライフルやビームピストルは磨かれた状態で箱に収められている。他にも手作りと思われる細々とした道具が積み上げられた。
部室の中では修が掃除に励んでいる。掃き掃除を終えて今は拭き掃除に専念した。どうしても取れない汚れは特殊な液体を使って擦り上げた。
額には汗が滲む。本人は気付いていないのか。床に目を凝らし、僅かなくすみも嫌って雑巾で擦る。
その時、右肩を掴まれた。その状態で揺さぶられてようやく気付く。
「修君ってば」
七夜 あおいに名前を呼ばれていたことに――。
「ああ、あおいか」
「一人で掃除？」
「三年は引退したし、後輩も何かと忙しいからね。それに俺が始めた部で思い入れが強いから」
「手伝おうと思ったけど、もう、必要ないかな」
あおいは部室を見回す。床は綺麗に磨かれ、一点のくすみもない。壁も同様で真っ新な状態に戻っていた。
あおいはふと思いついたことを口にした。
「修君も引退したんだよね？ 三年だし」
「その通りだ。部長は信頼の置ける後輩に譲ったよ。新聞部も同じだ」
「これが最後の掃除になるんだね」
あおいがしみじみと言う。修は優しい眼差しで綺麗になった部室を眺める。
「当たり前なことなのに今日は胸に響く。懐かしい思い出が蘇って、なんだろう。悲しいような嬉しいような複雑な気分になるよ」
「部室を離れて裏の森で射撃を楽しんだこともあったね」
「懐かしいな。手作りのお弁当を食べたり、いろいろな企画を立ち上げて盛り上がったよな」
修は目を閉じた。やや顔を上げてゆったりとした呼吸を繰り返す。
「……あおいはどうして、ここに俺がいることを知ったんだ？」
「探したからね。最後に来たのが、この射撃部だったんだよ」
「この俺を？ どうして？」
「どうしてかな。あまり深く考えていなかったと思う。ただ、修君に……修に会いたくなった」
青い瞳は純粋で無邪気な笑顔を作った。
「そうか。ありがとう、と言うのもヘンか」
「どういたしまして。それでこれからどうする？ 掃除は終わりだよね」
「どうしよう」
磨き上げた窓に顔を向ける。一目で駆け寄った。気付いたあおいも同じように窓に顔を寄せた。
「なんか大量に落ちてくるんだけど！」
「凄い数だ。一目では数え切れない。でも、どうしてだろう。嬉しくて身体が震える」
様々な色の物が空から無数に落ちてくる。形状もよく似ていて楕円に近く、ゼリーのように内部が透けて見えた。
あおいは小難しい顔で目を細くした。
「あれって、なんだろう？ 生き物には見えないし、なにかの道具にも思えないんだけど」
「名前はゼリン。不思議な生物で俺の、そう俺の空の友達だ」
「私も友達になりたい」
「急いで片付けよう」
「私も手伝うよ」
綺麗になった部室に外に出していた道具を運び込む。あおいは修の指示に従って物を置いた。
協力することで早くに終わり、修はあおいに手を差し出す。笑顔で握ると二人は揃って走り出す。
「ゼリン、俺だ！ あおいを連れてきた！ また一緒に楽しい一時を過ごそう！」
「私はあおいだよ！ よろしくね！」
二人の声に真っ白なゼリンが反応した。純白の翼で羽ばたき、ぷにょー、と鳴きながら飛んできた。
あおいは胸で受け止め、艶やかな身体を撫でた。
側にいた修も同様に摩る。
和やかな状態は長く続かない。急に一帯が陰った。
修は瞬時に真上に目をやる。
「空が、割れている……」
大量に落ちてきたゼリンは逃げ出したのか。割れた空の奥に禍々しい城が見えた。尖塔は黒い槍のように鋭く、畏怖の対象に成り得る。
「あれは異世界なのか」
「どうするつもり？」
「向こうの出方次第で、大冒険になるかもしれない」
「その時は一緒だよ」
あおいは力強い笑みで笑う。
「ああ、共に行こう」
口から出かけた、いつまでも、は心に留めた。
波乱の兆しの中、二人の果敢な挑戦が始まる。
部室の中では修が掃除に励んでいる。掃き掃除を終えて今は拭き掃除に専念した。どうしても取れない汚れは特殊な液体を使って擦り上げた。
額には汗が滲む。本人は気付いていないのか。床に目を凝らし、僅かなくすみも嫌って雑巾で擦る。
その時、右肩を掴まれた。その状態で揺さぶられてようやく気付く。
「修君ってば」
七夜 あおいに名前を呼ばれていたことに――。
「ああ、あおいか」
「一人で掃除？」
「三年は引退したし、後輩も何かと忙しいからね。それに俺が始めた部で思い入れが強いから」
「手伝おうと思ったけど、もう、必要ないかな」
あおいは部室を見回す。床は綺麗に磨かれ、一点のくすみもない。壁も同様で真っ新な状態に戻っていた。
