this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
古書と思ひ出、時どき珈琲
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
【我に活字を。】
「か、活字……活字が恋しい……!」
陸に打ち上げられたお魚が酸欠に口をパクパクするように、
倉前 七瀬
は欠乏感と禁断症状にあえぎます。いえまあナントカ中毒きてます的なカンジまではいかないにしろ、七瀬がツラいのはほんとうです。全然足りてないのです。活字が足りない!
物語を読みたいとか詩の美しさにふれたいとかではないのが、七瀬のちょいとばかりツウなところ。とにかく活字が大好きで、必ずしも文脈として成り立っている必要はなく、なんなら電話帳や家電製品のマニュアルだっていいくらいです。もちろん素敵な本であれば、それに越したことはありませんけれど。
「こんな時は、あのお店ですかねえ」
とにかくたくさんの活字の備えがあって、なおかつちょっとした軽食やコーヒーでお腹も満たせて、有意義な午後を過ごすのにうってつけの場所に、幸いにして七瀬は心当たりがありました。
そんなわけで、こんな時には古書喫茶『思ひ出』!
「なにかよか本、ないですか」
「そりゃあ、あるとも」
店主の
柏村 文也
は時に客をかまい、時にそっとしておくその塩梅が絶妙で、七瀬や多くのお客が感じるこのお店の居心地よさはきっと、彼の人柄によるところも大きいことでしょう。
そして彼は、常連たる七瀬のいささか特殊なお好みについてもちゃあんと把握しておりまして。
「『Freezepray』のアルバム、歌詞リストの翻訳版。『首輪物語』全巻セット。こっちはちょっと貴重品、世界最古の恋愛小説といわれてる『ダフニスとクロエ』。猫田 爪彦の『虜囚列車』は読んでたっけ?」
「おお……」
興味をそそるもそそらぬも、ともかく気になるラインナップ。お礼を言って手に取ると、コーヒーを注文し、さっそく活字の海へと飛びこみます。
「ごゆっくり」
のめりこむと反応がにぶくなるのを店主さんも分かっているらしく、お返事を求めることはありませんでした。
古書の独特なかおり。コーヒーから立ちのぼるアロマ。心地よい静けさ。脳内をくまなく満たす活字の奔流。洋楽バンドのつむぐ星がきらめくように美しいセンテンスに浸り、数多の音楽や絵画にも描かれてきた少年少女の純粋な恋物語へふれ、壮大なハイファンタジーの世界の始まりへもぐり……文字たちはただ文字ではなく、七瀬の頭に飛びこんでは意味をなし、誤解をおそれず感ずるままを表現するならば、快楽へと転じます。気持ちがよいのです。だから読書はやめられない!
いうなれば活字中毒。欠如した成分を摂取するよう、七瀬は本たちへただただ没頭しました。
ひと段落して、ふと。
「ちなみに、ですけど」
「うん。なんだね」
「白薔薇の表紙の本、なんて……ないですよね?」
ふむ? と店主は腕組み。書棚をぐるり眺めて、しばしの時間をかけて、何冊の本を抜き出してくれました。
どうしてももう一度、手に取ってみたい一冊がありました。タイトルも著者名もわからず、おぼろげな記憶に残されたヒントは、表紙の白薔薇。ただそれだけ。きっと自分にとって大切な本であったはずなのに。
探り出そうというのがどだい無理な話だろうと、最近は思ったりもします。ありていに言うならば、雲をつかむようなもの。大海に溶けたひとしずくをすくいあげるようなもの。だってこの世に、いったい何冊の本が存在するというのでしょう。
「ふむ。君の探してるものではないようだね」
「そう、ですね」
けれど今は、見つからないことで焦燥にかられたり、思い出せない自分をみじめでちっぽけな存在だと卑屈に思うこともなくなりました。同じくらい、
大切なもの
が見つかりましたから。かばんの中へ手をさし入れ、そっと触れるとなめらかな表紙をなぞります。大切な人の、大切な言葉がしたためられた、大切なノートを。
「……ありがとうございます。これも読んでみるとですよ」
「そうかね。うん、それがいい。どれも読みごたえがあるよ」
店主の見立てはたしかです。きっとどっぷり、はまることができるでしょう。
コーヒーのおかわりを二回。すっかり耽読しました。
お店を出ると雪がちらほら。そういえば今夜はすこうし、積もるかもという予報でした。
「さむ……」
コートの前をあわせて、ぶるるっ。スーパーかコンビニで夕食でも買って、すぐに帰ることにします。
活字欲がすっかり満たされたかというと、いささか物足りなさもありましたけれど、でも大丈夫。『思ひ出』で持たされた紙袋には、何冊かの本が詰まっていますから。求めていたものとは違う、けれど興味深い白薔薇の表紙もなかにはありました。しばらくはタイクツせずに済みそうです。
「ふふ」
袋の重みになんだか笑みがこみあげ、帰路をゆく七瀬の足取りはぽうんと跳ねました。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
古書と思ひ出、時どき珈琲
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月02日
参加申し込みの期限
2023年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!