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AFTER THE RAIN
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校舎から出たところで空に手をかざし、真白は青い空と太陽を見つめた。
いい天気だ。ついに雨があがったのだ。
門柱も地面も水びたしだがもう傘はいらない。空には大きなアーチ橋状の虹がかかっているではないか。
一昨日、昨日はもちろん今朝まで雨つづきだったから、すがすがしいことこの上ない。
目を地に転じると七枷陣の背中が見えた。小走りして追いつく。
「一緒に帰ろうよ」
「あ、白さんか。そうしよう」
「晴れたね」
「晴れた」
このあたりまではごく通常の流れであろう。そして受験生である限り避けられない話題へと移る。
「七枷君は勉強、どんな感じ?」
ふたりとも木天蓼大学を受ける予定なのである。
「ぼちぼちかなあ、ここしばらくは勉強に比重をおいてきたから。木天蓼大の模試判定も前よりは一つ上昇したし」
「いいじゃない」
「白さんのほうは?」
「とりあえず順調かな。模試でも十分合格圏内だった」
合格可能性八十パーセントの特A判定だったのである。入試当日の体調不良にさえ気をつければ問題はなさそうだ。
「白さんは積み重ねがあるからなあ。僕はスパートかけてるけどつめこみ感あるから」
「それでも合格すれば一緒だよ」
「だね。トップ合格もビリ合格も合格という結果はおんなじ。本番で受かれば良かろうなのだァ! な心持ちかな」
「その意気その意気」
会話は快調だ。しかし空は晴れているのにここからしばし、真白の心はじっとりと曇ることになる。
明かされた内容を聞くや、陣の心にも黒い曇は伝わった。
しばらく深刻な話を交わしたのち、「ところで」と真白が話を切り替えた。
「七枷君この先、『クラン=G』のバイトはどうするの?」
「つづけられるのならつづけたい。明日はひさびさに出勤入れてもらった。クリスマスとお正月はビッグな商機だからね。受験であまり協力できない分、明日は出荷の管理業務をできるだけやろうと思ってる」
「進学してもバイト、つづけられたらいいよね……」
「うん」
語尾が濁っていく。種類こそちがえど、これまた深刻な話なのだ。
ホビーショップ『クラン=G』には現在、米国の大手ゲームメーカーから高額の買収話が来ている。ただ、看板がなくなることはなさそうだ。オーナーの
三佐倉 杏平
は、たとえ売るとしても『クラン=G』ブランドは維持の方向で買い手と話をしているという。
もちろん売らなければそのままだ。杏平も、看板娘こと店長代理
三佐倉 千絵
も店に残る。
だが売却となれば父娘は資金を得てドイツに引っ越す。店には本国から店長が送り込まれることだろう。そうなったとき、バイトの陣の去就は未定だ。
「もう年末だけど千絵ちゃんは……まだ、売却するかどうか決めてないんだろうなあ」
真白はため息をついた。
年内には売るかどうか判断したいと杏平はゲームメーカーに伝えてあるという。そしてドイツ移住の夢をもつ千絵に、「決定を下してくれ」と権限を委ねているのだ。こんなヘビーな責任を簡単に娘に丸投げするというあたりが杏平らしい。まあ、彼は天才だから仕方がないと、陣も真白もなかば諦めの境地で理解している。
杏平はどこに住もうとやっていける自由人だ。日本に残ってもドイツに行ってもてんで平気だろう。だがドイツでボードゲームデザイナーの勉強をしたいという千絵にとっては、千載一遇のチャンスを得るかどうかの瀬戸際である。けれどもちろん、ドイツへの移住は千絵にとって、これまでの友人関係すべてを失うことを意味する。
千絵が悩むのも真白には理解できる。真情を吐露して千絵が泣きじゃくった
あの九月の夜
は、まだ記憶に新しい。
でもタイムリミットは迫っている。それは事実だ。
陣はうなずいた。
「明日出勤して聞いとくよ」
「七枷君はどう思ってるの?」
「それは」
言いよどんでしまう。
「踏み込んだ話していい? 千絵ちゃんはきっと、七枷君が引き留めたら『クラン=G』を売らずに日本に残るほうを選ぶと思う」
「そうかな」
すでに千絵に、『行ってほしくはない』と告げた
事実
を陣は伏せておくことにした。けれどそれを見透かしたように真白は言う。
「もちろんただ引き留めるんじゃなくて、千絵ちゃんの人生、半分引き受ける覚悟が七枷君にあるんならまちがいないんだけどなあ」
「それって重くない!?」
「だって千絵ちゃんって、七枷君のこと好きでしょ。気づいてるよね?」
「まあ……薄々は……」
さすがに気づかないふりもそろそろ難しい。アンドロイドみたいに冷たいじゃりン子だった千絵が、いまやすっかり血の通った少女である。もともと大人びていた千絵だけに、恋に恋するなんてイージーな段階を飛び越して、ガチの将来として陣を見ている様子だった。
「『ゲームデザイナーになる、って夢、日本でがんばればいいじゃないか。僕がパートナーになるよ!』って言い切れば一発だよ」
「それ本当に重いんですけどっ」
ほとんどプロポーズではないか。
「ごめんごめんわかってるよ。百パーセントがあるとすればこれかな、って思っただけで……。それにこればっかりは、七枷君の気持ちがあるかどうかだしね」
「うん、話が巨大すぎて手に余るで、ホンマに。現時点のコメントはちょっと控えさせて」
道が分かれたところで「じゃあ」「バイバイ」と陣は真白と別れた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年07月28日
参加申し込みの期限
2023年08月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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