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鏨家の人々・その2
口火を切ったのは縫だった。
「そういえば、紫様と椒さんは幼馴染なんですよね」
「そうだよ縫。小鬼の頃は一緒に遊んだものだった。小鬼と言っても僕は普通の子どもの鬼、椒はそれはもう可愛らしい、親指ほどの鬼だったけれどね」
「紫殿は無邪気で、それゆえに容赦がなかった」
「そうだったかい?」
記憶にないなあと紫はうそぶく。
そのころのことは、縫は知らない。
「私は椒さんのことは、小鬼の盗賊、その頭領として振舞う姿……と、命水閃で酒浸しになってへべれけになところくらいしか未だに印象がないわけですが」
命水閃とは縫の能力で、指先から酒を出せる力のことである。
「縫も容赦がなかったな」
酒が進むにつれて少しずつ素が出てきた椒は、笑みを含んだ横目で縫を睨む。
そうする間に、紫は椒がこの屋敷に来たときのことを思い出してきたらしい。
「あれは――どのくらい前だったかな。そうだ、ずいぶん前のこと。あの頃、椒は、小鬼の盗賊の頭領だった」
紫は語った。
椒が身の丈10センチほどの小鬼たちを率いて、大鬼である自分のところへ盗みに入った日のことを。
「まあそれで、僕は椒をぱくっとね」
まんじゅうでも口に放り込むような仕草をした紫へ、椒は冗談めかして問う。
「盗人とて幼馴染、口へ放って噛むというのは手厳しくありませぬかな」
時を経た椒からの抗議に、紫はそれはそれは懐かしそうに、頬を緩めて笑む。
「そうは言うが、君は縫が僕の名を口に出すまですっかり覚えていなかっただろ? 幼馴染が悪事に手を染めた挙句に自分の事を覚えていないとくれば怒るさ」
「それについてはかたじけなく思っている。何分、すっかり大きく育って……あいや、元々小鬼からすれば鬼は子の時から何処も彼処も大きいわけだが。名を聞いて、髪色とその笑み方で漸く嘗ていつ其の無垢さで私を潰すかと肝を冷やしたかのお転婆と悟った次第さ」
「あのとき僕を思い出してくれてよかったよ。ま、独りで来たのなら追い立てて疲れきったところを潰したかもしれないが、潜んだ他の小鬼達が見ている中で怒りに任せて苛むのは面白くないからね。沸いてきた悪戯心のままに君の名に体を表さしめんと椒(はじかみ)の如く歯牙にかけてみせた、というのが真相さ」
「冗談めかして言ってくれるが、あのときは本気で、紫殿の口の中で命果てるかと思ったものだ」
椒が苦笑いするのを見て、紫は今まで語ったことのなかった当時の気持ちをあらわにする。
「それでも幼馴染と、彼女に少なからず縁のある同胞が深淵送りの片道便に乗りかかるのをただ見送る訳にはいかなかった。だから君が隠し通そうとした小鬼達共々盗人から足を洗ってくれたことを、未だに嬉しく思っているくらいだよ。今や屋敷の手入れは小鬼の皆がいないと立ち行かない……というのもだけど、それ以上に椒が戻って来てくれたのが、何よりも」
嬉しい、という言葉を、紫は酒とともに喉から胸の奥へ流し込む。
椒は、また手酌で済まそうとした紫を留めて、その盃に酒を注ぐと、あのときは言わなかった礼を言った。
「こちらとしても、あそこで拾われていなければ食い扶持など今もなかった」
きっと今もどこかで、小鬼たちと盗人家業を続けていたことだろう。
それでも日々の食い物に困って、どこかで野垂れ死んでいたかもしれない。
「紫殿が曲者の食い扶持を見出すのに長けているお陰だ。十分救われている。紫殿の緩さを維持する要の縫殿にも。今では、こうして皆で酒を嗜む時間が何より愛おしい」
少し照れくさそうに椒は、外の景色を見遣った。
くれない色の空に、うっすらと雲が流れている。
空の色が映ったのか、椒の白い頬もほんのりと朱に染まっていて。
昔話を楽しく聞いていた縫は、徐々に回ってきた酒精に、ほわほわと顔も気も弛めた。
「それにしても、紫様は思いの外妬いたり寂しがったりする性分なのかもしれませんね」
「そうかなあ」
意外そうに紫は目を瞠ってみせる。
ええ、ええ、と縫は頷いた。
「ふわふわしているようで、さっきのような気持ちの入り方で笑う時にはそんな気がします。元々、緩さの反面厳しい所は鬼の厳しさですから、どちらかは分かりませんねぇ♪」
「緩くて厳しい、か」
紫はひとつ、甘ったるくなった息を吐いて、とろんと落ちてきた瞼で縫と縫を見た。
「僕がそう居られるのは、君たちのおかげかもしれないね。いつまででもこうして、皆で一緒に居たい。それが僕の望みだよ、ねえ椒?」
「同感だ。身に余る程の良い思いをさせてもらっている。これからも永遠に、と願うほどに。縫殿もだろう?」
紫と椒に見つめられ、縫は切なさを仄かに覚えながら頷いた。
「私が先に生まれた分、木の下で誓ったとて果てる時は一緒とはいきません。ひとが幽霊になるのと違って後追いもできません。それまでで良ければ」
毎日ここで飲みましょう?
三人は盃を掲げあう。
誰が音頭を取ったわけでもないのに、同時に酒を呑みほして。
誓い合う。
果てるときは違っても、そのときまで可能な限り永くともに、と。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年10月23日
参加申し込みの期限
2023年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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