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少女は風の精
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未見のものなのに見たことがあるような気がすることを『既視感(デジャヴュ)』と呼ぶのであれば、未体験なのに憶(おぼ)えのある感覚をなんと呼ぶのだろう。
――朝、ぼんやりと味わったあの感じだ。
見あげた空に、ラッセルは吸い込まれそうに思ったものだ。
ふわっと体が浮きあがり、青と一体化するような。
まさにそれだった。
さしだされた晴月の白い手、細い指に自分の指をからめて握ったとたん、ラッセルは空に浮きあがっていた。
そうか俺、空に……いや、風になったのか。
鳥に変身して翔けるのとはちがう。まったくちがう。空気の波を読み、たくみに乗って懸命に漕いでいくようなあの感覚とは。
体が空に溶け、意識だけで飛んでいるような気分だ。
寒さは感じない。肉体の重さも。
そりゃそうだろうな。風が風の寒さを感じるはずなんてねーもんな。重さだって。
ラッセルは立ったまま空にある。これから婚礼のダンスでもするかのように、左右の手を晴月とつなぎあっている。むかいあって、額と額がくっつくほどに近い距離で。
風になったはずなのに、晴月の手も、熱も、ゆれる彼女の髪が自分の頬をくすぐるのも、感じ取れるのはなぜなのか。
「すっげぇ! なんていうか、ピーターパンっぽい」
ラッセルは口を開いたが、言葉は空気を震わせる音ではなく、晴月の心に直接届いているのだと理解している。
「きっとそうだねウェンディ」
「おいおい俺がウェンディなのかよ」片眉をあげてラッセルは苦笑いする。「……んーまあ、状況的にそうかも」
「いけそう? 空の散歩」
「お、おう。もしものときの落下防止に鳥になれるようスタンバイしてるし本気出してもいいぞ」
ふふっと微笑して右手だけラッセルから解くと、空いたその手を晴月は水平に伸ばした。
「じゃ、行こっ」
晴月は飛ぶ。
ラッセルも飛ぶ。
ふたりを結ぶのはつないだ手と手だけだが、それで十分なようだった。
鳥としての飛行体験が日常なだけに、ラッセルにとっては意外性に満ちた空の旅だ。
「なんだこれ! 晴月にとっての『空』はこんななんだな」
鳥の軌道と晴月の飛行はまったくちがう。重力を感じない空は光景としては異様だが、映像や作り物ではなく、パキパキに解像度が高くて現実味があった。細部まではっきりと見える。手に取って見ているように。
「慣れた? スピードあげようか?」
「おう」
「キーン!」と晴月が言うやいな、ふたりの航空速度は急増した。助走なしののフルスロットルだ。絶叫マシンなみと言いたいところだが風の抵抗がないため怖いとすら思わなかった。眼下の景色はたちまち流れ、あっという間に海辺まで到達している。
「早っ!」
「ざっとこんなもんだよ」
海岸線を見下ろしながらラッセルは言った。
「気になったんだけど」
「なに?」
「晴月の力なら、たとえば空をつきぬけて宇宙空間まで行ったりできんの? あと海外とか」
考え込むかと思いきや、晴月はあっさりと即答した。
「たぶんできないよ」
「意外だな」。
「私、寝子島から離れるとどんどん力が弱まっちゃう。飛べなくなって落ちてく」
「じゃあ本土には……?」
「行ってみたい気もするし行くこともできるはずだけど、そのときは私、普通の人間と同じになっちゃうと思う」
だとすれば、晴月の力の源泉は寝子島ということか。
俺の『ろっこん』――鳥に変身できるとの同じで。
もしかしたら晴月が人間に似た姿をとったのも、いわゆる神魂の気まぐれで、それがなきゃただの風でしかなかったのかもしれない。
あと、晴月の言葉通りだとしたら。
島外でなら、晴月と暮らすこともできるってことなのか。
ラッセルの想いを汲んだように晴月は「ちょっとだけ試したこともあるんだよ。寝子島から出るの」と言った。
「でもやっぱ、やー。人間の体、不憫、じゃなくて」
「不便?」
「うん。フベン。寒いし暑いし」
「それがいいところもあんだけどな。夏のアイスや冬の鍋が嬉しいのも、不便な体のおかげだし」
「風の精でもアイスはおいしいよ」
「ああ、まあ、そうかもだけど……」
俺が言いたいのはそういうことじゃなくて。
でも、だったら言いたいことって、なんだろ?
うーん。
言いよどむラッセルに小首をかしげ、「それはそうとしてラッセル」と晴月は海を指さした。
「あそこ、降りていい?」
真冬のビーチだ。オフシーズン中のオフシーズンであり無人だった。透明に近い波が砂浜を洗っている。海の家はおろかボートのひとつも浮いてはおらず、寒々しい。
「海辺か? いいけど」
あんなところに何があるのだろう。
「急降下はしないよ。ゆっくり降りるね。怖い?」
「へーきだ」
「怖かったら抱っこしてあげるよ」
「いらないいらない、お姫様抱っこは特にっ!」
力一杯ラッセルは拒否した。二度体験しているが、さすがに恥ずかしい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月05日
参加申し込みの期限
2023年11月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年11月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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