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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
LIQUID -Star Chronicle-
【サイドクエスト『邪神信仰』】
ヘッドマウントディスプレイをかぶり、ゲームを起動する。
『LIQUID -Star Chronicle-』、通称LSC。寝子島のゲームメーカーが手掛けたオンラインゲームだという。
目を開く。
「うわぁ……本物みたいじゃん！」
リキッド大陸中央、サイディア王国へ降り立ったアオイ（プレイヤー：仙藤 蒼）は、精緻で美しいグラフィックのひとつひとつに驚きの声を上げる。彼女のゲーム遍歴も長いが、近年はヴィジュアル面の進化が著しい反面、ちょっとやそっとの美麗さでは新鮮な驚きも失せてきた。
そこへいくとＶＲゲームであるこのLSCのクォリティは、特筆すべきものだ。アバターとして取り込まれた蒼自身を再現したキャラクターの造形もまた、なんと愛らしいことか。
「うんうん、今のところいい感じね。さて操作性はっと」
まずはそこらを歩き回り操作に慣れつつ、徐々にゲームへ理解を深めていくことにする。
サイディア王都シードルでクエストボードから依頼を受諾したアオイ。しばらく後、サイディア辺境の村の片隅に立っていた。
依頼主によれば、隣接する村と、飲み水をめぐってトラブルが発生しているという。それを解決するのが、新米冒険者たるアオイの役割だ。
「ハーイ！ ね、いっしょにクエストやる人よね」
「あ、こんにちは」
声をかけられて振り向くと、同じくクエストの参加者らしい女性が立っていた。長いブロンドヘアーをなびかせて、手には柄の短い杖と小型のラウンドシールドを携えている。麗しい佇まいはどこか、アオイの慕う姉を連想させた。
「わ、綺麗！ オトナっぽくて美人なアバターだなあ」
「あはは、ありがと！ 自分を取り込んでみたけど、ちょっと自信なかったから、嬉しいわ。あなたもそれ、アバターよね？ 可愛い！」
「そ、そうかな？ 照れるなぁ……あ、私、アオイ。クエスト頑張ろうね」
「あたしはマーナよ。よろしくね」
どうやらクエスト参加者は２人だ。
アオイはマーナと軽く戦闘時の立ち位置や作戦など確認し、村へと踏み込む。
隣り合う２つの村は近くの水源を巡り、対立状態にあるという。長年にわたり緊張が続いていたが、ついに先日、橋向こうの村が池へ連なる道を封鎖してしまった。
「水を独占するなんて、全面戦争になりかねないよね。何か理由があるんじゃ」
「２つの村を調べてみましょうか」
村々をまわり、住人に話を聞く。
依頼主の住む村には、別段変わったところはない。
ところが橋向こうの村のあちこちには、奇妙なものが散見された。明らかに宗教的なものと思われるシンボルや、奇怪な像がいくつも建っているのだ。村人たちはそれについて尋ねても、口を閉ざし答えるそぶりはなかった。
「これは何かあるわね」
つぶやくマーナにうなずき、アオイらは水源たる池へと向かう。
「あれ……これは？」
「池が、干上がってる？」
すっかり水が引いた池の中央に、先ほども見かけた奇怪な像があしらわれた、祭壇があった。黒いローブを着た怪しい者たちがそれを取り囲み、一心不乱に祈りの声を上げている。
「むっ、何奴だ！？ 我らが偉大なる邪神＜バリスタール＞の残せし暗黒魔法、その封印を解くまで、何人も邪魔することは許さん！」
彼らはアオイたちに気づくと、落ちくぼんだ目で襲いかかってきた。
「うわ、いきなりバトルスタート！？」
「私が援護するから、アオイは突っ込んで！ ＜オートヒール＞！！」
オラクルヒーラーであるマーナの杖から放たれた緑色の光が、アオイを包み込む。一定時間の間、体力を自動回復する支援魔法だ。
そしてアオイのクラスは、ウェポンマイスター。軽装備を纏い両手のナックルで敵を叩き伏せる、生粋のインファイターだ。
「了解！ いっくぞー、＜龍突拳＞っ！！」
弾丸のような踏み込みの勢いを乗せ、両の拳を突き入れる。ローブの下の素朴な服装から、相手が洗脳された村人であるらしいことが分かるものの、黙ってやられるわけにはいかない。
「きゃあ！？」
「マーナさん、あぶない！」
マーナをかばい攻撃を受けるも、回復はオートヒールにまかせて反撃。
「＜炎風旋＞！！」
アオイの炎をまとう強烈な回転蹴りが炸裂し、数名の敵が吹き飛んだ。
「ありがと、アオイ！ トドメを！」
「うんっ！」
残る黒ローブの男を、渾身のストレートで撃破する。
首謀者らしい男が倒れると、その身体は黒い霧となって消え失せ、村人たちは正気を取り戻した。
古代の邪神、バリスタールを信仰する邪教徒が、池の底に封じられた暗黒魔法の存在を聞きつけ、それを発掘すべく村人を洗脳し作業に当たらせた。というのが事の真相のようだ。
水源を巡る村の対立は続くが、冒険者ができることはここまで。
「私たち、相性いいんじゃない？ またパーティ組んでね、アオイ」
「こちらこそ。援護ありがと、マーナさん！」
マーナとフレンド登録をして、報酬であたたかくなった懐にほくほく顔を浮かべるアオイの初クエストは、見事な成功で幕を下ろした。
