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【『ここじゃないどこか』へ】
キーボードを軽やかに鳴らす打鍵音も今日はひびかず。そんな日もありましょう。
月原 想花
はそうそうにノートパソコンをぱたむと閉じ、外へ出ることにしました。今日は日曜。さてどう過ごそうか、いまいち目的は曖昧ながらも猫鳴館の外へ。
寒風吹き抜けて、想花の髪を揺らします。手ぐしでささっと整えると、短くなった髪が指にふれ、あらためて実感します。われながらばっさりと、思い切ったものです。
おかっぱの自分。ベリーショートの自分。過去。今。風はつめたいけれどなんだか、足取りはぽいんと弾みます。思いのほか気に入っているらしいと気づいて、そんな自分にくすりと笑みました。
想花は読書を好みます。本は好きだし、物語にふれれば心も踊りました。『ここじゃないどこか』へつれていってくれるから……なんて、読書家に共通する気持ちをそう表現していたのはどこの誰だったか。ともかく本は想花にとって別世界へつながる扉であり、見たこともない風景を見せてくれる車窓であり、人生の機微や好悪や、大切なこと、全てを教えてくれる教師です。
パソコンで執筆している書きかけの小説も、そんな新しい世界へと連なる扉をひらこうとする想花の試みあるいは、次々と襲い来る苦境へのあがきであるのかもしれません。
古書喫茶『思ひ出』へ足を運んだのはひさしぶりのこと。いろいろあってしばし遠ざかっていましたけれど、どこを見ても本であふれるこのお店は想花にとって、きらきらときらめく宝物の山です。
「やあいらっしゃい。おや、髪を切ったんだね」
「あ、どうも……おひさしぶりです」
店主の
柏村 文也
のある種ドライな応対も気に入っています。彼は、ずいぶん思い切ったね、なにかあったの? なんて聞いてきたりはしません。代わりに、
「似合うよ。うん、すごくいい」
「そ、そうですか? ありがとうございます」
それでいて、客から持ちかけた相談には真摯に乗ってくれたり、時に軽口まじえて和ませてくれたり。
あまり掘り下げるつもりもない想花は席を定めて荷物を置くと、紅茶とサンドイッチを注文し、店内の膨大な蔵書へ向き合うことにします。
間をおいて訪れると、本たちの並びもずいぶんと入れ替わっていることに気づきます。いっぽうで変わらぬ面々も多くあり、なんだか、帰ってきたんだな。と妙な郷愁を覚えたりもします。
そんな懐かしき古株たちへの挨拶は次回へとっておくとして、今回は新顔たちにお目通りを願うこととしました。
(なんてね)
手に取ったのは、『首輪物語』。『旅のニャゴス』。毛色は違えどどちらも定番、著名な作品です。
「おまたせ。紅茶とサンドイッチだよ」
「あ、ありがとうございます。わ……あいかわらず、いい香りですね」
「うん、そうだろうとも。ごゆっくり」
店主の自信に満ちた物言いも、あいかわらず。
N.Y.N.ニャールキンの描いた壮大なファンタジー絵巻、首輪物語……なんて出だしで語るも野暮というくらい、言わずもがなの名作でありましょう。ずいぶん前ながら映画化もされて、大いに盛り上がりましたし。想花にとっても何度も手に取り読み返した、記憶のなかに燦然とかがやく名著です。
今日はさわりということで第一巻の、大冒険のはじまりを堪能することにします。
(なつかしいな……)
とおい昔、邪悪な魔王が作り上げた不思議な首輪をめぐる物語。ひょんなことからそれを身に着けることになったニャビット族の若者プロトは、偉大なる魔法使いワンダルフから首輪の正体と、故郷に迫りくる危機を知らされます。仲間たちとともに旅立つプロト。彼らに待ち受ける苦難と運命とは? 最初の数ページをめくっただけでももはや記憶のなかへ刻まれた彼らの足跡、名シーンが次々によみがえってきます。時代を経てなお変わらず、むしろその魅力を再確認することができる、色褪せない彩り豊かなストーリー、郷愁さそうなつかしさと親しみがありながらも巧みで飽きさせない筆致。こんなお話を書けたなら、と思ってやみません。
思い出したようにサンドイッチをぱくり。
(そうそう。こんな味だったな)
ハムと卵のオーソドックスな一品に、ほっこり。
続いて開いたのは旅のニャゴス、なにかとお騒がせな巨匠・綴井 増隆のSF連作短編で、こちらもまた印象深い一冊です。
物質文明の崩壊を機に、超能力を獲得し始めた人類が再び繁栄の兆しを見せ始めるなかで、ニャゴスは痩せた馬に乗り旅を続けます。山賊におそわれ、二度も奴隷の身に落ち、命の危険にさらされながらも探求の旅をとめないニャゴスがその終着点に見つけた真実とは?
(旅かあ……ぼくにはあまり縁がないな)
たしかにそう。けれどインドアな想花でも、本を通じて旅を感じることはできました。実体験に勝るものなし、たしかにそう。けれどそれに準ずる知識を得ることはできるし、想花のしたためる物語にだって色をそえてくれました。
もちろん旅に興味がないわけではないし、いつかは世界へ飛び出していったりすることも、あるかもしれないけれど……そう、おかっぱをばっさりと切り落としてベリーショートにするみたいに、思い切って。
(でもいまは、これでじゅうぶんかな。いまはまだ)
古書喫茶を出ると、あいもかわらず冷たい風。けれど紅茶と読書であたたまった胸はちょっとやそっとじゃ冷めません。
「……よしっ」
沸き上がるインスピレーション、創作意欲! やっぱり本は想花にとって新しい世界へつながる扉で、そこへ飛んでゆくための翼なのです。
思いつきを忘れないうちに小説の続きを執筆すべく、想花は猫鳴館へと駆けてゆきました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年12月02日
参加申し込みの期限
2023年12月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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