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【欠片たち(3)】
「きゃああああ本物のアオイだわーーー!!」
けっこう高身長、スタイルばっちりでモデルさんみたい。すらりっとして凛としていて、頼りがいがありそうなお姉さん……が、
仙藤 蒼
を見つけるなりどどどどどっと駆けてきて、がばっとしてむぎゅー! 思いっきり抱きすくめられて、蒼はぽかん。口をあけました。
「ええっと……あなたがマーナ?」
「そうそう、あたしがあなたのマーナです。本名はね、愛って書いてマナって読むの」
にーっこり。高校1年の蒼よりも少しばかりオトナな社会人。
手にした愛らしい3Dキャラクターがプリントされたアクリルスタンドなどは、どちらかといえばオタクっぽいアイテムに見られがちで、そんなふうにきりりっすらりっな美人さんにはちょっぴり似つかわしくないようにも思えましたけれど、ふたりにとっては大事な符牒です。蒼もまた、アクスタ持ってここ、待ち合わせ場所の寝子島駅前へやってきました。
「ああっ、なんかウソみたい。本物のアオイが目の前に……! アバターにそっくり、でももっと可愛いわ!」
「あはは、大げさだなあ。でもマーナも、アバターより美人だね、わぷっ」
もひとつむぎゅー。
最新のVRMOORPG、
『LIQUID -Star Chronicle-』
。プレイヤーとして蒼が挑んだ初めてのクエストにて出会い、以来ほとんどの冒険をともにしてきた、一番のパートナーです。
今日はそんなふたりの初オフ会。アクリルスタンドはたがいの使用するキャラクターアバターをプリントしたもので、待ち合わせの目印なのでした。
「ふふふ。今日はアオイといっしょに、ネコジマを冒険ね!」
「シャローテもさそえればよかったのにね」
「あはは、ほんとほんと!」
蒼に腕をからめてぐいぐいとくるマーナ、いえ愛さんの距離感に、ちょっぴりたじたじ。けれど、悪い気はしません。にこにことして輝く彼女の笑顔はとってもチャーミングで、素敵でしたから。
斎藤 愛。大学院で金融工学を学び、本土の外資系証券会社につとめて2年目。まだ見習いながら、個人投資家や投資に興味のある富裕層の人々へ株式や投資信託、債券などの購入をすすめ、継続的に取引してもらえるよう常に顧客のニーズに合わせた提案を……だなんて、まだ高校生の蒼にはなんのことやら。けれどともかく、彼女が実にデキる仕事人だというのは大いに伝わりました。
それでいて彼女の愛らしいのは、飾らず気取らず、あけっぴろげでなんならちょっと隙だらけなところも隠さず。金融業界の荒波にもまれながらもまるでスレたところのない、少女のような純朴さや明るさ、快活さも持ち合わせているところでしょう。
それにそれに!
「ええっウソ、あの
伝説のクソゲー
って言われてる『サイレントキリング』を!? クリアしたの!?」
「まあなんかなりゆきでね……ていうかマーナ、よくそういうの知ってるよね」
「ふっふっふ。あたしもまあ、こう見えてけっこうゲーマーだからさー」
趣味人蒼とディープな話題でシンクロし、乗っかってくれるのはなかなかどうして、稀有な才能と言えましょう。バリキャリなOLさんとこんなにもサブカルトークの花が咲こうとは、蒼も思ってもみないことでした。
「ゲームってけっこう体力勝負なところもあるじゃない? 対戦ゲームとか特にさ。私はお姉ちゃんの影響で水泳始めてみたんだけど、体力もついて集中力も増した気がするよ」
「へえ~、アオイはゲームにも全力なのねえ。対戦ものかあ、格ゲーとかシューターとか、あたしヘタクソでね。ぜんぜん勝てないし、すぐイライラしちゃうの」
「そうなの? そうは見えないけど」
「もうね、ムキー! ってマジになっちゃうの。そういうジャンルももっと楽しみたいんだけどね、ああそうだ! 今度コツとか教えてよ。『LIQUID』以外でもアオイとあそべたら、嬉しいな~♪」
