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ミッドナイト・フレンズ・ストーリー
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【風のふくまま】
ぶはー! とラッセルはひっくり返りました。フクロウ便のピストン輸送、大回転! ようやくにして宴会場へ全ての料理を届け終わった頃には、全身バキバキで明日は筋肉痛確定ってなくらいに疲弊しておりました。
けれど、そうして頑張った甲斐はありました。
「おつかれさん! よくやってたねえあんた」
「センパイ、あざっす! いやあ、ずっと必死で飛び回ってただけで」
「けどお客さんには好評だったよ。あの新しい子、がんばってるねえって何度も言われたし。今日だけの臨時のバイトなんですって言ったら、残念がってたよ」
身を粉にして働いて、めいっぱいがんばって、感謝の言葉のひとつもいただけたなら、疲れもふきとんでしまいました。
気持ちのいい余韻に浸っていたら、雀センパイがなにやらお膳を持ってきて、言いました。
「これ、今日のお給料がわり。上モンだよ! 美味そうだろ~? ほら、あそこで待ってるあんたの彼女の分も用意してやったから、食べていきな」
「かかかか彼女じゃないっすよ! って、なんすかこれ……?」
お仕事を終えて戻ってきたラッセルの顔を見るなりぽわっ、電球が発光するように、晴月の表情は明るく灯りました。
「ラッセル! おしごと、おつかれー。って、なにこれ?」
「
黒焼きトカゲ
? だって……ふたりで食えってさ」
庭園の東屋は吹きさらしですけれど、そこは晴月さん、さすがは風の精。いっしょにいると寒風も避けてとおるのか、なぜだかちっとも寒くありません。それに四方には、桃色の炎が揺れる不思議な松明も燃えていました。
卓にはえもいわれぬかほりを放つ、かりかりに焼けたトカゲの黒焼きが乗ったお重がふたつ。あやかし的には超・ごちそうなんだとか……きっとウナギみたいなものでしょう。たぶん。
「ふーん。おいしいのかな?」
おいしそう、とは言わないあたりに晴月の純粋なとまどいが見て取れて、なんだか可笑しくて、ラッセルは笑ってしまいました。
「んじゃまあ、食べてみるか」
「うんっ。いただきまーす!」
「いただきまっす」
トカゲの姿焼きはちょっぴりグロテスク。けれどせっかくの雀センパイの好意ですし、思い切って頭からぱくり。かりかり食感が案外楽しく、そんでもってお味はといいますと、
「……あまじょっぱにがからい……?」
ひと言で言い表すと、味の未体験ゾーン! 口のなかいっぱいに広がる表現しがたい味わいに、ラッセルの味覚は大混乱です。
「あ、でも慣れてくるとけっこうイケる、かも? つーかけっこうウマイかも? クセがすげーけど……って、どーした晴月?」
「んんんんんーーー!」
なにやら拳を握り込み、両足をじたばたしている晴月。
「だ、大丈夫か!? そんなにマズかったのか?」
「味? わかんない! でもなんか、すっごく」
「すっごく?」
「げんきになった! ラッセル、いこう!」
どこに? とたずねる隙もなく、はっしとラッセルの手を取り、晴月はおもむろに立ち上がります。途端、びゅおう! 渦巻く風が巻き起こり、
「う、うおおおお!?」
ふたりは空へと舞い上がりました。
ぎゅんぎゅん、まばゆく月のかがやく空をふたり、飛んでゆきます。晴月と手をつないでいると、生身のラッセルも同じように飛ぶことができました。ろっこん変身で飛行するのは慣れていますけれど、これはこれで新鮮な体験です。晴月とふたりで……けれど胸のこの高鳴りは、最近なんだかいろんな意味で気になる女の子といっしょだから、かもしれませんけれど。
雲の上なのに雪深い温泉街の凛として静謐な寒さも、晴月といっしょならちっともこたえません。
「気持ちいーな! なあ晴月!」
「ほんと? よかった! わたしもラッセルと飛ぶのすきー」
無邪気でおそらくは他意のない「すきー」に、ラッセルはどきり。
「ねえねえ、ラッセル? ここって、おんせんきょう? っていうやつだよね」
「ああ、そうだな。あやかし用みたいだけどな」
「おんせん、ってなに? いいもの? おいしい?」
「なにい!? お前、温泉入ったことねーのか」
ふつうの人なら当たり前に知っていることを知らなかったりするし、浮世ばなれしているし、それになにしろ自称・風の精です。温泉どころか世間一般の常識にも、なにかと疎いのです。
「そーか、晴月は温泉未体験か。いいもんだぞ~温泉は。まあ言ってみれば、でっかいお風呂だな」
「ほうほう」
「前にお前、
人の身体は不便でヤダ! なんて言ってた
だろ。でも人の身体だからこそ、あったかい温泉に入って人心地ついて、ふう~生き返る~☆ なんつって、堪能できるんだぜ」
「ふんふん」
「すっげー気持ちいいんだぞ。今度入ってみな」
「うん! でもよく分かんないから、ラッセル、いっしょに入ってね」
「いやいやいや、温泉は男女別なの! あ、でも混浴ってのもあるよな……いやいやいやいや!」
ぶんぶん頭を振ってぽわわと顔を赤くしたラッセルに、晴月はきょとん。首をかしげました。
思えばラッセルは、おばけや幽霊が苦手でした。毛嫌いしていました。だって恐ろしいものだとばかり。良い幽霊もいるだなんて、ちっとも知りませんでしたから。
晴月も今はまだ、知らないことだらけ。それを恐れる彼女ではないけれど、これからたくさん、知ってほしい。体験してほしい。ラッセルと変わらない、ごくふつうのひとりの女の子として。そう思います。
「おっ、あそこ、犬ぞりが走ってる。見に行こうぜ、晴月!」
「うん! いっくよ~、キリモミ回転急降下!」
「ばっやめ、いきなりは、うおおおおーーー!?」
晴月を大事にしたい。友として? 兄がわりとして? それとも……?
答えはまだ、ラッセルの胸の奥。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月14日
参加申し込みの期限
2023年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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