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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
アホー！ ～そしてカラスは闇夜に哂う～
かつて巨大化の末に対処に当たった多くの猫好きを蹂躙した三毛の仔猫に、ふりふりメイド服を纏わせた縫いぐるみ、普堂 しおりは案内板で園内の設備の位置を確認すると、行動を開始した。
雰囲気はスキップせんばかりの しおりだが、天性の勘に加えて手際も良い。
問題をあげるとすれば、身を守る方法だった。
しおりに殺到した玩具に、藤の枝が鞭のようにしなって叩きつけられた。
ピンチを救ったのは、藤娘をかたどった日本人形の西桐 歩美。
気品ある貌、涼しげに吊り上った目元に、生真面目な印象を感じさせる。
歩美が腕を振り上げるたびに、藤の枝は花房が引きちぎれ、見るも無残に崩れていく。
「だ、大丈夫？」
「ええ、問題ないわ」
心配する しおりに余裕の笑みを見せると、歩美は笠を放り上げ、駒のように片足を軸に、両腕を広げてスピンで敵をなぎ倒していった。
そしてこちらも閃きの少女・桜庭 円。
「テオ、辛そうな声だった……不味い状況なのかな？ ひびきちゃーん、テオを探しに行こう！」
ゴスロリ風ビスクドールの円は、背中合わせに立つ、ガーリーなネズミの縫いぐるみの笠原 ひびきに言う。
円が解いたリボンで作った即席投石器で、たかって来る玩具を牽制し、ひびきも得意の空手で接近を許さない。
攻撃が止んだ僅かな隙に、ひびきは ろっこん＜ツーカー・トーカー＞でテオとの交信を試みる。
――テオ、今どこに居るんだ？
――……聞いてなかったのかよ？ 先に ののこの方へ向かえ……！
――勘違いすんな。野々救出には大勢向かってるけど、あんたにも寝ててもらっちゃ困るんだ。
ひびきの言うように、今も友人の御剣 刀らが別行動で、ののこ救出に向かっていた。
――……目が回って……景色が……。
「目が回る？」
「……ひびきちゃん、テオに伝えて。ボクらと、ののこちゃんの所に行こうって。
自分で大切な人を守れないとか、調子が悪いからって諦めるのも嫌じゃん。一緒に足掻いてみようよって」
襲ってきた玩具を咄嗟に打ち払う円に、ひびきが頷く。
「まど……桜庭さん？ 良かった、知ってる人がいて。こんな格好でアレだけど、私、弘明寺よ……」
再び玩具達と交戦状態になった円らの声に駆けつけた、バンビの縫いぐるみは弘明寺 能美子。
自分から寄って来たのに、ツンと黒い鼻先を逸らす仕草が、何とも彼女らしい。
「能美子ちゃん？ うわー、かっわいい！」
「……この際、この格好には文句いわないわ」
二人とも乗って、と能美子は首を下げた。
「え？ 能美子ちゃんの背中に？」
きょとんと聞き返せば、返る不機嫌そうな声。
「ビスクドールって結構壊れやす……こ、この方が手っ取り早いでしょ！ で、どこへ行くの？」
「ありがとう、能美子ちゃん！
うーん、猫の習性として、弱ってるなら水場の近く。水のみ場やレストランかな……って、思ったんだけど」
「目が回る、か。どうも引っかかるな」
「ま、行ってみましょ。
もし空振ったとしても、水や餌を食べにカラスや……親玉クローネが来るかも。気をつけなきゃ」
二人を乗せると、バンビは玩具の群れを飛び越えて、軽やかに駆けた。
暗道 忍は失明したはずの左目が像を結ぶのに、感銘を受けた。
目を凝らせば、ろっこん＜ラプラスの瞳＞で、そこら中のモノの綻びが光り、忍には他者より多くのイルミネーションが見えているようなものだった。
玩具の体ゆえに、精神は別として、肉体的には疲れない。
「実家に置いて来た、二羽を思い出すな」
空を飛び交うカラスに、忍は懐かしい家族に思いを馳せる。
「これはアレか？ カラスのリーダーは、美人なのかね？
まぁ、俺はカラスじゃないから、どういう感じに美人なのかは知らないけどな。
ただうちの２羽は、結構美人だと思うぜ！」
上機嫌で忍は歩き出す。
「さて。知り合いがいれば、もう少し楽しめそうだが……玩具になってるんなら、判別するの難しそうだな」
「へぇ、こんなナリでもろっこん自体は使えるのか」
筆記具を持った男性フィギュアに変身した真辺 敬子は、＜あの子は何処へ＞で早速、弟の真辺 伸幸を見つけ出していた。
「何だか気付いたら、クッキーな感じのぬいぐるみになっててびっくりだけれど、やあ今回はゆゆしき事態な感じよねぇ」
姉の敬子に、ひょいと掴みあげられた伸幸は、ジンジャーマンクッキーの姿。
のんびりした口調は相変わらず、へにょりとした笑顔にも面影を感じてしまう。
「敬子さん、地図のろっこん持ってたんだ！」
コンタクトを取ってきた桜井 ラッセルは、ニャンダムキャラのテオル。首から金の鍵を下げている。
「俺がクローネに引き合わせる！ だから地図つくってもらえませんか？
前回も前々回も逃げられちまったし。今後のためにもチャレンジさせて下さい」
ラッセルは最初のクローネとの邂逅で暴走を、次の接触では ろっこんを封じられていた。
「カラス相手に出来るかどうかは賭だが……」
言い淀む敬子に、ラッセルは押す。
「今度クレープでも奢りますから、ダメでも成功でも」
「ほー、忘れんなよ？」
からかうような視線に力強く頷くと、ラッセルは＜黄色いピヨコ＞でカナリアに姿を変えて、敬子を乗せて飛び立った。
弟の伸幸も、しっかり巻き添えで。
