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ラッセルの話を聞き終えると「ふーむ」と千里は腕組みした。
明朗快活に結論をくれるかと思っていたラッセルにはいささか意外だったが、逆に言えばこれは、千里がいい加減に考えていない証拠ともいえた。
「ハグでもされたか」
「してね……!? ……いや、されたな。抱きつかれたことは。で、でも寂しくて兄妹愛みたいな感じだぞ」
千里とて興味本意で訊いたのではないのだろう。そもそも、軽い気持ちであれば桜花寮まで訪ねてこなかったはずだ。千里は無言で考えたすえ口を開いたのである。
「彼女は桜井に気があるか――さもなくばパーソナルスペースが狭いのかもな」
「パーソナルスペース?」
「もちろん仮説ではある。ようは、その彼女の認識では、少々距離が近くてもおかしいと思わないってことだ」
ところで、と千里は膝立ちしてラッセルににじり寄った。
「その『彼女』って、もしかして晴月か?」
「……い、言わねー」
「言ってるようなもんだろ。正直だな」
千里にはとくに驚いた様子もなかった。ラッセルとしては観念するほかない。
「慕われてると思いたい。それか」
「なつかれてる、って言ったとこか。エサくれる人間に猫がなつくみたく」
「動物みたいに言いたくないけど、否定はできないかも」
「相手が桜井以外の人間でも同じ距離だとしたら、それは晴月の距離感なんだろうよ」
と言って、千里はふたたびもしゃもしゃと前髪をかきまわすのである。
「かも、な」
「でもちがったとしたら、何かしら意味があるってことだろ」
「意味って」
「どう解釈するかは桜井の自由だ」
「そこで解釈を俺に投げるなよ」
「オレは考える手伝いはした。しかし最後に考えるのは自分の役目じゃないか? 桜井ラッセル」
千里はラッセルのもやもやした感情を整理してくれた。そのうえで、考えるのは自分だとも言ってくれた。勝手に決めるわけでもなかったし、急に第三者になって逃げるわけでもなかった。そうわかっているだけにラッセルは返答に困る。
「俺……」
「お節介ながら言うと、もし心が決まってるなら行動に移すべきじゃないか?」
俺は見守るし必要なら手も貸す、と千里は言った。
「だったら俺は」
言いかけたラッセルだったが、やおら立ち上がって両手を振った。
「でも、それいま結論出さなくてもいいよな!?」
「当たり前だろ。すぐ回答しろなんて言ってねーぞ。俺も。それに彼女も」
「彼女って?」
突然割って入った声にラッセルはのけぞった。
開け放った窓から、
風の精 晴月
が顔をのぞかせていたのだ。
彼女がするりと寮の部屋に入ったととたん、すべての環境は一変した。風は強い。気温も低い。ともすれば凍えそうな寒さだ。それでも部屋にはレモンに似た爽快な香が満ち、気のせいかもしれないが空気は丸みを帯びた。
エメラルドグリーンの髪、同じ色の瞳、白いワンピース。毛糸の上着こそ着ているが、真冬には似つかわしくない涼しげな扮装ではないか。
最初に反応したのは千里だった。
「やあ晴月! オレだ」
「覚えてるよ、千里でしょ? ラッセルもこんにちは」
白い服の袖をなびかせて、晴月は千里とラッセルのちょうど中間に座る。
「ここラッセルの部屋だよね? 千里、ラッセルと住んでたの? そういうの私知ってる。ドーセー」
「いや同棲じゃない」「同棲? とんでもない!」
千里とラッセルがほぼ同時に言った。
「じゃあ同居?」
同棲と同居は、晴月のなかでは別の概念として分離されているらしい。
「それもちがって」ラッセルはなぜかしどろもどろに言った。「千里は遊びに来ただけなんだ」
「そう。オレはただの来訪者。ビジターだ」
言いながら千里は座布団をひっぱりだして晴月に勧める。
晴月は素直にその座布団に乗って正座して、
「じゃあ、ラッセルはほかの誰かとドーセー?」
と首をかしげた。
「い、いや同棲はしてない。たしかにルームシェアはしてるが同棲じゃないから!」
どこまで通じるのかはわからないが、ともかく真実を優先してラッセルは告げた。
「晴月、いいかな?」