なんて他愛もない話にも盛り上がりながらに寝子島を案内したり。ちょっとマニアックなコスプレ衣装もあつかうショップをのぞいて、次はこれよね☆ なんて笑って、蒼の口元をちょっぴりヒクつかせたり。旧市街ではたい焼きを、シーサイドタウンではパスタを食べて、星ヶ丘ではちょっとお高めのケーキを愛のおごりでいただいて、寝子島グルメを満喫したり。
「ああ、たのしい。アオイってなんだか、あたしと波長が合うのかな? いっしょにいてすっごく落ち着くっていうか。自然っていうか」
上品にレモンケーキを切り分け口にはこぶ所作はなんとも洗練されていて、先ほどまで誰も知らないようなNINKYODOのレトロゲーについてアツく語っていたひととは思えないくらいです。
「って、あたしヘンかな? もういい大人が、ゲームとかコスプレの話ばっかりして。高校生の女の子に、友だちみたいな顔して馴れ馴れしく……」
「ん? そんなことないよ」
社会人なりの良識やら遠慮やらがここへきて顔を出したのか、ふと眉を寄せた愛に、蒼は首をふります。
「いつも『LIQUID』でお世話になってるし、どんなクエストでも付き合ってくれるし。マーナといるのは楽しいよ」
「そ、そう? なら、いいんだけど」
なんだか少し伏し目がちになった彼女を、蒼は怪訝そうに見つめました。
寝子島駅。帰りの電車が到着するまでの間、ベンチに腰かけてふたり、まだ少し青空の名残りが目にあざやかでいて、オレンジがかって暮れてきた空を眺めます。
「あの、さ……」
今日という日の終わりが近づくにつれ、どこか口数すくなくなりふさぎこむような愛の憂い顔について、彼女は蒼がたずねる前にみずからの口で、遠慮がちに語りました。
「あたしね」
「うん」
「ほんとは金融関係の仕事なんて、ぜんぜん興味なかったの。将来はなにか、クリエイティブな仕事ができたらいいなーなんて、子どもの頃から漠然と考えてて。でも親のすすめでね、断り切れなくて、大学は経済学部に進むことになって」
「うん」
「まあ幸い、才能はあったみたいでね。今は少しずつ慣れてきて、仕事の楽しさだって分かってきた気がする。でも……」
どこか自嘲ぎみな笑顔は、ちょっぴり痛ましくゆがんで見えました。
「仕事モードのあたしは、カンペキ超人なの。自分で言うのもナンだけど、仕事はパーフェクトでミスなんてしないし、人あたりもよくって上司や先輩のウケもいいし、慕ってくれるかわいい後輩もたくさんいるし。同僚には、あたしは休日にゲームなんてしないし、オシャレな服を着て、オシャレなカフェでオシャレなランチを食べて、美容院やエステにかよって自分磨きにも余念がなくて……きっとそんなイメージ。でも、それはホントのあたしじゃないの。化けの皮がはがれて、ただのつまらないオタクでゲーマー女子なんだってバレないように、知られないように、必死にとりつくろってるだけ。ホントのあたしは……」
ぷあんと遠くで鳴り、やがて寝子電が駅へと走り込んできました。弱々しく笑んだ、彼女を現実へと運ぶ電車です。
「マーナ」
「あ、ごめんね。あたし、自分語りしちゃって。情けないなー、社会人が高校生に弱音はいちゃってさ……」
「リキッド大陸のマーナも、今私の目の前にいる愛さんも、どっちもマーナだと思うよ」
タラップに足をかけた彼女の手を、蒼は思わず取りました。はっとして、目を見開いた愛へ、自然と言葉がすべりだしました。
「ゲームならいつだって会えるし、夏にはまたこっちに来れるんだよね? 次のオフ会も楽しみにしてる。ね」
急かすように鳴った警笛にぱっと手を離すと、彼女はおどろいたような顔のまま、あわてて電車に乗り込みましたけれど。やがて走り出した電車の窓の向こうで、ほっこりとやわらかく微笑んで。
手を振る彼女の姿はゆっくり、ゆっくりと遠ざかってゆきました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月02日
参加申し込みの期限
2024年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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