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MODERN LOVE/バレンタインデーくれー知ってるよ!
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午後はあと一講義あったのだが、休講の通知が掲示板に出ていた。
これにて本日は終了だ。せっかく昼食まで取ったのに本日のスケジュールコンプリート、空振り感の大きさよ。しかし大学生活というのは得てしてこんなものである。
仕方なか。
キャンパスを後にして七瀬は部屋への道をたどった。
だがまっすぐ帰宅するのはなんだかちがう気がした。昼イチの講義はつまらないし教授もこちらを見ていないので、失敬して講師の説明をBGMに、本のつづきに没頭しようと思っていたのだ。地球の運命がかかった物語だ。のんびりなどしていられない。
だったら。
七瀬は決めた。
休憩するとしますか。
かなり寒いが天気はいい。コンビニで熱いコーヒーを買い、自宅までの道の途中にある公園に入った。
ベンチに座る。本をひらく。気になっていたつづきに飛び込む。寒空の下の読書もオツなものだ。ページをめくればいつだって、心は宇宙滅亡の謎へとむかうことができる。絶対零度の世界が舞台だから、少々寒いくらいでちょうどいい。
しばし小説に熱中したが、ついに上巻は結末に至った。本を閉じた。
下巻、買わないと。
予備の本を取り出すのはやめて、カバンに手を入れると例のチョコの箱が触れた。取り出す。
「作り直してもいいから。本当に好きな人にあげるべきなんじゃない?」
虹子の言葉が頭によみがえった。
やはり、このチョコは自分で処理するしかないかなあ。
剣吉も虹子(にじっち)も応じられないというのなら仕方ないではないか。
七瀬は箱から一粒とりだし、口の中へ放り込んだ。
どのデザインがどの味か、口に入れる直前に思いだした。
たしか紅茶味。このデザインは。
ふうむ。
口の中で溶かす。ビターチョコの外装がとろとろになると、内側の紅茶味がしみだしてきた。甘くて香ばしい。濃い。
……素人にしてはよくできたほうだけど、やはり何か物足りなさがあるような。
自分が完璧主義すぎるのかもしれない。でも諸手挙げて「おいしー!」と声を上げるのはためらわれた。
「うーむ」
もやもやする。強いて言えば、結論が出るはずもないアリョーシャ・カラマーゾフの苦悶に近いだろうか。
「どうしたんだい? うなり声をあげたりして?」
そこにイヴァン・カラマーゾフ級に理性的な声が聞えたのだ。
はっとなって七瀬は顔を上げた。天啓に打たれたアリョーシャとはいかない。なぜなら聞えた声はよく知った、そればかりか熱望してやまぬ声だったから。
ウォルター・B
だった。足を組んでベンチに座る七瀬を、立って見おろしている。輝くようなブロンドはいつも通り。チェスターコートのあわせ目からネクタイがのぞいていた。スーツの柄はピンストライプようだ。
「ウォルターさん、どうしてここに?」
「君を探していて」
なんてねぇとウォルターは破顔した。帰りに寄り道しただけさと言う。
「資料が足りなくてね、今日の仕事は明日延ばしになったんだ。だから終了。今日の仕事を明日に延ばそう、好きな言い回しだねぇ。ベンジャミン・フランクリンあたりには怒られそうだけど……ま、アメリカ人だからね彼はさぁ」
当たり前のようにウォルターは七瀬の隣に腰を下ろした。距離が近い。くっつきそうなほどだ。
「ウォルターさん」
「なんだい?」
「ええと」
「『距離が近い』とか言わないでくれよ。純粋に寒いんだからさぁ」
「そうじゃないです。奇遇ですねぇ、って言いたくて」
「So do I.」
七瀬は知っている。英語でこたえるのはウォルターが戸惑っているか、からかっているときのどちらかかだ。この場合は間違いなく後者だろう。好意的に解釈すれば、リラックスしている証拠でもあるが。
意地汚いなんて思わないでくれよ、と前置きしてウォルターは目を七瀬の手元に向けた。
「何か食べてたのかい? チョコレートかな?」
ふーんとあごに手を当ててウォルターはつづける。
「そういえばバレンタインデーだったねえ。ガールフレンドにでももらったのかい? まちがってたらごめんよ。僕はブリテン育ちのせいか、東アジアの風習にはどうしても慣れなくてねえ」
七瀬は彼の口調に、うっすらとだが棘を感じた。
もしかしてウォルターさん、嫉妬してる?
「そんなんじゃなかです。それと、ウォルターさんの言う意味でのガールフレンドなんておらんです!」だから七瀬はむきになってこたえたのである。「僕、義理チョコしかもらってないですよ。同級生からの」
「ああ、失敬」ウォルターは笑った。「だとすれば日ごろの感謝の印ってやつかな」
「そうです。あと、義理であろうともらえたのは一人だけです」
「そうなんだ。かわいい子?」
「この会話の流れで答える必要あります?」
七瀬は目を怒らせた。ところがウォルターはやはり笑ったままで、
「ない。単に好奇心」
と言ったのである。
僕の気持ち知らないのに――いや、知ってるのに――。
よくそんなこと言えたもんです。
むっとしたのであえて、七瀬は逆襲することにした。
「可愛さならウォルターさんのがずっと上ですから」
ウォルターのことだから、
「それは光栄だねぇ」
とか余裕ある大人の返答をするのかと七瀬は思った。だがちがった。
「僕が!?」ウォルターは腰を浮かすくらいの反応を示したのである。「えーと、let me see……あー、どうもだよ」
こんなに驚くとは思わなかった。しかし否定したいわけではなさそうだ。
「そんなこと言うんなら倉前だって」空咳してウォルターは言う。「で、そのチョコレートが『義理』なのかい?」
「ああー、このチョコは……んと、なんというか……」
「ほう、手作りなのかぁ」
ウォルターは言った。義理にしては凝ってるよね、という発想には到達しないようだ。
「ウォルターさんも食べますか?」
七瀬が差し出すと、「いいのかい?」と言いつつウォルターは応じて、えり好みせずひとつ口にした。
「レモンテイストだねぇ。なかなかおいしい」
「そう思います?」
「思うけど?」ウォルターの口調に嘘はなさそうだ。彼は言う。「義理だかなんだか知らないけど、こういう心のこもったおもてなしを定期的に受けられる日本の学生にはあこがれるよねぇ。これお世辞じゃなくってさぁ」
心のこもった、まで言ってもらえて七瀬は色めいた。
「うち、もっと喜んでもらえるよう頑張るので、覚悟しておいてくださいね」
「なんだい突然?」
「チョコレート、です」
このあたりはさすがにウォルターだ。七瀬の言葉を聞くと慌てることもなくくっくと笑って、
「では覚悟させてもらうとしよう」
当然のように言ったのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年02月20日
参加申し込みの期限
2024年02月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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