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清子さんにはきっと、ボクらが恋愛沙汰でもめてるとか、ひょっとしたら別れ話とか、そんな風に思われてるんだろうなァ。
萌はため息つきたい気分だったが、自分以上に元気のないユウの前で、そんな行動に出ることはさすがにためらわれた。
実際は別れるとか別れないとか以前に、そもそも萌とユウとは交際しているわけではないのだ。恋愛沙汰どころか、キューピットの矢みたいな恋愛のシグナルがともっているかどうかすら疑わしい。
もちろんユウとは親しい。いわゆる『友達以上』にはなっていると思う。だがやっぱり、いわゆる『恋人未満』でもあることは認めざるを得なかった。
届かない、というのが正確なところに近いだろうか。見えているのに届かない。いつもそうなのだ。狭い厨房にふたりきり、なんとなくいい雰囲気になってきたらユウはバカ話をはじめる。つい視線がぶつかり見つめあった次の瞬間には笑わせにかかる。どうしてもロマンティック・モードにはならない。萌だってノリはいいほうなので、バカ話にはバカ笑いしてもっとバカ話をぶつけてしまうし、笑わせにかかってきたら負けじと笑わせ返してしまう。
ユウくんにとってボクの存在って――なに?
やっぱ『変なヤツ』『おもしれーヤツ』でしかないのかな。
でもその位置にとどまるのって、結構ラクだったりするんだよね。それがまた、よくないってわかってるけどさ。
いずれにせよユウにとって自分は重要な存在ではあるはずと考えて、萌はここまで日々を送ってきた。楽しくやってきたはずである。
でも最近は不調だ。前輪がパンクした自動車みたいだ。ガタガタボコボコ、振動でうまく走れない。
ここ数日ユウに元気がないからだ。大体の理由はわかっているのだが、怖くて萌は聞きだせなかった。
清子さんがせっかく作ってくれたタイミングだよ。やっぱ、話すしかない。
なので店の裏、狭い路地で彼と向かいあうと、萌は思いきって言ったのである。
「蒲田さんの調子、よくないんだね」
ユウはすぐにはうなずかなかったが、ややあって認めた。
「ああ」
蒲田穂奈実、ユウの旧友だという。萌は彼女に一度も会ったことがない。ユウによれば『超変なヤツ』ということだ。ユウの場合『変なヤツ』は褒め言葉であることを忘れてはならない。なにかとクラスで浮きがちだった中学時代のユウとはウマが合う友達だったそうだ。きっと当時のユウとは、ちょうどいまの自分みたいな関係だったのだろうと萌は思う。ユウが寝子島に渡ってからも交流はつづいていたたようで、少し前に開店した巨大玩具店『ハローニャック』寝子島店に一緒に遊びに行ったこともあるらしい。
蒲田穂奈実についてわかっている情報はあとひとつだけだ。
彼女がALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病を抱えており、ほぼ寝たきりということだ。ハローニャックに行ったときも、ユウが車椅子を押したという。
「いくらボクでもALSが不治の病ってことは知ってるよ……大変、ってことかな?」
「ちょっと前に蒲田の親御さんから連絡があってな」ユウは頭をかいた。「いっぺん、会いに行こうと思ってる」
ユウは多くを語らなかったが、語らなかっただけに萌にはよく伝わった。
蒲田さんはもう末期……か。
萌は唇をかむ。ユウの心境は想像するしかないが、もしユウが同じような状況に陥ったら、自分も暗黒の沼に沈みこむという自信があった。
「彼女、カレーも食べられないよね……ザ・グレート・タージ・マハルで腕を鍛えたユウくんのカレーを食べること」
本当はボクが食べたい! と心の涙を滂沱と流す萌ではあったが、そんな了見の狭いことは言わなかった。
かわりに言った。それも、できるだけ明るく。
「行ってあげなよ、いますぐっ」
けれどもユウは返事せず、ただ足元を見つめるばかりだった。
「……オレ、怖いんだ」ようやくユウが、しぼりだすように告げたのはこの一言だった。「衰弱しきってる蒲田を見るのが。きっとこれがラスト、って思うのが」
パチンと鋭い音がとどろいた。
いや、パチンというよりは、『ばちこーん!』と表現したい。
「ちょめっ☆」
萌がユウの額を指ではじいたのだ。しなやかな鞭のような一撃、雷光ほとばしる今年最高のデコピンだ。
「怖いからって避けてたら後悔することになるよっ! もっと怖くてもっとつらい思いしてるの、蒲田さんだってなんでわからないかな!? ボク、蒲田さんじゃないから彼女の気持ちわからないけど、ユウが会いに来てくれたら喜ぶと思うよ、ゼッタイ☆」
仮に意識がなくたって、と心の中でつけたした。
「うわ痛ってー! おでこから火が出るぜ~っ」
煙が出るのを防ごうとでもいうのか、額を両手で覆ってユウはピョンピョン跳びはねた。しかし次の瞬間にはもう、「にししっ」と笑っている。萌が見たかった表情だ。
「けどサンキュな鬼河内、おかげで目が覚めた。オレ、後悔しないようあいつに会ってくる。店頼むなっ」
「頼むもなにもユウくん今日出勤じゃなかったよ♪」
「なんだってオレとしたことが! じゃあまたっ」
そのままユウは駆けていった。あっという間に見えなくなる。
じゃあねと笑顔で手を振って、ユウが見えなくなるまで萌はおなじ姿勢でいた。
いいんだ。これで。
ボクにできることなんて、これくらいだから。
よし、あとはもう、バイトしまくって気を紛らわす――かな。
さっぱりした気持ちのつもりではあったが、どことなく湾曲歯ブラシみたいな姿勢で店に戻った。
ところが店に戻ったばかりの萌に、人生の先輩たる清子はこう告げたのである。
「萌ちゃんやっぱなんか暗いなー。もう今日は休みにしなよ」
「えー、でも」
「給料のことなら気にしないで。有給休暇あるでしょー?」
「ボクアルバイトだから有給休暇なんてないよ~」
「
あるの!
」清子はきっぱりと告げた。「バイトだろーが派遣だろーが期間雇用だろーが、すべての労働者には一定日数の年次有給休暇を与えなきゃダメって法律で決まってんだから」フンス、と音が出るくらい清子は鼻息する。「あたしも店長になる身だからね、勉強したんだもん!」
「おお、よく知ってるさすが社会人☆」
「だよー、ついでにスマホの占いによれば、今日の獅子座……萌ちゃん獅子座だったよね? 今日の獅子座さんは海のそばがハッピーラッキーパワースポットって出てたよ。海でも見といで♪」
「おお、占い頼みなのは社会人ぽくない★」
「うるさーい! とにかく今日は休みなさいっ」
こんなやりとりがあって、萌は外に出ることになったのだった。
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桂木京介
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ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年09月03日
参加申し込みの期限
2023年09月10日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年09月10日 11時00分
参加キャラクター一覧
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