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怪人セブンの歌劇
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【カイエン・3】
時間は日中まで遡る。
場所は芽森邸付近。
吉祥寺 黒子
は昨日、
黒依 アリーセ
から「誕生日会の時に異様な自画像を発見した」と聞き、何か手掛かりになるかもしれないと考えた。
「俺はあの時、リビングでクッキー食ってたからな……。俺も見ておくべきだったぜ……」
何も知らなかったあの時、既に菜々緒の中には怪人セブンが侵食していたのだ。
「俺は……、あいつの事をちゃんと理解してなかった」
それを思うと、悔しさがこみ上げてくる。
「それに、俺がもれいび、だと……? けど、思い当たる節は、ある……」
彼女はこの春から、奇跡と呼ぶべき幸運と災難というべき不幸を交互に体験してきた。
そして、それらが起こる前には必ずかの吉祥寺は舌を出して『俺は幸運だ』と言葉を発していた。
「もしこれが遠因で両親の事故が起きたのなら……俺は……」
もれいびを恨む必要なんてなかったじゃないか。
因果応報。自業自得。
吉祥寺は奥歯を食いしばった。
「チクショウ! 俺は菜々緒の親友だ! あいつは、絶対助け出す! そのためには……」
芽森邸に備え付けられている防犯カメラを忌々しく睨む吉祥寺。
「なんとしても、その自画像ってやつを持ち出さねぇと」
「持ち出すって、何をダイ?」
突然、背後から声を掛けられて飛び退く吉祥寺。
声を掛けたのは、菜々緒のご近所の隣人である
セルゲイ・ボスコフ
だった。
「こんな雨の中、一体何をしているのかナ? ナナオはまだ帰っていないようだし、心配ダ……」
セルゲイは芽森邸の2階の窓(アトリエ)を見上げると、胸の間で十字を切った。
「主よ、聖ラザロよ、彼女をお守りクダサイ……」
祈りだすセルゲイに、吉祥寺は安堵しながら近寄ってきた。
「驚かせるなよ……。でもやっぱり『俺は幸運だ』な」
彼女は意識してキーワードを口にした。
思い浮かべたのは“芽森邸に楽に侵入、露見せずに有益な物が見つかる幸運”だ。
「実は、菜々緒のアトリエに用がある」
吉祥寺は隠し立てせずにセルゲイに話し始めた。
「あいつの自画像が、セブンの弱点かもしれねぇ。他にも何か手掛かりがあるはずだ」
「なるほどネ。実はボクも同じようなこと考えていたんダ」
破顔するセルゲイに彼女は顔色を良くする。
「だったら協力しねぇか? 俺1人じゃ監視網を突破できそうにねぇぜ」
「ヤー、大歓迎サ! ボク、ナナオの家の裏口を知ってるんダ。一度、家の掃除を手伝ってあげたことがあってネ、その時教えてもらったんダ。そこなら防犯カメラもないから早速行こうじゃないカ」
セルゲイの話に、吉祥寺は小さくガッツポーズ。
「やっぱりツイてるぜ! ……ま、若干割り切れねーけど」
「何か言ったカイ?」
訝しがるセルゲイに愛想笑いで吉祥寺は誤魔化した。
(……同じことを考えていた輩がいたとはな)
セルゲイは彼女を案内しつつ、心中で独白する。
(――あの日の教会、あの慈雨の中、お前を“嗅いだ”。あの場にナナオ、お前がいたのは確かだ)
セルゲイは
4月の雨の日
を思い返していた。
(――――彼女の誕生日でのナイフで確信した。刃物を逆手に持ちたがる癖は、近接戦に手馴れた者のそれだ。誕生日会の時、迂闊に接近していたら刹那に腹を抉られたかもしれない……。どこで覚えた? まぁ、今はそれよりも黒子をうまく利用することを考えねば……)
彼はセブンの正体が菜々緒だと噂で聞いている。
セルゲイの目的は唯一つ。
(――セブン、お前を絶望させるのは、この俺だ……)
セルゲイは吉祥寺に愛想いい笑顔を向ける。
「ガンバロウ。ナナオが無事に戻ってくるように力を貸してくレ」
(黒子は利用価値があるからな……)
セルゲイが握手を求める。
吉祥寺は、そんな彼の本心を知る由もなくその握手に応じるのだった。
結論から言えば……。
芽森邸は何者かが侵入した後で荒らされていた。
中庭の木々の影に隠れるように存在する裏口から出入りした痕跡があり、なんと家中の防犯システムは遮断されていた。
かなりの手練れの仕業といえよう。
「これはひっでぇな!」
開きっぱなしの裏口から荒れた室内を伺う吉祥寺が思わず憤慨する。
確かに露見せずに侵入できたが、荒らされたあとでは意味合いが違ってくる。
「そうだ、アトリエは無事なのかっ? 急がねぇと!」
土足のまま上がろうとする吉祥寺をセルゲイが巨体を活かして前を遮った。
「黒子! マッテ! 靴は脱ごウ! それに指紋は拭き取るべきダ! 警察が後から来たら、ボクらが泥棒だと疑われるじゃないカ!」
「実際、家探ししてモノ持ち出す手筈だったんだ。泥棒と変わりねぇよ」
セルゲイを押しのけ、靴を脱いた吉祥寺は一目散に階段へ向かっていく
「落ち着いテ! って……聞く耳ナシか」
やむなくセルゲイも家の中へ侵入することにした。
アトリエの絵の半数が切り裂かれていた。
菜々緒のお気に入りだと言っていた猫の絵も、黒依から聞いていたモノクロの自画像も、メッタ斬りにされていた。
だが、アトリエに踏み込んだ吉祥寺が目を奪われたのは、切り裂かれた絵画ではなかった。
「ぁ、あ……、ああ――!」
その場にへたり込む吉祥寺。
両方を抱き抱えてガタガタと奥歯を鳴らす。
「ドウシタ? 黒子? ――これハ!」
遅れてやってきたセルゲイも目を見開いた。
天井の梁に結び付けられた1本のロープ。
そこから真っ直ぐ垂れ下がる、恰幅のいい中年男性。
足元には椅子が転がっており、床は異臭のする液体の水溜りが出来ていた。
男性は白目を剥き、うっ血した顔面がその最期の時の壮絶さを物語っていた。
「メモリ……ハクザン……! ナナオのお父さんが、ナンデここに……?」
セルゲイは死臭に思わず顔を覆った(振りをした)。
彼は独自に菜々緒の正体を調査しており、白山の顔も写真で確認していたのだ。
「菜々緒の親父さん、だと……? う、嘘だろ!?」
吉祥寺が信じられないと言わんばかりに叫んだ。
「どういうことだよオイ!
