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LIQUID -Star Chronicle- 狂乱の炎編
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【ストーリークエスト『狂乱の炎』(4)】
「やあやあ! よくやってくれたね。うんその顔を見れば分かるよ、疲れ切ってズタボロだ。見事、あの小生意気な炎将を討ち取ったんだろう。いや、さすがはわたしの見込んだ戦士たちだ」
極東のウーローン、首都カンノン。豪奢な邸宅にて、マオメイは到着した冒険者らを揚々と出迎えた。白い瞳を輝かせながら。
冒険者らの活躍によって安全を確保された<月の都>は、後にワインツとサイディアの連名からなる調査団によって接収されたという。研究者たちの冗長なまでの検分や吟味がしばらくは続くだろう……彼らの目を逃れ、マオメイは先んじて故郷にして活動拠点へと舞い戻った。それからは理解ある使用人に身の回りの世話を任せ、人目を避けているのだという。
「長旅に激闘にと、ずいぶん働かせてしまったね。まずは茶でも飲みながらゆっくりするといい、ああそうだ、宴の準備もさせようか……」
「マオメイ」
尾があったなら振りたくりそうな彼女を、オサムが制した。
「約束どおり、あなたの話を聞かせてほしい。語るべきことがあるんだろう?」
「うんうん。その目のこととか、捕まってからどうしてたのかとか」
かたわらのアオイもこくりとうなずき、オサムも笑みをこぼす。
「今や知らぬ仲でもない。きっと力になれると思うよ」
冒険者たちの並ぶ顔も同じ色をしていたはずだ。幾度か旅も冒険もともにして、弧の騎士団やその将たちとの戦いも生き抜いた。仲間と言っていいだろう。
マオメイはそんな彼らをしばし眺めてから、ふと目を細めた。
「ま……そうだね。語ろう。わたしの語るべきことを。しかし、茶ぐらいは出させてくれたまえよ? これでも感謝しているのだよ。わたしも……わたしのなかの、水鏡の女王もね」
極東の茶処と呼び声高いカンノンの青茶が漂わせる香りの芳醇、味わいはえもいわれぬ絶品だった。茶請けの菓子も多様にして多彩、いくら食べても飽きが来ない。
「実験台にされた……と、言ってましたよね」
心配そうに眉を寄せたアヤカだが、尋ねないわけにはいかなかった。マオメイの瞳は今もって白くまばゆく瞬いているので。
「いったいなにをされたんですか。そのせいで、目が白く……?」
「ああ、うむ。ベルモットのやつだ。あのサディストめ」
憤慨しつつ茶をあおる。
「諸君らは目にしたのだろう? <月の杯>が、吸い上げた<月の水>をゴブリンへと注ぎ込むのを。あれと同じことを、あやつはわたしに試しおったのさ」
確かに、冒険者らの眼前にてそんな光景は
展開された
。かの遺物から碧緑の液体が湧き出しくねる蛇体のごとくに宙を駆け、小鬼たちを統率する王の口腔へと飛びこみ、支配した。碧緑が白く染まるほどに純度高く、瞳を染め上げた。ゴブリンリーダーのドッツはその後戦乱を引き起こし、大国ワインツを一時追い詰めるまでに至ったのだ。やがて巻き起こった動乱、弧の騎士団<ヴォーゲンリッター>の台頭、そしてマオメイに降りかかった無体も元をただせば、その延長にあると言えるだろう。
「月の水。すなわち」
「<月の民>……」
ポラリスが複雑な想いにじませながらにつぶやく。彼女のルーツ、極星の七英傑を擁した古代文明は月の民の侵略によって歴史のしじまへと追いやられたという。過酷にして壮絶な抗戦を繰り広げたであろう先達を思えばポラリスの苦渋も伝わった……凛風も慮るよう、そっと優しくその肩を抱いた。
「月の民、あるいは<ムーンウォーター>。かつてわたしが
推測し
、今まさに身をもって得心するに至ったことだが、彼らは知性ある液体生命体であったのだ。それがゆえに、月の杯のような器物を媒介することで人の内へ入り込み、支配した。弧の騎士団や将たちのような存在が生み出されたのは、太古の侵略闘争において彼らが繰り返したことの再現でもあるのだろう」
「でも、その。マオメイさんは? 大丈夫なんですか」
おずおずと手を上げ、口をはさんだエイジへ、ピースサイン。
「うむ! たまの偶然か、わたしが天才研究者であるがゆえか、はたまた素養があったのかは分からないが。わたしに注ぎ込まれた月の水は、わたしの内へ他ならぬ水鏡の女王だったのだ。あるいはベルモットが、ふさわしき器としてわたしを選んだのかもしれないね。なにせわたしは天才だから」
「はあ……あの、女王に支配されなかったんですか? だって、昔は彼らが人間を支配していたって」