ヘッドマウントディスプレイをかぶり、ゲームを起動する。
『LIQUID -Star Chronicle-』、通称LSC。寝子島のゲームメーカーが手掛けたオンラインゲームだという。
目を開く。
リキッド大陸中央、サイディア王国へ降り立ったアオイ（プレイヤー：仙藤 蒼）は、精緻で美しいグラフィックのひとつひとつに驚きの声を上げる。彼女のゲーム遍歴も長いが、近年はヴィジュアル面の進化が著しい反面、ちょっとやそっとの美麗さでは新鮮な驚きも失せてきた。
そこへいくとＶＲゲームであるこのLSCのクォリティは、特筆すべきものだ。アバターとして取り込まれた蒼自身を再現したキャラクターの造形もまた、なんと愛らしいことか。
「うんうん、今のところいい感じね。さて操作性はっと」
まずはそこらを歩き回り操作に慣れつつ、徐々にゲームへ理解を深めていくことにする。
サイディア王都シードルでクエストボードから依頼を受諾したアオイ。しばらく後、サイディア辺境の村の片隅に立っていた。
依頼主によれば、隣接する村と、飲み水をめぐってトラブルが発生しているという。それを解決するのが、新米冒険者たるアオイの役割だ。
「ハーイ！ ね、いっしょにクエストやる人よね」
「あ、こんにちは」
声をかけられて振り向くと、同じくクエストの参加者らしい女性が立っていた。長いブロンドヘアーをなびかせて、手には柄の短い杖と小型のラウンドシールドを携えている。麗しい佇まいはどこか、アオイの慕う姉を連想させた。
「わ、綺麗！ オトナっぽくて美人なアバターだなあ」
「あはは、ありがと！ 自分を取り込んでみたけど、ちょっと自信なかったから、嬉しいわ。あなたもそれ、アバターよね？ 可愛い！」
「そ、そうかな？ 照れるなぁ……あ、私、アオイ。クエスト頑張ろうね」
「あたしはマーナよ。よろしくね」
どうやらクエスト参加者は２人だ。
アオイはマーナと軽く戦闘時の立ち位置や作戦など確認し、村へと踏み込む。
隣り合う２つの村は近くの水源を巡り、対立状態にあるという。長年にわたり緊張が続いていたが、ついに先日、橋向こうの村が池へ連なる道を封鎖してしまった。
「水を独占するなんて、全面戦争になりかねないよね。何か理由があるんじゃ」
「２つの村を調べてみましょうか」
村々をまわり、住人に話を聞く。
依頼主の住む村には、別段変わったところはない。
ところが橋向こうの村のあちこちには、奇妙なものが散見された。明らかに宗教的なものと思われるシンボルや、奇怪な像がいくつも建っているのだ。村人たちはそれについて尋ねても、口を閉ざし答えるそぶりはなかった。
「これは何かあるわね」
つぶやくマーナにうなずき、アオイらは水源たる池へと向かう。
「あれ……これは？」
「池が、干上がってる？」
すっかり水が引いた池の中央に、先ほども見かけた奇怪な像があしらわれた、祭壇があった。黒いローブを着た怪しい者たちがそれを取り囲み、一心不乱に祈りの声を上げている。
「むっ、何奴だ！？ 我らが偉大なる邪神＜バリスタール＞の残せし暗黒魔法、その封印を解くまで、何人も邪魔することは許さん！」
彼らはアオイたちに気づくと、落ちくぼんだ目で襲いかかってきた。
「うわ、いきなりバトルスタート！？」
「私が援護するから、アオイは突っ込んで！ ＜オートヒール＞！！」
オラクルヒーラーであるマーナの杖から放たれた緑色の光が、アオイを包み込む。一定時間の間、体力を自動回復する支援魔法だ。
そしてアオイのクラスは、ウェポンマイスター。軽装備を纏い両手のナックルで敵を叩き伏せる、生粋のインファイターだ。
「了解！ いっくぞー、＜龍突拳＞っ！！」
弾丸のような踏み込みの勢いを乗せ、両の拳を突き入れる。ローブの下の素朴な服装から、相手が洗脳された村人であるらしいことが分かるものの、黙ってやられるわけにはいかない。
「きゃあ！？」
「マーナさん、あぶない！」
マーナをかばい攻撃を受けるも、回復はオートヒールにまかせて反撃。
「＜炎風旋＞！！」
アオイの炎をまとう強烈な回転蹴りが炸裂し、数名の敵が吹き飛んだ。
「ありがと、アオイ！ トドメを！」
「うんっ！」
残る黒ローブの男を、渾身のストレートで撃破する。
首謀者らしい男が倒れると、その身体は黒い霧となって消え失せ、村人たちは正気を取り戻した。
古代の邪神、バリスタールを信仰する邪教徒が、池の底に封じられた暗黒魔法の存在を聞きつけ、それを発掘すべく村人を洗脳し作業に当たらせた。というのが事の真相のようだ。
水源を巡る村の対立は続くが、冒険者ができることはここまで。
「私たち、相性いいんじゃない？ またパーティ組んでね、アオイ」
「こちらこそ。援護ありがと、マーナさん！」
マーナとフレンド登録をして、報酬であたたかくなった懐にほくほく顔を浮かべるアオイの初クエストは、見事な成功で幕を下ろした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年01月17日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年01月24日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2023年01月24日 11時00分
