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雪待ち、恋傘横丁
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和菓子に洋菓子。どちらもいいではないか。どちらも味わってしまえばいいではないか。
そんなわけで
倉前 七瀬
の本日のお目当ては、イベント限定商品の菓子である。特に『和菓子の大河』の冬菓・折り鶴、洋菓子店『cuniculus』の兎型チョコレートラスクは外せない。ぜひともゲットして味わってみなければなるまい。その上で、近頃の七瀬が気合を入れて取り組んでいる、
来たるバレンタインデーに向けての菓子作りの練習
へとフィードバックされる知見も得られたならなおのことよい。
しかしながら、と七瀬は思案する。ふむ。『雪待ち、恋傘横丁』においては旧市街での買い物が半額となるそうだが、その恩恵に与るには和装・和傘スタイルが必須とのことだ。これがどうにも、敷居が高いではないか。和服は好きだし幾度か袖を通したことも無いではないが、あらたまって一人でとなるとどうも難しい。何だか気後れしてしまう。せめて一人ではなく二人ならば。共に和装を身に纏う友人や仲間、あるいは大切な誰かなどあればきっと羞恥心も和らぎ、和服で街を練り歩くにも抵抗が薄れて……。
「……なんて」
一人つれづれと栓のないことを考えているのがひどく馬鹿らしく思えた。こんなものはそう、電話の一本もかけてみれば済む話なのだ。このところはそうして、気安い間柄とも思えるようになった。
スマホを取り上げ、もはや見慣れた番号をタップする。程なくして彼の声が届いた。今朝からずっと聞きたかった声だった。七瀬は弾むように口を開いた。
「ウォルターさん。一緒に和装して、美味しいお菓子を食べに行きませんか?」
七瀬は無地の黒紺を選んだ。今日は今朝から少し冷えるが、肌襦袢に羽織もはおればこれがなかなか、あたたかい。
電話で誘うなり、億劫がるでもなく揚々として出てきてくれた
ウォルター・B
。彼がチョイスしたのはパステルでさわやかな色合いの、ちょっと独特な格子柄で、片貝木綿というらしい。和装用のコートにハットを合わせたモダンな装いが彼の金髪碧眼によく映えた。
「ウォルターさんは何を着ても似合いますねぇ」
「いや、倉前だって着こなしバッチリだよ。似合ってるよぉ」
「ほんとですか!?」
着付けのスタッフにもしきりによくお似合いだの、男ぶりが上がっただの褒めちぎられたが、彼の言葉の価値は別格だ。途端に七瀬の表情は雲の切れ間から差す光条のごとくに明るくなった。
「僕も和服を普段着にできるくらい、和装が似合う人間になりたいです」
「普段着にねぇ。確かに和服を着こなせる人には憧れるよねぇ」
参道商店街を行き交う人々を眺めて、ウォルターは目を細めた。
街は盛況だ。例えばドローンか何か飛ばして上空から見下ろしたなら、さぞ壮観だろう。そこにはきっと色とりどりの和の花が咲いている。
二人も和傘を差している。今日は日差しの強い日ではないが、イベントの趣旨がここにあるというのだから、素直に雅な風情を楽しむとしよう。
足袋に草履の履き心地も良く、軽やかに歩むと洋菓子店・cuniculusへ着いた。
七瀬は首を傾ける。
「くに……くるす? って、何でしょうねぇ。知ってますか、ウォルターさん」
「クニークルス。ラテン語で飼い兎を指すようだよ。野兎はlepus(レプス)というらしい」
「へえ、野生の兎とは言葉が違うんですね」
さすがは現役の言語教師、博識に感心する。
cuniculusの限定商品は兎の形をしたチョコレートラスクだ。さっそく購入し、店内でいただくことにする。一緒にレモンティーも注文した。
「おお……可愛らしいですねぇ」
プレーンにビター、イチゴ味の三種類の兎たちが七瀬を見上げている。「食べるのがもったいなくなっちゃいますねぇ」などと言いながらも遠慮なく取り、口の中へ放り込む。
「さっくさくです!」
「うん、紅茶にも合うし、美味いねぇ」
ふと思い立って、イチゴの兎を彼の顔の横へ寄せ、スマホで写真を一枚撮った。
「記念に、です……あっ、いきなりは嫌でした?」
「いいねぇ、僕にも一枚送っておいてよぉ」
そこからは写真を多く撮った。和装のウォルターがスマホの中に増えてゆく。
和菓子の『大河』はいかにも老舗の佇まいで、さすがに店内でシャッターを切るのははばかられたが、他の客らも映えるメニューを気安く撮影しているし店員も歓迎するようなそぶりで、問題なさそうだ。
「冬の銘菓、折り鶴! これ、食べてみたかったんです」
「ほお。綺麗だもんだねぇ」
文字どおりに折り鶴の形をした練りきりで、漆塗りの皿に畳んだ和紙の上へちょこん、ちょこんと三羽が乗っている。黒文字の菓子楊枝が添えられている様がまた、いかにも和菓子の一皿といった風情でいいではないか。
写真を撮ってから、楊枝で折り鶴をすくい口へ運ぶ。白あんの上品な甘さ、滑らかな口触りに、七瀬はひとしきり感激を語った。
「チョコレートラスクも美味しかったけど、こっちも美味しいですねぇ。甘すぎないのがいいです」
「しかし、よくこんな風に緻密な形を作れるもんだ。職人ってのはすごいもんだねぇ」
「ですよねぇ。僕のような素人料理人には真似できそうにないです」
そう言ってふと、思い出した。そうだ、今日はイベントの限定商品を味わうのみならず、バレンタインの菓子作りに活かせる何かを持ち帰るのも目的の一つであった。そうして七瀬がこしらえた菓子をプレゼントしたいのは言わずもがな、目の前の彼である。
「チョコレートラスクもこの練りきりも、甲乙つけがたいですね。ウォルターさんは和菓子と洋菓子、どっちが好きですか」
「ふむ? そうだなぁ。昔から親しみがあるのは洋菓子だけど、こっちに来てからはこういう和菓子にもハマったりしてねぇ」
ただ、でもね。と彼は少し微笑ましそうに目を細め、言った。
「重要なのはどんなお菓子かより、誰と食べるお菓子か……ってところかもねぇ」
そうしてすぐにも、いつものすまし顔へ戻る。
知見が得られたかと問われれば首をひねるが、不思議と七瀬の胸はいっぱいだった。
彼が楊枝で頬張る折り鶴の練りきりを一枚、スマホへ残しておく。あくまで菓子がメイン、その隣の彼は映り込んだだけと誰に向かってか心内に言い訳しながら、七瀬の写真フォルダはふくらんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
網 透介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
7人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月12日
参加申し込みの期限
2023年08月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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