「やあ、やっぱりこうなるのねぇ……」
雰囲気はスキップせんばかりの しおりだが、天性の勘に加えて手際も良い。
問題をあげるとすれば、身を守る方法だった。
しおりに殺到した玩具に、藤の枝が鞭のようにしなって叩きつけられた。
ピンチを救ったのは、藤娘をかたどった日本人形の西桐 歩美。
気品ある貌、涼しげに吊り上った目元に、生真面目な印象を感じさせる。
歩美が腕を振り上げるたびに、藤の枝は花房が引きちぎれ、見るも無残に崩れていく。
「だ、大丈夫？」
「ええ、問題ないわ」
心配する しおりに余裕の笑みを見せると、歩美は笠を放り上げ、駒のように片足を軸に、両腕を広げてスピンで敵をなぎ倒していった。
そしてこちらも閃きの少女・桜庭 円。
「テオ、辛そうな声だった……不味い状況なのかな？ ひびきちゃーん、テオを探しに行こう！」
ゴスロリ風ビスクドールの円は、背中合わせに立つ、ガーリーなネズミの縫いぐるみの笠原 ひびきに言う。
円が解いたリボンで作った即席投石器で、たかって来る玩具を牽制し、ひびきも得意の空手で接近を許さない。
攻撃が止んだ僅かな隙に、ひびきは ろっこん＜ツーカー・トーカー＞でテオとの交信を試みる。
――テオ、今どこに居るんだ？
――……聞いてなかったのかよ？ 先に ののこの方へ向かえ……！
――勘違いすんな。野々救出には大勢向かってるけど、あんたにも寝ててもらっちゃ困るんだ。
ひびきの言うように、今も友人の御剣 刀らが別行動で、ののこ救出に向かっていた。
――……目が回って……景色が……。
「目が回る？」
「……ひびきちゃん、テオに伝えて。ボクらと、ののこちゃんの所に行こうって。
自分で大切な人を守れないとか、調子が悪いからって諦めるのも嫌じゃん。一緒に足掻いてみようよって」
襲ってきた玩具を咄嗟に打ち払う円に、ひびきが頷く。
「まど……桜庭さん？ 良かった、知ってる人がいて。こんな格好でアレだけど、私、弘明寺よ……」
再び玩具達と交戦状態になった円らの声に駆けつけた、バンビの縫いぐるみは弘明寺 能美子。
自分から寄って来たのに、ツンと黒い鼻先を逸らす仕草が、何とも彼女らしい。
「能美子ちゃん？ うわー、かっわいい！」
「……この際、この格好には文句いわないわ」
二人とも乗って、と能美子は首を下げた。
「え？ 能美子ちゃんの背中に？」
きょとんと聞き返せば、返る不機嫌そうな声。
「ビスクドールって結構壊れやす……こ、この方が手っ取り早いでしょ！ で、どこへ行くの？」
「ありがとう、能美子ちゃん！
うーん、猫の習性として、弱ってるなら水場の近く。水のみ場やレストランかな……って、思ったんだけど」
「目が回る、か。どうも引っかかるな」
「ま、行ってみましょ。
もし空振ったとしても、水や餌を食べにカラスや……親玉クローネが来るかも。気をつけなきゃ」
二人を乗せると、バンビは玩具の群れを飛び越えて、軽やかに駆けた。
暗道 忍は失明したはずの左目が像を結ぶのに、感銘を受けた。
目を凝らせば、ろっこん＜ラプラスの瞳＞で、そこら中のモノの綻びが光り、忍には他者より多くのイルミネーションが見えているようなものだった。
玩具の体ゆえに、精神は別として、肉体的には疲れない。
「実家に置いて来た、二羽を思い出すな」
空を飛び交うカラスに、忍は懐かしい家族に思いを馳せる。
「これはアレか？ カラスのリーダーは、美人なのかね？
まぁ、俺はカラスじゃないから、どういう感じに美人なのかは知らないけどな。
ただうちの２羽は、結構美人だと思うぜ！」
上機嫌で忍は歩き出す。
「さて。知り合いがいれば、もう少し楽しめそうだが……玩具になってるんなら、判別するの難しそうだな」
「へぇ、こんなナリでもろっこん自体は使えるのか」
筆記具を持った男性フィギュアに変身した真辺 敬子は、＜あの子は何処へ＞で早速、弟の真辺 伸幸を見つけ出していた。
「何だか気付いたら、クッキーな感じのぬいぐるみになっててびっくりだけれど、やあ今回はゆゆしき事態な感じよねぇ」
姉の敬子に、ひょいと掴みあげられた伸幸は、ジンジャーマンクッキーの姿。
のんびりした口調は相変わらず、へにょりとした笑顔にも面影を感じてしまう。
「敬子さん、地図のろっこん持ってたんだ！」
コンタクトを取ってきた桜井 ラッセルは、ニャンダムキャラのテオル。首から金の鍵を下げている。
「俺がクローネに引き合わせる！ だから地図つくってもらえませんか？
前回も前々回も逃げられちまったし。今後のためにもチャレンジさせて下さい」
ラッセルは最初のクローネとの邂逅で暴走を、次の接触では ろっこんを封じられていた。
「カラス相手に出来るかどうかは賭だが……」
言い淀む敬子に、ラッセルは押す。
「今度クレープでも奢りますから、ダメでも成功でも」
「ほー、忘れんなよ？」
からかうような視線に力強く頷くと、ラッセルは＜黄色いピヨコ＞でカナリアに姿を変えて、敬子を乗せて飛び立った。
弟の伸幸も、しっかり巻き添えで。
「やあ、やっぱりこうなるのねぇ……」
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年12月12日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年12月19日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年12月19日 11時00分