あおいはふと思いついたことを口にした。
「修君も引退したんだよね？ 三年だし」
「その通りだ。部長は信頼の置ける後輩に譲ったよ。新聞部も同じだ」
「これが最後の掃除になるんだね」
あおいがしみじみと言う。修は優しい眼差しで綺麗になった部室を眺める。
「当たり前なことなのに今日は胸に響く。懐かしい思い出が蘇って、なんだろう。悲しいような嬉しいような複雑な気分になるよ」
「部室を離れて裏の森で射撃を楽しんだこともあったね」
「懐かしいな。手作りのお弁当を食べたり、いろいろな企画を立ち上げて盛り上がったよな」
修は目を閉じた。やや顔を上げてゆったりとした呼吸を繰り返す。
「……あおいはどうして、ここに俺がいることを知ったんだ？」
「探したからね。最後に来たのが、この射撃部だったんだよ」
「この俺を？ どうして？」
「どうしてかな。あまり深く考えていなかったと思う。ただ、修君に……修に会いたくなった」
青い瞳は純粋で無邪気な笑顔を作った。
「そうか。ありがとう、と言うのもヘンか」
「どういたしまして。それでこれからどうする？ 掃除は終わりだよね」
「どうしよう」
磨き上げた窓に顔を向ける。一目で駆け寄った。気付いたあおいも同じように窓に顔を寄せた。
「なんか大量に落ちてくるんだけど！」
「凄い数だ。一目では数え切れない。でも、どうしてだろう。嬉しくて身体が震える」
様々な色の物が空から無数に落ちてくる。形状もよく似ていて楕円に近く、ゼリーのように内部が透けて見えた。
あおいは小難しい顔で目を細くした。
「あれって、なんだろう？ 生き物には見えないし、なにかの道具にも思えないんだけど」
「名前はゼリン。不思議な生物で俺の、そう俺の空の友達だ」
「私も友達になりたい」
「急いで片付けよう」
「私も手伝うよ」
綺麗になった部室に外に出していた道具を運び込む。あおいは修の指示に従って物を置いた。
協力することで早くに終わり、修はあおいに手を差し出す。笑顔で握ると二人は揃って走り出す。
「ゼリン、俺だ！ あおいを連れてきた！ また一緒に楽しい一時を過ごそう！」
「私はあおいだよ！ よろしくね！」
二人の声に真っ白なゼリンが反応した。純白の翼で羽ばたき、ぷにょー、と鳴きながら飛んできた。
あおいは胸で受け止め、艶やかな身体を撫でた。
側にいた修も同様に摩る。
和やかな状態は長く続かない。急に一帯が陰った。
修は瞬時に真上に目をやる。
「空が、割れている……」
大量に落ちてきたゼリンは逃げ出したのか。割れた空の奥に禍々しい城が見えた。尖塔は黒い槍のように鋭く、畏怖の対象に成り得る。
「あれは異世界なのか」
「どうするつもり？」
「向こうの出方次第で、大冒険になるかもしれない」
「その時は一緒だよ」
あおいは力強い笑みで笑う。
「ああ、共に行こう」
口から出かけた、いつまでも、は心に留めた。
波乱の兆しの中、二人の果敢な挑戦が始まる。
あとがき
担当マスター：
黒羽カラス
ファンレターはマスターページから！
今回のシナリオは「プライベートシナリオ縮小版」という形で仕上げました。
個々の繋がりはかなり希薄ですが、内容は多岐に渡りました。アクションに書かれた内容をほぼ採用して、
私なりのアレンジを加えました。更に文字数を増やせばプライベートシナリオになります。
たくさんのマスターさんがらっかみ！に参加されているので、これを機に！
少々、値が張るのでお財布と相談することになりますが。
最後にご参加いただき、ありがとうございました。
個々の繋がりはかなり希薄ですが、内容は多岐に渡りました。アクションに書かれた内容をほぼ採用して、
私なりのアレンジを加えました。更に文字数を増やせばプライベートシナリオになります。
たくさんのマスターさんがらっかみ！に参加されているので、これを機に！
少々、値が張るのでお財布と相談することになりますが。
最後にご参加いただき、ありがとうございました。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2024年08月25日
- 参加申し込みの期限
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- 2024年09月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2024年09月01日 11時00分
