this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
イケナイコトカイ
<< もどる
1
…
21
22
23
24
25
…
30
つぎへ >>
「待ってました☆」
スプーンを手に萌は歓声をあげた。
ユウくんの応援で元気百倍!
ユウくんのカレーで元気さらに百倍!
百かける百で一万倍!
ますますユウは腕を上げたようだ。カレーの香ばしさ、刺激度はもう師匠
アーナンド・ハイイド
の域に達していると萌は思う。トロトロなのに型崩れしないナス、みっしり味の詰まったひき肉も最高だ。ナンはハフハフのホクホク、パパードはパリパリ、タンドリーチキンのきれいな赤と焼け具合もたまらない。
お腹を空かせてきたのだ。しばらく夢中で食べていたが、いくらか落ち着いたところで萌はユウを呼んだ。
「ユウくんいま洗い物とか? 手が空いてたらちょっとお話、しない?」
「いいぞ、行く行く」
手を拭きながらユウは厨房から出てきて萌の前に座った。
「で? あらたまってどしたん?」
「今日来たのはもちカレーを食べるためだけど、共通テストの報告もしたくて」
でもそれだけじゃないんだ、と萌は言った。
「ユウくんに聞きたいんだ。この前、あの人に会いにいったんでしょう? 友達の……蒲田さん。ユウくん、ちゃんと蒲田さんと話し合えたかなって気になって? 悔いは残してほしくないもん」
蒲田 穂奈実(かまた・ほなみ)、ユウの中学時代の友人だ。天真爛漫すぎてクラスでは浮きがち、というかはっきり浮いていたであろうユウの言動についていくことができる稀有な少女だったという。
たぶん、蒲田さんもクラスで浮いてたんだろうね。
のけ者同士つるんでいた、とみなすのは穿(うが)ちすぎだろうか。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)、彼女をむしばむ病気の名前だ。
当初は手が震える、言葉がときどき不明瞭になる、といった程度だったようだが、中学卒業のころには歩行にすら支障をきたすようになり、車椅子生活になっていたらしい。
でも蒲田さんってきっと、ユウに合わせるため無理してキャラを作ってたんじゃないと思う。
「俺のくだらねーギャグに天然でツッコミを入れられる変なやつ! 天才だぜ!」
あるときユウは、穂奈実のことをこう表現したことがある。ユウの場合『変なやつ』は最上の褒め言葉だ。
萌は穂奈実に会ったことはない。それでも、もし穂奈実が寝子高に入っていたとしたらきっと、友達になれたと思うのだ。なにせ萌だって、ユウによれば『超変だよ』ということだから。
でも、寝子島高校なら、いや、寝子島なら、むしろ変なほうがいいくらいなんだ。
どんな個性の住民も受け入れる、「そのままでいいよ」と言ってくれる、それが寝子島でありその象徴たる寝子島高校だと萌は思う。
ユウくんは、個性的な生徒ばっかりの寝子高に自分の居場所を見つけた。それどころか将来の道まで見つけちゃった。ボクだってそうだよ。ボクやお兄ちゃんが高校の貴重な三年間を、のびのびと充実してすごせたのは、この島に来たからだと思う。
世間が押し付けてくる常識、いわば『普通』じゃなくって、自分が自分らしく、住民もたがいの欠点を含めて認めあって生活すること、これが寝子島の『フツウ』なんだ。
病気さえなければ蒲田さんも、この島に自分の居場所、きっと見つけられたはずだよね。
穂奈実は病気が進行し、寝たきりの状態になっていたという。
すこし前
、「いよいよやばいらしいんだ」と暗い顔でユウは萌に明かした。だが
その後
、危機的な状態の彼女に会いに行くのが怖いとも打ち明けている。
しかし萌に発破をかけられ、ユウは蒲田を見舞う決意をかためたのである。
「ああ、蒲田のことな。結論から言うと、鬼河内にしたがって正解だった。行ってよかったって思ってる。マジで」
眠る彼女にそっと別れを告げたとか、彼女の最期を看取ったとか、そんな重苦しい話を萌は覚悟したがしかし、
「だいぶ持ち直してたよあいつ! くっだらねー冗談まで言えるくらいに!」
たがいに指さして爆笑しちまった~! と、思い出したのかユウはゲラゲラ笑いだしたのである。
「よ、よかった~!」
胸にため込んだナーヴァスな気持ちが、吐く息とともに浄化されていくように萌は感じた。安心しすぎて、ついでに魂まで抜けでてしまったかもしれない。まったく知らない、会ったことはおろか顔すらわからない人の話が、こんなに嬉しいのはなぜだろう。
「ALSが進行してたんじゃなかった。あいつ肺炎だったんだって。寝たきりは肺炎のせいだったんだ。たしかに、肺炎もやべえけど幸い治ったって」
ユウが見舞いに行くことを決断し、電車に飛び乗ったころには、穂奈実はすでに危篤を抜けていたという。意識も戻って、病室から車椅子で出てユウを迎えたくらいだった。
めでたしめでたし、で終わればよかろうに、しかしこのとき、ユウの目には涙があったのである。
「恥ずかしながら、俺、あいつと会いながら泣いちまったよ。嬉しかったのはもちろんだけど、なんでもっと早く会いにいかなかったんだろうって……めっちゃ後悔して……鬼河内が背中を押してくれたこと、マジ感謝な……す、すまん、鬼河内、俺、アホでカッコ悪くて……」
ユウは手を拭いていたタオルで涙をぬぐい、ついでに鼻までかんでしまうのだった。
「カッコ悪いことなんてないよ。それって、ユウくんが純粋だってだけのことなんだよ」
そうか。
ボクがユウくんのこと好きなのは、好きなものが同じでノリが近いからでも、料理がうまいし面白いからでも、ボクのキテレツな言動に付き合ってくれるからでも、見た目チャラいのに実は義理堅いからでもなくって、いやいや、もちろんその全部が好きな理由だけどね! だけどもね!
一番惹かれてるのは、ユウくんの性格のこういうところ、なんだろうな。
よし。
萌は心を決めた。
いや、じつは店を訪れる前から決めていたのかもしれない。
萌の表情を見ただけで、清子はいちはやく察して時間と空間を与えてくれたではないか。そういえば清子は店を出る直前、一瞬だけこぶしを握ってひらいた気がする。あれは彼女からのエールだったのだろうといまさらながら気がつく。
ボク、いまからユウくんに気持ちを打ち明ける! 告白する!
食べ終えた皿を下げ、「食後、ホットチャイティーだったよな。持ってくるわ」と告げたユウの背中を見送りつつ、萌は音もなく深呼吸するのである。
ユウくんがチャイを運んできたら、それが決戦の合図だ。
<< もどる
1
…
21
22
23
24
25
…
30
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
イケナイコトカイ
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!