「さて、そこなのだよ」
少なからぬ疑問符を表情に浮かべる冒険者らを、マオメイは折に触れて見回し、眺めた。そのたび、白き瞳は懐古するようなどこかあたたかな色を浮かべ、揺れた。
「実のところ明確な自我や、かつてのように人を操る力を今なお保ち続ける月の民は、もはやそう残ってはいないのだよ。空将に殻将、炎将が倒れた今、残すはわたしの身の内へたゆたう、水鏡の女王その人のみかもしれない。それもいまやかすかな意思と記憶の残滓を残すのみ。いずれは消えゆくだろう……あの水将、奇矯なるベルモットでさえも、月の水の支配を跳ねのけつつあったろう?」
確かに。ヴォーゲンリッターの将として獣兵どもを率いた男は、
月の杯を手放そうと試みた
。おそらくそれは、かなわなかったようであったが。
「彼らは……月の民は、どうやら自らその力を放棄したようだ。大陸に伝わる歴史においては、反乱を経て追いやられたと言われているが」
「! 反乱は無かった?」
サイディアの魔法アカデミーにて教鞭を執ることもあるソフィアが、興味深げに尋ねる。
「あるいは反乱のさなかに、かなわないと悟って降伏したのかしら。けれど勢い収まらない人間によって葬られた……?」
「戦況は確かに人間たちへ傾いていたよ。月の民は他者を支配することで軍勢を編成したが、その頭数にも限りがあったから。しかし降伏の決断に至るほどの傾きにはなかった……にも関わらず、彼らはあくまで自らの意思によって力を放棄し、歴史の闇へと姿を消した。なぜか?」
指を一本立てる。色とりどりの視線がそこへと集まった。
「その時点で彼らは、既に目的を達していたからに他ならない」
「目的。彼ら種の総意として、という意味か?」
「概ねはそうだ。彼らにも派閥があり、強硬派は支配と闘争を続けることを選んだが、それも少数だった。その行く末は、諸君らも月の都にて目にしたのではないかね?」
水の獣たち
のことだろう。長い時の流れが、彼らから意思や人格を奪い去ったのだ。
オサムの思考は巡る。月の民、彼らは媒介たる杯を利用し、今なお人を支配せんと画策しているのではなかったのか? 漠然とながら、冒険者らもそう考えていただろう。
「そも。彼らはいったい、どこからやってきたのだと思うかね?」
ふうとひとつ息をつき、茶をひと口。ふとマオメイは、そんなふうに問いかけた。
「彼らは始めからこのリキッド大陸へと息づいていたわけではない。侵略者であり、いわば外来種だ、であれば一体彼らはどこからやってきた? どこから現れたのだ?」
エイジが首を傾けながらに言う。
「……月?」
「うむ、正しいが、それでは半分だね」
「半分?」
「答えはね。遠くだ。遠く、遠く……失われた故郷を追われ、彼らは長い、想像の及ばぬほどの長い旅を経て、やってきた。船に乗ってね」
そうして指を差す。邸宅の窓の外、暮れなずむ空へぽっかりと浮かぶ、まだ白く薄暮の月があった。
「内へと宿った水鏡の女王と、深く深く、わたしは対話したよ。彼女の記憶はわたしのものとなり、幾重にもつらなる、複雑な感情とともに伝わった。断ちがたい郷愁。ふくれ上がる茫漠たる種の憂い。そして、途方もない安寧」
「安寧? なぜ? その、目的とやらを達したから?」
ソフィアの問いに、微笑む彼女はマオメイか。それとも、月の民を束ねた女王のはかない意思が浮かべたものであったのか。
「月の民らは、我らの暮らすこの地へたどり着き、名付けたのだよ。水の星<ウォーターレルム>とね……リキッド大陸には、我らが世界には、なにがある? なにによって満たされている?」
茶飲みをあおり、白い瞳がまたたいた。
「大陸には川がある。湖がある。周囲は海だ。大地には雨も降ろう。そこには生き物が闊歩する。人類が繁栄する。知っているかね? 我々生命を形づくる要素、その六割から八割ほどは、水によってできているそうだよ」
「……まさか」
ケイのつぶやきに、アヤカは彼の袖をぎゅうと握る。
マオメイは笑み、うなずいた。
「それが彼らの選んだ道だった。意思を捨て、力を捨て、月の民は川へと、湖へと、海へと身を投げ出した。浸透していった。そして生命はめぐる……我らが繁栄とともに、彼らもまた、安寧を得たのだ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月20日
参加申し込みの期限
2023年12月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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