this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
そんな一日があってもいいじゃない
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
自宅のあるアメリカのフィラデルフィア州から飛行機を乗り継いで十四時間と少々。
斉田 珠喪
は久しぶりに寝子島へ戻ってきた。
シーサイドタウン駅を降りると海風が吹く方向に歩き出す。銀髪のツインテールが弾み、黒いスカートを取り巻く白いフリルがたおやかに波打つ。愛用するピコピコハンマーは腰の辺りで前後に揺れた。
「……あれは」
寝子ヶ浜海岸の砂浜を黙々と走る偉丈夫がいた。遠目でも長身とわかる。
眺めていると急に走る方向を変えた。珠喪との距離が近くなる。左目の縦の傷が人物を雄弁に語った。
珠喪は柔らかい表情で言った。
「久しいのう、従兄殿」
「余は待っていたのである。つい走り込みに夢中になってしまったが、愛しく思う気持ちは忘れておらぬ」
「面と向かって言われると、面映ゆい気持ちになるのじゃ」
白い頬をほんのりと桜色に染める。
明星 黄流
は鷹揚に頷き、用向きを尋ねた。
「卒業式が間近になって、いろいろと準備があるのじゃ。懐かしい海を見てから寝子島シーサイドアウトレットへ向かうつもりじゃ」
「華奢な珠喪では難儀することもあろう。余が力を貸してやらんこともない」
鋭い眼光は好意の色を帯びる。珠喪は柔らかい笑みで、力を貸すのじゃ、と控え目に返した。
「よかろう。余に任せるのである」
二人は並んで海沿いの道を歩いてゆく。黄流は警戒の目を緩めず、万難を排する気概で護衛役を買って出た。
――お姫様になった気分じゃ。
珠喪は頼もしい黄流を見て小さく笑った。
目的の場所に着くと珠喪はキョロキョロと辺りを見回す。
「人がおらぬが、もしや休業なのかのう」
「そうとは限らん。あの建物から声がするのである」
黄流は大きな店舗に鋭い目を向けた。珠喪は訝し気な顔で近づく。
「声がするのう。イベントの歓声ではなくて、悲鳴に近いようじゃ」
「それだけではないのである。何やら禍々しい気配を感じるであるぞ」
黄流の足音が消えた。独特な歩行で滑るように店舗へ近づき、ガラス窓から中を窺う。
工具が並んだ棚の奥に揺らめく青年を見た。知性が微塵も感じられない顔付きで片脚を引き摺るようにして歩いていた。両手は何かを求めるように水平に上げて、思い付いたように鍵爪の形状の指が宙を掻き毟る。
黄流の横で眺めていた珠喪が腰に据えたピコピコハンマーを手に握る。
「TPS(サードパーソン・シューティングゲーム)のようじゃ。わらわのピコハンで相手をしてやろうかのう」
「余が露払いをしてやるのである」
黄流は心の奥底で珠喪を守ると強く念じた。ろっこん『先の先の心の先』が発動した。
左の掌から突き出した柄を右手で握ると一気に引き抜いた。鞘には収まっていなかった。綺麗な波紋が浮き出し、刀身は冷たい輝きを放つ。
目にした珠喪は目を見開いた。
「従兄殿、やり過ぎではなかろうか」
「あれには生気がないのである。怪異の類いに情けは無用であるぞ」
口の端で笑うと黄流は滑るように店舗の中へ突っ込む。あとに珠喪が続いた。
「さすがは従兄殿じゃ。店舗の中は広い上に逃げ遅れた者もいるやもしれぬ。連絡はスマホで頼むのじゃ」
「了承したのである」
言いながら日本刀を低く構える。青年へ真っすぐ向かい、銀色の光が斜めに走る。目にも止まらない左逆袈裟斬りで青年の上体が斜めにずれる。
傷口から黒い血のようなものを噴き出し、全身が黒い靄となって掻き消えた。
「なるほどのう」
珠喪は黄流の背中を追い、突き当りで右に折れた。微かな悲鳴を聞いた辺りに女性がいた。身を低くして棚に隠れているようだった。
「大丈夫かのう」
声を掛けると女性は驚いた顔を向けて唇に人差し指を当てた。震えが収まらず、カチカチと歯の鳴る音がした。
「近くにいるようじゃ。わらわに任せてそなたは逃げるのじゃ」
女性の視線の先へ向かうと大柄な中年男性がいた。やはり白目を剥き、開いた口からダラダラと涎を流していた。
珠喪の接近に気付くと野太い声を上げて襲い掛かる。
「せっかちよのう。チェイン」
口にした途端、ろっこん『絆のピコハン』が発動。槌と柄を繋ぐ鎖が現れた。
珠喪は小柄な体型を活かし、中年男性の脇を擦り抜ける。ほぼ同時に鎖を足に絡ませて転倒させた。顔面を床に打ち付けて苦しむ隙に背中へ飛び乗る。