菜々緒の家で、なんで白山が首吊って死んでんだよ!?
」
「黒子、警察を呼ぼウ。これ以上はボクらが関わるべきじゃないヨ」
しかし、セルゲイの忠告は吉祥寺に届かない。
「それはできねぇ……。まだやり残したことがある」
吉祥寺はアトリエの一角にある机の上の封筒を手に取った。
……白山の遺書のようだ。
「俺はここに侵入する際、『何か有益なものが見付かるように』と願ったんだ。今の俺には幸運しかやってこねぇ。今の俺なら何やっても幸運が味方してくれるぜ」
吉祥寺は遺書を勝手に開封し、中身を改め始めた。
私は取り返しの付かないことをしてしまった。
だが私はナナオに記憶を擦り替えられ、今の今まで忘れていたのだ。
記憶とは、人間の感情の根拠というべき要素。
使命感、カリスマ、そういった感情を呼び起こす原初の源には、イメージが付き纏う。
そのイメージこそが記憶。
記憶が擦り変われば、人の感情はいくらでも後から改変が可能だ。
上手く扱えば、ナナオの周りには崇拝者が群がるだろう。
ナナオは元来、叢雲が慈善活動の一環で運営している施設に拾われた子だった。
当時無名の画家だった私に、叢雲から資金援助の見返りにナナオの養育を依頼されたのはその頃からだった。
正直言って、私は子供が苦手だった。
だがカネが必要だった私は、その依頼を承諾した。
ナナオはしばらくしてから私の養子となり、一緒に暮らすようになった。
私は苦手なりに、父親として接しようと心掛けた。
……だが、教団はナナオを『壊す』ように命令してきた。
叢雲は寝子島で血を流すことで、神魂エネルギーに何らかの影響を与えようと実験している。
ナナオはその役目を担うための人材の1人として選ばれたのだ。
全ては叢雲に伝わる『黙示録』に従ってのことだという。
私は、後ろ盾を失うことを恐れて逆らう事が出来なかった。
彼女に宿った命を流して、彼女の心を引き裂いてしまった。
結果、私はナナオを壊し、怪物を生みだしてしまった。
テロ事件で娘が叢雲と接触したと聞いたときは肝を冷やした。
だが、武闘派の連中に娘の存在が知られていなかったのが不幸中の幸いであった。
私は後悔している。
怪物を生み出してしまったこと、自分の犯した罪で無関係な島民が巻き込まれることを。
しかし、私にはもう、どうすることもできない。
娘は既に失踪してしまった。
ここにやってきたのも、娘の中に宿る殺人鬼の手に掛かって幕引きをしたかったからだ。
だが、それも最早叶わないだろう。
この家に隠しておいた『黙示録』の1つは既に破棄した。
――あとは、私が命を断てば『黙示録』はほぼ機能しなくなる。
これで叢雲の計画である『ノア作戦』に一矢報いることができる。
最期に、娘に会って謝りたかった。
「心の弱い人間で、本当に申し訳なかった」と。
絵を教えたくらいでは、罪滅ぼしの足しにならないだろうから。
義理の父として、きちんと娘を愛してやれなかったことを、私は死んで詫びよう。
――さらばだ!
「叢雲、だと……? 親父さんは、何に関わっていたんだ……?」
吉祥寺はにじみ出る額の脂汗を拭う。
「黒子、なんて書かれていたのカナ?」
セルゲイが尋ねると、彼女は首を横に振ってみせる。
「……何も書かれていなかった。ったく、とんだ無駄足だったぜ!」
吉祥寺は遺書を懐にねじ込むと、アトリエを出て行ってしまった。
「……!」
セルゲイは吉祥寺を見送ると、匿名で警察に通報した。
(まぁ、いい。――罪人の戯言など、俺は興味ない)
セルゲイもまた、急いで芽森邸をあとにするのだった。
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推理・サスペンス
バトル
オールジャンル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月29日
参加申し込みの期限
2014年04月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年04月05日 11時00分
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