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【欠片たち(5)】
簡単になにもかも上手くいったらつまらないわよ……と彼女は、
姫木 じゅん
はかつて言ってのけました。
なかなか言えるセリフではないと
朝鳥 さゆる
は思うのです。だってさゆるの歩んできた道ときたらデコボコのトゲトゲで険しくて、いつだってさゆるに厳しくて、つまづいたり傷つくことばかりでしたから。夜をしたたかに生き抜いてきた、年上でオトナのじゅんだからこそ口にできる言葉だとばかり。
そう思っていたのですけれど。近ごろは、それもありかな? なんて、少しずつ感じられるようになってきた気がします。
ふたりで歩いてきたのはなにも道なりばかりではありませんでした。時に曲がりくねって、時にぐいんぐおんと波うって、山あり谷あり。楽しいことも大変なことも、しんどいことも幸せなことも、ふたりで経験して乗り越えてきました。
ふたり。そうふたりです。さゆるひとりきりならばこの道行きは、どれほどに味気ないものであったことか。きっと途中ですわりこんで、二度と立ち上がれなかったでしょう。さゆるの過去や人生は、それほどに辛辣で凄絶でした。となりに彼女がいてくれること、寄り添い支えてくれること。そんな彼女と出会った奇跡。絆をふかめることができた、このしあわせ。
同棲するふたりの部屋の窓から見える、まるでこの青空のようにさゆるの胸は今、晴れわたっています。
「ふわあ……おはよ~」
「おはよう、じゅん」
ちょうど正午。遅いおめざめのようでいて、夜の仕事をするじゅんには平常運転といったところ。
「シャワーを浴びてきてね。今お昼を用意してるから」
「わお、いい匂い! あ、これってたしか、フォー? ベトナム料理よね、買ってきたの? 冷蔵庫にこんなのなかったじゃない」
「午前中に買い物、行ってきたのよ。さっぱりしてて食べごたえもあるものが食べたい、なんて誰かさんがリクエストしてくれたものだから」
「もーっさゆる、あんたってばなんていいコなの!」
ん~っ、ちゅ! とほっぺたに濃厚キスをのこして、じゅんは洗面所へぱたぱたと小走りに突撃していきました。メニューが出そろうにはまだもう少し時間がかかりそうですけれど、じゅんの念入りな身支度にも相応の時を擁するでしょうから、ちょうどよく仕上がるはず。
こんな朝を幾たび繰り返したでしょう。パジャマ姿のみだれたじゅんも見慣れてきたものの、揺れる小さなおしりにはいまだに目をシロクロさせてしまいます。昨夜を思い出してこう、ちょっぴりたかぶってしまいます。
「いけないわね」
ぷるると頭をふって、さゆるはキッチンへ意識をもどします……揺れるおしりに小ぶりながら形のよい胸、汗ぬれて額に張りつく髪の艶やかさに赤く上気した頬、ううむとさゆるはもう一度頭をふり、吹きこぼれそうなお鍋の火をあわてて弱めました。
ブランチにぴったり、カラダにもおなかにもやさしい牛肉のフォーを、ふたりで、
「「いただきます」!」
青ネギにレタスに、さっと茹でた牛肉の薄切り。仕上げにそえたパクチーの香りがなんともさわやかで、いささか不規則な生活をおくるじゅんをいたわりで包みこむ、さゆるならではの愛情たっぷり料理です。
ちゅるる、とお米のめんをすすってじゅんは、
「う~ん最高。しみるわあ」
「ほんと? よかった。これはレパートリーに加えておこうかしら」
じゅんはいわゆるキャバ嬢で、酒豪の客につきあって痛飲するようなことは稀ですし、店もキャストの飲酒量を管理し把握しているものですけれど、愛想を振りまくうちに求められれば断りきれず、飲まざるをえないこともあるようです。そんなときは帰宅後、赤ら顔をしたじゅんの愚痴も増えました。彼女の胃ぶくろをあずかる身としては、やはり単なる栄養補給という意味での食事からすこぶる健康志向へと意識転換する必要がありました。
しかしながら、そういったときにこぼれおちる後ろ向きな言葉は愚痴でもあり、じゅんからさゆるへ伝えられる薫陶でもあるのです。なぜならさゆるもまたこの春から、じゅんと同じ店へキャバ嬢としてつとめることになっていますから。
「そうださゆる、もうすぐ卒業式よね? あたし見に行くから」
「ええ? 本当に?」
「あんたのことだから、卒業式なんて意味ないし出ないわ、とか言い出しそうだし。だめよ、そういう節目って大事なことなんだから」
「いえ、まあ出るけど……」
ちょっと前までのさゆるならたしかに、そんなふうに言ったかも。けれどかつてはひどくつまらないものに思えた日常のあれこれが、今ではなんだか、そう悪くない気もします。
「さゆるの晴れ姿、楽しみね! ああ、なにを着ていこうかな。うんとおめかししないとね」
「そんなに凝らなくても、ふつうの格好でいいわよ……」
「そーお? じゃあ、寝子高の制服でも着ていく?」
「それはやめて」
制服。制服姿のじゅん。いやおうなしに思い出されるのは、
あの日のちょっとイケナイコト
。いつもと真逆のシチュエーション、だって体育倉庫でだなんて、さゆるは思ってもみなかったし、あまりにも非現実的、常識の外、だからこそ思いのほかかんたんにタガははずれて、のめり込んで、深みへ深みへと、
「あ。やらし~こと考えてる? イケナイんだ、さゆるったら。しょうがないなあ、つきあってあげてもいいわよ? むふふ、卒業式の日、オトナへと羽ばたいてゆくさゆるへささぐ、ラストエッチ……」
「……いいかげんにしなさいっ!」
「さゆる、顔まっかっか。え、マジにやらし~こと考えてたの?」
な~んてやりとりを、これから幾たび繰り返すでしょう。体験し、重ねてゆくのでしょう。
「じゃ、行ってくるね」
「うん。いってらっしゃい」
お見送りのキスをいくつ彼女の唇へよせるでしょうか。
何度だって、いくつだって。
空を見上げます。青々として、小さくぷかりと浮かんだ白雲がいくつか。抜けるようなすがすがしさに、ひとつ深呼吸。さゆるの心も晴れわたりました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年06月02日
参加申し込みの期限
2024年06月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年06月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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