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ミッドナイト・フレンズ・ストーリー
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【みんなでおさんぽ】
身支度ソコソコ、服は部屋着のままだし、前髪もちょこっと跳ねてたりします。よりにもよってこんな時に、彼と会うのはためらわれましたけれど。
「どうしたの、綾辻さん。緊急って言ってたけど」
「ご、ごめんなさい……珪さんしか、頼れるひとがいなくって」
前もって電話をしておこうと思ったのは、きっと良い判断だったはず。アパートの前で待っていてくれた
早川 珪
は心配そうに、けれどいつもの落ち着いた微笑みで迎えてくれて、綾花はほっと安堵の息をつきました。
「それで、その子が例の」
「は、はい。あの、なんていうか……うまく説明できないんですけど」
「うん。大丈夫だよ」
飼い猫が人間になっちゃって~、なんて説明したわけではありません。綾花のような女子高生がこんな夜更けに、小さな子どもをつれている理由を過不足なく言い表したわけでもありません。それなのに彼は、たずねるまでもなく、綾花の後ろにかくれて様子をうかがうちびっこの前に屈みこんで、
「やあ。こんにちは。お名前、おしえてくれるかい?」
「……クロワ」
「クロワくんか。僕は、珪だよ」
「けい。けいは、あやかのともだち?」
「友だちか……そうだね、うん。そんなところかな」
ほんとのところは、友だちよりもうすこうし近い関係……だと綾花は思っていたりしますけれど、まあ子どもに言って聞かせるようなことでもなし。ここはぐっと言葉をのみこんでおくことにします。
ちらと珪さん、綾花へかすかながらに目線を流して、ちいさくこくり。彼もきっと同じ気持ち、だったのかも?
「クロワ、おさんぽ中なんだってね。よかったら、僕もついていっていいかい? 君といっしょに遊びたいんだ」
「え~?」
人の子クロワはちょっぴり迷うそぶり。けれど綾花がふんふんとうなずいてみせると、たちまちにっこり。
「い~よ!」
「そうか、ありがとう。じゃあ、いこうか」
てててと駆け出したクロワに続いて、ふたりも小さなおしりを追いかけます。
しゅぱん!
「あっ! クロワったら、人前であんなこと」
「へえ……? 変わった特技だね」
ためらいなくワープをかまし、民家の塀の下にちょこんと咲いた冬花の白い花弁を眺めてやっぱり、満面の笑み。それを摘んで、見てみて! とふたりを振り返ります。
「珪さん。すみません、こんな夜中に……どうしたらいいか分からなくって」
「かまわないよ。少しおどろいたけれど、ね」
「あ……いえっ、私の子じゃないですからね!? そりゃあクロワは、私の子みたいなものですけど……!」
「ははは。うん、分かってるよ。大丈夫」
なにも深くたずねず、ただ綾花を信頼してくれる、大らかで懐深い彼が今夜はなんだか、いつもよりもっともっと素敵に見えました。いえ、いつもだってとってもとっても、素敵ですけれど。
「クロワ、あっちにきらきら、綺麗なものが見えるね。見に行ってみたいんだけど、ついてきてくれるかい?」
「うん、い~よ! あやか、いこー!」
「はいはい。いまいくから、走らないでね。しゅぱん! もダメ」
「ぶ~。けい、あやかうるさい~」
「ははは! アヤカは君が大好きだから、心配してるんだよ。ね、アヤカ」
子どもに合わせて、予期せぬ名前呼びにどきり、綾花の心は嬉しくて跳ねました。
珪さんは子ども好きなようです。先生になろうと思ったくらいですし、普段の彼を見ていても生徒たちに面倒見の良さを発揮して、というか発揮しすぎているくらいですから、それも当然かも。
「ほら、見てごらん。おうちに、車に、あれは犬……わんこかな。あれはなんだろう? クロワ?」
「にゃんこ!」
キャットロード近くの民家が並ぶ一角では、クリスマスに灯ったイルミネーションを周囲の住人たちが冬の間は自主的に続けているとかで、ぴかぴかぱちぱちと光がまたたいておりました。クロワは目をぱっちりまん丸にして、
「あやか! ひかひか!」
「うん。ぴかぴかだね」
「ふわ~」
とてとて、ちょっとおぼつかない足取りで歩み、ときどきこてんといきそうになったところを、綾花と珪があわてて受け止めたり。歩き疲れたら抱き上げてやったり、また元気に歩き出したり。
電球の明かりに照らされるクロワを見つめて思わず、つぶやきました。
「子育てって、こんな感じでしょうか……」
「そうかもしれない。一足早く体験しちゃったね」
いたずらっぽく笑う珪さんに、綾花の頬はぽわんと色づきます。だってそんな未来が訪れるなら、いっしょに体験してゆきたいのはほかでもない、目の前の彼だから。
「見てて飽きない……というより、心配で目が離せないです。ああほら、こんなによごして」
「あやか、だっこ~」
「ちょ、ちょっと待ってね、いま埃をはらうから」
「僕が抱いていようか。クロワ、おいで」
彼がひょいと抱き上げると、クロワはくちびるとがらせながらも、まんざらではなさそう。
「けい、やらかくない~。あやかはやらかくて、あったかいのに」
「はは、ごめんよ。イヤかい?」
「ん~ん」
ぱあ、と光の花が咲くように。
「ヤじゃな~い」
元気いっぱいにはしゃいで歩いて、とび跳ねて、すっかり疲れてしまったのか、クロワは綾花の腕のなかですやすや。気持ち良さそうに寝入ってしまいました。
猫鳴館へ向かう帰路は暗くて、街灯もまばらですけれど、珪が付き添って寮まで送り届けてくれました。冬の空は冷たくて、けれど星たちのまたたきは鮮明で、透きとおるような素敵な夜でした。
「今日はほんとうに、ありがとうございました。珪さん……急にお願いしちゃって」
「いいんだよ。お役に立てたならよかった」
すぴすぴ小鼻を鳴らしながら、クロワは珪のジャケットの袖をきゅっとつかんで離しません。ふたり顔を見あわせて、くすり。
「珪さんのこと、好きになってくれたんだと思います。信頼してるみたい」
「嬉しいよ。それじゃ……おやすみ。綾辻さん」
「はい。おやすみなさい、珪さん」
袖をつかんだ手をほどくとむずがるように身をよじらせたクロワの、小さな頭にぽむっと手のひらを乗せて、
「またいつでもおいで」
そうつぶやくように言ってから、彼は寒風に身を縮めながら帰っていきました。
翌朝。ふとんに入り込んだ黒猫の体温に、ほっこりしつつ目が覚めて。
「……あ」
名も知らぬ白い冬花の花弁が落ちているのを見つけて、綾花はほわんと笑みを浮かべ、黒猫の丸めた背中をそうっとなぞりました。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月14日
参加申し込みの期限
2023年12月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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