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ミッドナイト・フレンズ・ストーリー
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【何度も、何度でも】
高さ630メートル……なんて言われても正直、ピンと来ませんけれど。
「ふわあ……」
「でかっ」
柚春はてっぺん見上げてぽかんと口を開け、ウォルターをしてそんな言葉を思わずもらすほどです。東京スカイツリー。なんたる高さ! イルミネーションに彩られてきらめくさまの、なんたる荘厳! 圧倒されてしまいます。
夜のスカイツリーは恋人たちでいっぱいでした。柚春とウォルターもそこへなじみます……まだはっきりきっぱり、誰はばかることなく恋人同士です! と宣言できる間柄ではないけれど。少なくとも柚春はいつだってウェルカムだし、ウォルターもそうあってほしいと願っています。
「じゃ、入ろっかぁ。ん? どうかした?」
「あ、ううん」
ここは東京、寝子島じゃあありません。ふたりを知る誰かが仲むつまじいところを見つけて後ろ指さしたり、SNSに動画投稿してやみくもに『いいニャ』や高評価を稼ごうなんて意地の悪い輩もたぶんきっと、いないことでしょう。まあのんびり気質が息づく寝子島にだって、そんな人はそうそういないとは思いますけれど。どこで誰が見ているかは分かりませんので、念のため。
「……よしっ! たのしもう、ワット!」
「そりゃもう。せっかくだし、楽しむよぉ」
そんな柚春の想いを知ってか知らずか、彼はやっぱり、少年のようなきらきら笑顔。
さっそくエレベーターに乗り、地上350メートルの天望デッキへ。全面ガラス張り、360度どこを見回しても目に入る夜景はまるで、地上へ降りおちた星くずたち。柚春は思わず二度目の、
「ふわぁ……!」
知らずのうち、感嘆の吐息がもれました。隣を見ればウォルターも、我を忘れたようにじっと見入っておりました。
エレベーターに乗ってさらに上へ。チューブ状のガラスの廊下をとおり、もっとも高いフロアへ到達すると、眼下の夜景はまるで星の海。なんて絶景。なんて……。
「……言葉では、うまく言えないけど。いい表現が見つからないけど」
「うん」
「今……すごく、嬉しい」
ふたり、たがいの存在をかたわらに感じながら、じっと星たちの泳ぐさまを見つめます。揺らめく大海、あるいは寄り集まるかがり火の群れ。ホタルたち。そんな言葉も目の前の光景をつぶさに表すには足りず、なんだかもどかしくて。永劫に見えて儚いこの景色に、えもいわれぬ感情の揺れをおぼえて。
伸ばした手、小指と小指がこつんとぶつかり、しばしためらうように、こつん。つん、つん。やがて柚春の指が彼をつかまえると、あたたかい体温が伝わって、ふたりはもの言わぬままただ、長いことそうして過ごしました。
橋の事故にともなうしばしの通行止めが解消されたとの一報が柚春の胸へともたらした感情は、複雑でした。この瞬間がずうっと続けばいいのに。でも……。
「ああ。寝子島大橋までもう少しだ。稲積、疲れてないかい」
「ワット……ちょっと止めてもらってもいい?」
「ん? うん。車酔い?」
「んー、まぁ。そんなとこ」
木天蓼市と寝子島をつなぐ連絡架橋の手前の路肩に、ブルーのスポーツカーは停車しました。すぐそばには海水浴場があり、シーズンオフのビーチには人気もなく静まり返り寂しげですけれど、さわさわと響く小波の音にはなんだか風情もあって、柚春のざわつく胸を少しばかり落ち着かせてくれました。
見据えた目線の向こうには、都心や横浜のまばゆい輝きに比べればいくらか控え目な、けれどどこか安堵をおぼえる、寝子島の明かりがぼんやりと灯ります。買い物は済ませ、メアリへのお土産も買って、あとはあそこへ戻るだけ。
砂浜へ降りると、さくり、さくさく。軽やかに足音が鳴いて、刻まれてゆく跡は並行しながら、ふたつ分。頬をなぞってゆく冷えた風は、潮のかおりをはらんでいました。
「あのね……」
「うん」
ややあって、柚春はゆっくりと口をひらきます。言葉は選ばず、心へ思うままに。
「今日のデート、楽しかったの。楽しすぎて、ずっとこれが続けばいいのにって思ってた」
「うん」
「でもね、気づいちゃった。今がずっと続いたら、僕は永遠に、ワットの恋人にはなれない……」
卒業まで、あと少し。もう少し。今は生徒と教師、柚春がどう思ってもあがこうとも、ウォルターが責任ある大人で立派な社会人である限り、その隔たりが埋まることはありません。
けれど、柚春が彼の生徒でなくなったなら、あるいは。
「……柚春?」
なかば倒れ込むように、きゅ、と彼を抱きました。控え目に、その両手が柚春の肩へと置かれます。
「早く卒業しちゃいたいな。でも、今日が終わってしまうのも……ワットと離れるのも、ヤだなって。だってワットは気まぐれだから」
「んー、まあ。否定はできないねぇ」
「離れてるうちに、ワットの気が変わっちゃったらいやだもん。だから、毎日すきって言っても全然たりないよ」
柚春のつむぐ言葉は少しとりとめなくて、純粋で、真っすぐです。
「ねえ、今日がデートだって思ってたの、僕だけじゃないよね?」
「さて? どうだろうねぇ。メアリのおつかいだったかも?」
「もう! すぐそうやって意地悪言うんだから……いいよ、僕は僕の思うようにするんだから」
ついとつま先立ち。背の高い彼の頬へ、そっと唇を寄せて。
「今が終わっても。ウォルター先生の顔をしてても、ワットの顔を見せてくれる時も。僕は、ずっとずっと……すき、だよ」
彼ってばこれで、きちんとしたオトナであります。なかなか、積極的なところを見せてはくれませんけれど。
「やれやれ。僕の生徒は、悪いコだねぇ?」
潮風に吹かれながら、苦笑いする彼にくしゃくしゃと髪をかきまぜられる、この瞬間が……柚春にはけっこう、幸せだったりするのでした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月14日
参加申し込みの期限
2023年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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