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ハレよ、風吹け ~ぼくらが幸せでありますように~
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猫鳴館との別れ
あいおのライブは最高潮なようで、大部屋のほうから寝子高校歌の大合唱が聞こえる。
サキリ・デイジーカッター
はがらんとした自分の部屋を見回した。
「この部屋ともこれでお別れ、か……」
刃物依存症と自分では自覚しているサキリが事あるごとに集め、大切に研いできた刃物コレクションの数々はすでに別の場所に移してある。彼の手の中で赤く輝く二本の刃が、星幽塔や様々な異変のなかでどれだけの敵を切り裂いて来たか、今となっては数えることもできない。が……それらの記憶はサキリの中で濃い霧に覆われ姿が見えなくなっている。かわりに鮮明に思い出されるのは、寝子島に来る前の、裏社会で荒んだ生活を送っていた頃の自分だ。サキリをあの場所から救ってくれたのは、命の恩人でもある従姉弟であった。その従姉弟に連れられて寝子島に来たのだ。
「ここに来る前の僕は感情のままに暴力を振るい人を傷つけるクズだった。でも寝子島に来たおかげでそんな自分と決別することができた」
ふっと笑みがこぼれる。
「ここを去るのですね」
部屋に一人の少女が姿を現す。付喪神の少女の名は
ダマスカスブレード
。あやかしたちは神魂の有無とは関係なく存在しており、とくに相性のよいサキリには人に似た姿形で見えるようだ。
「ついてきてくれる?」
「もちろんです。たとえ地獄の果てでもどこまでも。
御主人様が私を振るってくれるのであればあらゆる敵を切り裂き薙ぎ払ってみせましょう。
……どうかいつまでもお傍に置いてくださいね」
――『ここは寝子島 マジで良い島 セーイ?』
大部屋から聞こえてくる歌が、ラップ調の裏校歌になった。
少しだけ顔を出そう。ダマスカスブレードは連れてゆくわけにはいかないから、しばらく部屋で待っていてほしいと伝えて、サキリは部屋を出た。
◇
「卒業生のみなさーんーっ、合唱ありがとうございました! これであいおのライブはおしまいですが、寝子高のことも猫鳴館のことも忘れないでくださいねーっ!」
喝采の中、あいおがステージを下りるのと入れ替わりに、鴻が差し入れた具材で作ったおいしそうなカレーが運ばれてくる。付け合わせは、まうとまうまうが作った菜の花のおひたしだ。
「お待たせしました。好きなだけ食べてよね」
とりあえず量を作ればいいんでしょ、と想花が作った大鍋いっぱいのスープと大皿にてんこ盛りの唐揚げもある。そこにサキリが顔を出した。
「サキリ先輩。片付けは終わりましたか」
配膳をしていた想花が声を掛ける。
「そうだね、部屋が空になると寂しいものだね」
「先輩は進学ですか?」
「ああ。本当は理容師の専門学校に行こうかと思っていたんだけれど」
理容師、と思ったのは刃物を使う仕事につきたい、という理由である。
「保護者である従姉に大学に行けと説得されたものだから」
「そうでしたか。あ、カレー食べてってください。食材は安全です」
「アハハ……食材は安全、ってアピールされるところが猫鳴館だ」
カレー皿を受け取って、空いている場所に座る。
カレーはすこぶる美味しかった。
(ここは随分とカオスな場所だった。しかし何か忘れているような気がする……)
灰色の猫と陽気な少女の面影が脳裏をチラつく。
(そう、あそこにいるみたいな……)
名前を思い出せないアホ毛の少女が寮生に交じってカレーを食べている。ステージを下りたあいおが、カレー皿を手に隣に座る。
「あなたも卒業生ですね! おめでとうございます!」
「はふ、ははふふふう(うん、ありがとう)」
彼女はアツアツのカレーを頬張りながら答えてくれた。
「ライブどうでした?」
「ははふふ~う(よかったよ!)」
「喜んでもらえて良かったです。でもなーんかヘンな感じがして」
あいおはスプーンを手鏡みたいに掲げ持った。
使い古して傷だらけの銀のスプーンに、自分の顔がちょっと歪んで映っている。
「僕って1人でMewtuberあいおってやってたはずなのにたまーに二人でやってたような気がするんですよぉ。誰かとチームでやってたことはないし思い違いだと思うんですけどね……」
よせっ、やめておけ! と廊下の方から士の声がする。
どやどやと足音がして、卒業する愉快な寮生たちが缶詰を高々と掲げて部屋に雪崩れ込んで来た。
「ちょ、先輩たちまさか!」
想花が腰を浮かす。あの缶詰は、さきほど想花が見つけたシュールストレミング缶。念のため説明するが、シュールストレミングは世界一臭い食べ物と言われるスウェーデン産のニシンの塩漬けで、密封状態で発酵しているため中にガスが充満しており、開ける際に汁や臭いが噴出する恐れがあるのだ。室内で開けるのは大変危険である!
「だめ……!」
◇
「……」
「……」
「おええええええええ~~~~」
――惨劇は止められなかった。大部屋は阿鼻叫喚の地獄絵図と化し、参加していた人々は命からがら外に逃げ出す羽目になった。
「う、う、うっぷ……」
「大丈夫ですか。これでも飲んで」
近くにいて被害にあった士に、想花は『ミャッコール』を手渡す。
「助かる」
士は一気に飲み干した。そして世界一まずいと言われるコーラを吹いた。犯人の寮生たちはそれを見てケラッケラと笑っている。
「やっぱり猫鳴館はカオスだね」
素早い身のこなしで難を逃れたサキリは、そんな様子にクスリと苦笑いした。
猫たちもにゃーにゃーと外に退避してきている。
アホ毛の少女が、その猫たちを片っ端から撫でていた。
「それにしても寝子島といい猫鳴館といい猫多いな。……ん?」
カレー鍋を無事に退避させて、やれやれ、と額の汗を拭った鴻はふと屋根の上を見上げる。
そこにニンマリ笑う
ふたつ頭の猫
と、
小さな小さな少年
の姿が見えたような……。
「双子のチェシャ猫とカプセルギアか……?」
目を擦ってもう一度見ると、もうその姿は見えなかった。
代わりに、どんどんどんどん……と空に白い煙が昇ってゆくのが目に入る。
「もう先輩たち信じられない! あれも、これも、みーんなお焚き上げの刑だよ……!」
想花が火の中にあれこれぶちこみ始めている。といっても、どうせまたどこからか危険だったり怪しかったりするものは発掘されるのが猫鳴館だとは思うが。
「そこの人……一緒にお焚き上げする?」
「うん」
想花は猫を撫でていたアホ毛の少女を誘って、一緒にお焚き上げをした。
これも、猫鳴館らしい別れの儀式であろう。
「そろそろ行くか」
九夜山をぐるりと散歩して帰ろう。鴻はまだまだ打ち上げの続く猫鳴館をあとにした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
79人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年08月04日
参加申し込みの期限
2024年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年08月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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