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二月の魔法は春を呼ぶ
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空はあいにくと灰をといたような薄曇り、空気もずんと重みを感じるほど冷えるがすぐに気にならなくなった。むしろ一足早く春が訪れたような気持ちだ。
普段は古色蒼然たる色調の参道商店街が緋色桃色に華やぎ、大きなにぎわいを見せていたのだから。来客のほとんどがふたりづれ、それもカップルと思われた。中学生くらいのペアはきっと、できたてほやほやの恋人たちだ。一方で人生の過半をともにしたとおぼしき老夫婦もあったりしてなんだかなごむ。オープンな寝子島ゆえ同性の組み合わせも珍しくなかった。もちろん国内外の観光客らしき姿も多い。すべてデートウィークのおかげだろう。寝子島神社に縁結びのご利益があるのは全国的に有名だ。
「これはこれは」
額のあたりに手をかざし、
ウォルター・B
は行く手を見やった。
「ぎっしりだねぇ。お店までたどりつけるかなあ」
「でも大半のひとの行く先は、きっと寝子島神社ですから」
さもありなんとウォルターはうなずいた。
「それにまぁ、多少並ぶことになったとしてもかまわないよ。なにせあの」と、ウォルターは悪だくみするように含み笑いする。「『ねこだんご』へ行くんだからねぇ。待たされたってその分、最初の一口の喜びが増すってだけさ」
ヴァインランズを耳にしたあの朝、七瀬が送ったメッセージにはすぐにレスがついた。
『いいねえー』
長母音を足してもたった五文字、でも七瀬を欣喜雀躍させるにはじゅうぶんすぎる五文字だった。
どこに行くんだいと問うウォルターに、七瀬が提案したのがこの日この時間この場所だったのである。
『前はおだんご制覇できなかったので、そのリベンジに』
とつけ加えた七瀬の言葉に、ウォルターが
『最高だね!』
と返してくれたのも嬉しかった。さらに、
せっかくやけん。
と七瀬がおこなった提案にも彼は乗り気で応じてくれた。
「じゃ、乗り込む前に着替えようか」
参道商店街の南端、着物レンタル店ののれんをくぐる。
以前
もためしたいわばお気に入りの変身をするのである。
七瀬は濃い墨染めの長襦袢の腕を通し、淡い藍鼠(あいねず)の長着を選び角帯でしめた。帯留めはやや暗めの藤黄(とうおう)で、差し色として祝祭感を添えている。羽織は最初黒にしようかと思ったが、ウォルターのアドバイスをいれてうんと黒に近い緑を選んだ。高麗納戸(こうらいなんど)という色名だという。
一揃えして全身鏡の前に立ち、言う通りにしてよかったと七瀬は思った。冬らしい組み合わせではあるが緑のイメージがあって、春遠からじという気持ちになる。黒いアームウォーマー、薄墨染めのマフラーも巻いているから寒さ対策は完璧だ。
雪駄(せった)の履き心地をためしているうち、隣の試着室からウォルターが出てきた。
見とれてしまう。
何度見ても、ウォルターさんの和装姿は素敵です。
ミッドナイトブルーと呼ぶべきだろうか、うんと濃い藍色の着物だった。暗い青でも紫でもない、しいて呼ぶなら黒紫となろう。貴族的な彼の顔立ちにはこの上もなくマッチしている。羽織はプルシアンブルー、紺青とも称される暖かみのある灰色で、着物の色を引き立てている。黒い革手袋、やはり黒い刺子織の中折れ帽も、まるで彼のために作られたかのようだ。
「似合うかい?」
懐手したウォルターに、七瀬は首がもげるほどうなずいた。
「よくお似合いで……! 普段とはちがう姿だから、特にそう感じるのでしょうか?」
「ありがとう。僕の遠い先祖は日本人だったのかもしれないねぇ」
倉前も、とウォルターが言いかけたので七瀬は反射的に表情をキリッとひきしめた。
「僕はどうでしょう。カッコいいですか?」
「もちろんだよ。倉前の瞳の色にも合ってる」
ハンサム顔を決めたのは一瞬だ。たちまち七瀬は破顔して照れ笑いしてしまう。
「ははは、そういうところだねぇ」
「そういうこところがなんなんです?」
「僕が倉前のこと、可愛いって思うポイントさ」
こ、この人は……!
殺傷力のない弾丸で胸を撃ち抜かれた気持ちだ。
この人はこのタイミングでこんなこと、さらりと言ってくれるんだから!
きっと
この前
、僕に「可愛い」って言われたことへの逆襲ですね。
変なとこ意地っ張りなんだから。きっと最高のポイントで言うつもりだったんだ。
だからたまらない。
だから、彼のことが好きだ。
何か言い返したりせず、黙って七瀬は右手を出した。
「うん?」
「ウォルターさんお手をどうぞ」
だってと七瀬は言う。
「今日は『デート』なので。僕からはなれないでくださいね」
仕方がないなぁ、と照れ隠しするように言って、ウォルターは七瀬と手をつないだ。手袋ごしだが、温かい。
「倉前こそ、はなさないでくれよ」
「はなしません!」
「きっとだね」
「きっとです」
顔を見合わせ笑み交わす。
彼らはつれだってデートウィークさかんなる参道商店街へ入ったのである。
たくさんいる……本当にたくさんいるカップルのうちの一組として。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年03月17日
参加申し込みの期限
2024年03月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年03月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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