千里は晴月ににじり寄ると彼女の耳にそっと告げた。
「ラッセルのことどう思ってる?」
小声なら晴月も相応の声で応じてくれると千里は期待していたのかもしれない。だが晴月にはそういった腹芸は通じないようだ。平常と変わらぬ声で返す。
「ラッセル? 好きだよもちろん。私の前のたき火、ラッセルがジャンプしてくれたら嬉しいよ」
「たき火? ジャンプ?」
何を言っているのかわからず千里は首をかしげる。おしのけるようにしてラッセルが応じた。
「いやその話は今日に関係ないんで!」
言いながら考えた。『そうとも俺はたき火をジャンプするんだ!』とでも言っておいたほうがよかったのかもしれない。しかしとっさのことゆえこれが精一杯だった。
「ふーん」と晴月は、わかったようなわかっていないような顔をしている。
このとき千里がやおら立った。そして、
「すまん。他意はないから先に謝っとく! でい☆」
だしぬけに腕を伸ばし晴月に抱きついたのだ。
これで晴月が「なあに?」と応じればよし。彼女にとってこの程度のハグはコミュニケーションの範囲内だとわかるだろう。
一方で「キャー!」と払いのければそれもよし。晴月はハグを一般的に考えているわけではない――つまりラッセルに示した行動は好意以上のものだとわかる。
強いて言えば後者に近いが、実際はそのどちらでもなかった。
「……!」
晴月は反射的に突風を巻き起こし、千里を窓の外、数メートルの彼方へ吹き飛ばしたのだ。
「千里、それエチケットに違反よ。ダメ!」
晴月は言う。といっても数メートルむこうの空き地に背中から着地した千里には聞こえていないかもしれない。ただし千里はゆっくりと落下し、風に包まれマシュマロのようにやわらかく地面に着地したのでケガひとつ負うことはなかった。
窓まで駆け寄ってラッセル千里には声を上げる。
「千っ、冗談だもたいがいにしろっ!」
ヒャーと言いながらどこか千里は楽しげだ。立ち上がって、
「ぶっ飛んだな! マジでびっくりした! 悪ぃが桜井、オレの靴もってきてくれ」などと言って手を振っている。
「まったく!」
そこで待っててくれと晴月に言い放ち、ラッセルは玄関まで駆けて来客用下駄箱から千里のものらしき靴を取って空き地まで走った。投げつけるようにして靴を渡して声を上げる。
「晴月に変なことするな!」
「怒ったね桜井くん? それって、やきもちかな?」
「やきもち?」
「オレが晴月にいらんことしたからさ」
ちがうとか別の言い訳とか、思いつける状態のラッセルではなかった。
「や、
やきもちだよ!
」
はっきりと言う。
「友達として兄の立場として変なことしたら千でもたたじゃおかねーぞ!」
怒るかと思いきや、千里は「よく言った」と笑んだのである。
「その言葉が聞きたかった。オレも吹っ飛ばされた甲斐があるってもんだ。まさかこんな距離飛ぶことになるとは思わんかったが」
「なんだその『計算通り』みたいなセリフは」
「だって計算通りだし」渡された靴をはきつつ千里は言う。
「ずりー、だったら俺も兄として色々教えよっかな~」
こうなればラッセルも言うしかない。腕組みして告げるのである。
「晴月にさぁ、千がしでかしてきたイケナイコトとか楽しいこと、色々とさあ」
「どの話を言ってるのかわからんが」思い当たる節はひとつやふたつではないようだ。千里は目に見えた慌てだすのである。「それ以上……イケナイ!」
ラッセルと千里のやりとりが聞こえているのかいないのか、残された部屋から、晴月はふたりに手を振っている。
「ねー、帰ってきてよー」
「ごめん、すぐ戻る!」
ラッセルは駆け出し、靴を履きかけた千里もつっかえつっかえそのあとを追った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月06日
参加申し込みの期限
2023年12月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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