「チェックメイトじゃ」
鎖は首に巻かれ、瞬く間に締め上げる。悶え苦しむ時間はほとんどなく、中年男性は黒い霞と化した。
別のところで悲鳴が上がる。おおよその位置に目を向けて、難儀なことじゃ、と愚痴を零す。
言葉に反して目は笑っていた。珠喪はTPSの大会のように全力で走り出した。
伸縮自在の鎖を使い、珠喪は棚の上に身を潜める。腹這いの状態で前進。左右から低い唸り声が聞こえてきた。
珠喪はスマートフォンを取り出した。声の出る通話は控え、チャット機能を選択した。
『わらわは一階の北東で怪異に囲まれて身動きが取れん。そこで従兄殿の力を借りたいのじゃ』
秒単位で返事がきた。
『殲滅するのである』
恐ろしい一文に安堵を覚え、珠喪は画面に向かって軽く頭を下げた。
足音は聞こえない。銀色の刃のきらめきは目にした。瞬く間に唸り声は一掃された。
珠喪が顔を覗かせると黄流と目が合った。
「終わったのである」
「助かったのじゃ」
珠喪はスカートを片手で押さえ、軽い音で着地を果たす。
黄流は一方に目を向けて柄を握り直した。
「最後の仕上げが残っているのである」
「……ほう、この苦し気な声が元凶のようじゃな。ここからは連係プレーでいくかのう」
「悪くないのである」
黄流は声の方に走り出す。日本刀を低く構え、広い場所へ踏み込んだ。数秒の遅れで珠喪が続く。
二人は、ほぼ同時に足を止めた。奥のベンチに頭を抱えた人物が座っていた。身を縮めた状態でブルブルと震えている。
構えたまま黄流は珠喪の横に付けた。
「あれは人間であるぞ」
「そのようじゃ。どうしたものかのう」
二人で眺めていると震える人物から黒い靄が噴き出した。意志があるかのように蠢き、形を成していった。
「あれならば斬れるのである」
「硬そうじゃ」
店舗の天井に頭が届きそうな巨躯で異常に両腕が太い。一歩を踏み出すと棚が揺れた。置かれた木材の一本が倒れて乾いた音を立てた。
「鬼のようじゃ。従兄殿、斬れるかのう」
「試してやるのである」
構えを解かず、滑るように走る。鬼の放つ拳が風を起こし、後方に控えた珠喪のツインテールを靡かせた。
黄流は斜め前に跳んで躱し、銀色の光を水平に放つ。拳は両断されることなく、甲高い金属音を立てた。
無傷と知り、珠喪が向かう。弧を描くように走って跳んだ。振り上げたピコピコハンマ―を鬼の左の半顔に打ち下ろす。脅威と感じていないのか。無防備でせせら笑う。
「そう思うよのう」
空振りさせると鞭のように撓る鎖が左目を直撃。
鬼は怒りの咆哮を上げた。左手で目を覆っても流れる黒い靄を押さえ切れない。
「見切ったのである」
その隙を黄流は見逃さない。疾走に切り替え、跳んだ。鬼の隆起した筋肉を足場にして一気に顔へ近付く。
「終わりであるぞ」
初動が見えず、銀色の輝きも失われた。鬼の右目からは柄だけが見えていた。
黄流は単身で舞い降りた。そして左手を高々と上げる。
瞬く間に鬼は霧消した。宙に日本刀が残り、緩やかに回りながら落ちてきた。それは左の掌に切っ先から吸い込まれて消えていった。
珠喪はゆっくりと歩き出す。未だベンチで頭を抱える人物にピコピコハンマーを打ち下ろした。
ピッと鳴る音に合わせて頭を上げた。少年は毒気を抜かれたような表情で、僕はとんでもないことを、と言い淀む。
「わらわの見立てでは、ろっこんの暴走が考えられるのう。何があったのじゃ?」
少年は高校の卒業を迎え、進路に悩んでいたという。
黙って聞いていた珠喪はにこやかに言った。
「自信を持つのじゃ」
「その自信がなかったら?」
「自信が持てるように努力すればいいのじゃ。従兄殿はどのように思うのかのう」
チラリと振り返る珠喪に黄流は胸を張って言った。
「生を謳歌せよ。その先に答えがあると知れ」
「実に従兄殿らしいエールじゃのう」
少年は聞きながら微かな笑みを浮かべていた。
一つの事件を解決に導いた珠喪と黄流は清々しい顔で現場を後にした。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
そんな一日があってもいいじゃない
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月25日
参加申し込みの期限
2024年09月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年09月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!