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寝子島高校
ミッドナイト・フレンズ・ストーリー
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【あの夜たちが。】
ロベルトはボロネーゼを。秘子はミネストローネをいただいて、マルゲリータもシェアしながらに。
「そうそう! 忘れてた」
ナプキンで口元をフキフキ、ロベルトがふところから取り出したのは、二枚のカード。一枚は折りたたんでありました。手渡され、秘子は笑みを浮かべるままにきょとん。
「ずいぶんと遅くなっちゃったけど。これ、誕生日プレゼント」
「あら♪ ありがとうございます! とっても嬉しいです。これは、カフェのギフトカード?」
「うん、全国どこでも使えるんだって。もちろん寝子島でもね」
「わたくし、カフェにはよくお邪魔するんです。使わせていただきますね。んふふ、ふふふ~♪」
嬉しそうなにんまり顔を隠しもせず、あけっぴろげな彼女を見ていると、ロベルトの胸もほっこりあたたまります。
そして、もう一枚のカード。
「こちらは……まあ」
うっとりとして、とろけるように、秘子は微笑みました。
誕生日おめでとう!
楽しい一年になりますように
「3ヶ月遅れちゃったけどね。ごめんね、胡乱路」
「いいえ。いいえ、そんなこと」
そっと、秘子はロベルトの手をとり、栗色の瞳をのぞき込んで。
「そのお気持ちが嬉しいです。とっても、とっても。んふふ……こんなふうにお祝いしてくれるお友だちがいて、わたくしはなんて、ああ。幸せものでしょう!」
メッセージは手書きで、ロベルトのいつわらぬ思いを込めました。だからこそ文面はシンプル、だからこそストレートに伝わったことでしょう。
「エメリヤノフさん」
「うん」
「これからも、ずっと、ずうっと。わたくしと、お友だちでいてくださいね」
「もちろん! 胡乱路がイヤだって言ったって、そのつもりだよ」
「まあ。んふふ……ふふふふ!」
きっと、そうずうっと先まで、友情が途切れることはないでしょう。少しくらい離れたって大丈夫、時おりこうして、戻ってくればいいのです。彼女はいつでもこの島で、ロベルトを待っていることでしょう。
「しばらく離れていたからね、胡乱路とはまだまだ話足りないよ。そうそう! エイプリルフールの時だったかなぁ? 君が
カプギアの女王になって、みんなでカプギアした
夢を見たよ。あれ、楽しかったなぁ。バイト中に巻き込まれたから焦ったけどね」
「カプセルギアですか? そういえばわたくしも、遠くの惑星でカプセルギアを遊んだ夢を見たような……」
「寝子島の不思議な現象ってやつかな? 本当、いろんなことが起こるから。本当に、いろんなことがあったなぁ」
「ええ。本当に、夢のよう」
思い出をめぐる旅に終わりはなく、ひとつお話の花が咲くたび、ふたりの笑みがこぼれ落ちました。
「さて! 胡乱路、時間は大丈夫? 夜はこれからだよね!」
街へくりだす頃には、すっかり暮れて夜半前。高校生だった時分はこんな夜ふけにどこかへ出かけるだなんて、考えても……いえ、けっこー外出してましたよね。ふたりともあんまし、ちょっぴり、イイコではなかったかも。
だから夜遊びだって慣れたもの。
「このへんの映画館でさ、昔の映画のリバイバル上映やってるんだ。胡乱路、好きだったでしょ? モノクロ映画とか」
「ええ、大好きです。なんという映画ですか?」
「えーとね。『素晴らしき哉、人生!』」
古典的名作のタイトルは、彼女の笑顔を深めました。お気に入りの一本なのだそう。
「見に行く?」
「ぜひ! こんな夜の締めくくりにふさわしい、素敵な映画ですから」
映画館は少し歩いた先です。シネコンや大手のような大きなスクリーンはなく、こじんまりとして客入りもまばらで、ゆったりとした時間が流れる、老舗の小さな映画館。わくわくしてしまいます。
「じゃ、行こうか」
「はい。んふふっ」
「ん、なに?」
足取りはずむ秘子に、ロベルトも歩調を合わせて。とん、とん、ととん。
「エメリヤノフさんとこんなふうに街を歩くのは、いつぶりのことでしょう。嬉しくなってしまって」
「はは、そうだねえ」
ふたりの歩む道へと続く、後ろを振りかえれば、あらゆる奇異奇妙がつらなっています。数々、異変がありました。乗り越えてきました。異形のナニカに追いかけられたり、痛い目見たり。一度や二度じゃあありません……けれどそれこそが、ふたりをつないでくれました。彼女をこちらへ、つなぎ止めてくれました。
夜空を眺めれば、ぽっかり丸い月が浮かんでいます。赤くも青くもないけれど、妙に大きく見えて、どきどきするような、完全なる真円です。寝子島の全部を見下ろしています。
あの頃はどこか、恐ろしく思えたりもしたけれど。
「いい夜だねえ」
「ええ、とっても」
今はなんだか懐かしくって、いとおしくさえ思えるのです……あの夜たちが。
「あったあった。ここだよ、映画館」
スマホの地図アプリをたよりに、たどりついたのはビル街から少し外れた中通り。それでもあちこち、またたくネオンサインが夜の寝子島を演出しています。
目の前には簡素でいささか錆びついた、両開きの鉄の扉。レトロな地下映画館、こんなところがあったなんて。
「……おおっ。これはなんとも」
「あら。ぴったりの名前ですね、んふふ」
看板に白文字で書きつけられている店名なんて、『真夜中シネマ』です。思わずそろって、吹き出してしまいました。今夜にこれほどふさわしい映画館が、ほかにあるでしょうか?
「その映画、胡乱路は見たことがあるんだよね?」
「はい、何度も。エメリヤノフさんも、きっとお気に入りになりますよ」
「ほんと? 楽しみだなあ」
きいと軋んで扉が開いて、ふたりの背中は吸い込まれるように地下へ……きい、ぱたん。
モノクロームな夜はしずかに、ゆったり、更けてゆきました。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷です。
お待たせいたしました! 『ミッドナイト・フレンズ・ストーリー』のリアクションをお届けいたします。
夜のワンシーン、というお話でした。
寝子島の夜は魅力的で、ずうっと起きていたくなってしまいそう。それに無数のドラマが生まれたところでもあります。
昼より夜、太陽より月に星、かっと照り付ける日差しではなくぼんやりと控えめに照らし出されるシチュエーションに、神秘性を感じてしまうのかも。ヒトは元より昼行性のイキモノなわけですし、本来は見えないものが見えてくる時間帯でもあったかもしれません。
墨谷が夜を舞台に書いた、一連の思い入れ深いお話を振りかえるという意味合いもありました。記憶を呼び戻すためにいくつかのリアクションを読み直したりしましたら、なんだか感慨深いものもありまして。
あらためて、これまで墨谷のシナリオにお付き合いをいただいた皆さまには、感謝の念に堪えません。
それでは、今回もご参加いただきまして、まことにありがとうございました!
次のシナリオでもまたお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでした!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月14日
参加申し込みの期限
2023年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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