アホー！　～そしてカラスは闇夜に哂う～｜リアクション

アホー！　～そしてカラスは闇夜に哂う～

　もれいび達の頭の中で、声がする。

『てめえら、よくやってくれたな。まあ……一応、礼を言っとく。
　　　　………………………………ところで。この世界、消すのに少々の時間がかかる』

「え？　テオ、大丈夫？」
　コースターまで共にやって来た桜庭円は、テオの身を案じたが、そう言う傍から追っ手として働いていた玩具達が、消えていった。
　対照的に、皆は徐々に元の人間の姿を取り戻していった。
　あれれ、テオ調子悪いワケじゃないんだ？　円は小首を傾げた。

『…………そういうワケだから、てめえらは好きに遊んで行くがいい。こういうガチャガチャした娯楽が好きなんだろ？
　俺は疲れたから、一足先に帰らせてもらうがな。
　なに、心配するな。帰りたくなったら、いつでも帰れる。じゃあな』

　掻き消えるテオの姿を、笠原ひびきは複雑な表情で見送った。
　弘明寺能美子も「なによ、それ」と呆れ顔。

「まあ、でも……」
　円はコースターの方へ踏み出すと、棒立ちしたまま固まっている刀に、海が寄り添うのを見上げて苦笑した。

　彼等の傍では、コースターで酔ったのか気分が悪そうなトーマス・ジャスティンの背中を「お疲れ様」と、ようやく肩の力を抜いた篠崎響也が、優しく叩く。
　そんな響也の腕を強引に掴んで、最上るるかが提案する。
「ねえ、響也。トーマスなんか放っておいて、二人っきりでメリーゴーランドか観覧車行きましょうよ！
　夜の遊園地で、響也とロマンチックなデート……！　ね？　最高の思い出作ろうよ！」
「あ、おい、最上……」
　やれやれと肩を竦めつつも響也は、るるかに引き摺っていかれるようだ。

　他の者も、互いの労をねぎらったり、成功を喜んだり。
　苦虫を噛み潰した顔でさっさと帰るものも居れば、一夜限りの貸切遊園地に繰り出す者もいる。

　思い思いに散らばり始めた皆に、円は目を細めて、友人達の手を引いた。

「ボク達も、行こ。せっかくだから、ね！」

　　　終

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あとがき

担当マスター：メシータ
ファンレターはマスターページから！

　お待たせしました、第３回ホワイトシナリオをお届けいたします。

　クローネの居場所については、八城昌也さんが唯一ピタリ賞でした、お見事です！　流石はホストですね。
　そして酔っ払いで二日酔いのクローネに一番ダメージを与えていたのは、ののこの囮役をこなし、音を前面に押し出したアクションをかけられていた、雨寺凛さんでした。（この辺りはテオの大酒のみという罵倒と、ジェットコースターで歓声をあげるののこを嫌がる描写がヒントとなっておりました）
　クローネの目的を探るという意味でも、貢献は大きかったと思います。

　ののこの特定は、やはりサンマさん。ナイスアイディアですね。
　実際にサンマさんになった刀さんは、リスクも大きかったのですがチョイスは素晴らしかったです。

　テオの状態を見極めていらした方も、何名かいらっしゃいまして、嬉しく思いました。
　皆さん本当に、よく読みこんでいらっしゃいますね。

　今回、大きな動きを見せてくださった飛行部隊の皆さんや、その他自分に出来る事を探して精一杯してくださった方、純粋に遊園地を楽しんでくださった方、皆さん本当にありがとうございました。
　大人数で目が届かないところもあり、申し訳なく思いつつも、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。

　尚、物品の持ち込みは、切り取られた世界に召喚された時点で、ＰＣ様が持っていたと思われるものは、ＯＫとしました。
　（抱っこして眠っていた、などの理由です）

　またろっこんについて、認識違いがいくらかありましたので、よろしければご確認ください。

　それでは、今回はお疲れ様です。ご参加まことにありがとうございました。

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