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「やぁ、みんな……ねむるさんだよー」
間延びした口調を、欠伸交じりで。
手をフリフリ、
日暮 ねむる
は普段よりワイワイと賑やかな施設の様子に、目を細める。
たまにボランティアという名目で、遊びに来ている ねむるである。
「賑やかだねー、みんな、楽しんでる?」
うん、と元気に答える子供達。すでに広間には、いくつかのグループが出来ていた。
「じゃじゃーん……! 僕も今日は “野球盤” 持ってきちゃった。誰か一緒に遊ぼうよ」
ねむるが持参したのは、実家の押入れで発見した、野球盤。
大人にはレトロで懐かしい品物だが、子供達には始めてみる新鮮な玩具。
久しぶりに、遊んで欲しいな~なんて、無邪気な下心もちょっぴり含まれた ねむるの声に、物珍しそうに集まってきたのは、男の子達。
簡単にルールを説明してやれば、僕やりたいとの声。
「お、早速挑戦者かな? ねむるさん、こう見えて強いからね。それじゃいくよー……ぷれいぼーる!」
「む~、負けないよ~」
だが、プレイボールからしばらく。
強いはずの ねむるさんは、9回表2アウト満塁。9-0の大ピンチに追い込まれていた。
「ねむる君、よっわ~」
クスクス笑う男の子達。
「あ、あれ? おかしいな……こんなはずじゃなかったんだけど」
これではボロ負けで、いいとこなしで終わってしまう。
(ま、まずい……これはまずいね)
くしゃくしゃと髪をかき回しながら、ねむるは起死回生の策を練る。
(かくなる上は仕方ない、この手だけは使いたくなかったけど……)
顔を上げた ねむるは、対戦相手である子供の背後に向けて、手を振った。
「あ、おじいさん。おーい……!」
「え? お爺ちゃん、帰ってきたの?」
子供達は施設の代表者である、好々爺が戻ってきたのだろうと、騙されて振り返る。
――今だ!
ねむるの眠そうな瞳に、怪しい光が灯り。
ねむるのチームのピッチャーが、キャッチャーミットに向けて、銀色の球を放った。
「あー!」
「ずるいよ、ねむる君!」
「うふふ……ごめんね。勝負の世界って、厳しいものだからさ」
ここから逆転~♪ と、腕をまくった ねむるだったが。
「……子供相手に、何をムキになってるんですか」
神無月 綾
の絶対零度のお言葉が、ねむるの胸をえぐる。
「汚いオトナだにゃ~、皆、こうなっちゃダメだにゃ」
さらに
青物 といき
の、哀れむような視線が投げかけられた。
「え、いや……これも社会勉強だよ、ね……?」
同意を求める、ねむる。
だが言い終わらないうちに、元気な男の子達にいっせいに飛び掛られて、沈められた。
そのままマウントポジションから、もみくちゃの、けちょんけちょんに。
ちょっとコミカルな姿に、周囲から失笑が漏れる。
「わ、待って……僕が悪かったから、降参、こうさ~ん! 皆、笑ってないで、たすけてー」
「知りません。不正なんて働くから、そうなるのです」
つんと澄ました綾だったが、寄ってきた鈎針を手にした女の子に、教えを乞われて表情を緩めた。
綾は女の子達に、コースターの作り方を教えていた。
分かりやすいよう、図案も用意して。
もとより几帳面な綾だ、基本である こま編みから丁寧に。
「心配いりません。慣れてしまえば考え事をしていても、指が勝手に動くものですから。
まずは基礎から、しっかり覚えていきましょう。
技術が上達すれば、デザインも好みのものが出来るようになって、楽しくなりますよ」
「おねえさん、何だかこれ、平らにならないんだけど……大丈夫かな」
別の女の子が、綾に作りかけのコースターを掲げて見せた。
何だか、ギチギチに硬くて、波打ってしまっている。
編み物初心者らしい、微笑ましい失敗。
「ああ、少し力を入れすぎてしまいましたね。
せっかく編んだのに勿体無い気もしますが、一度解いて最初からやり直しましょう。
今度は肩の力を抜いて、同じ力加減で編んでみてください。綺麗に、まっすぐになりますよ」
解くという言葉に、女の子は少しガッカリした顔をしたが、綾の励ましに気を取り直して作品を解き始める。
「おもしろーい、私にもやらせてー!」
小さい子が毛糸の解けていく様に、面白がって手を伸ばす。
「いいよ、はい」
「わあ、ありがとう!」
きゃっきゃと楽しそうな様子に、自然と笑顔を浮かべ。綾は周囲を見渡した。
「髪の長い子は、自分の髪を編み込まないでくださいね」
後木 真央
を伴ってやって来た、
八神 修
も子供達に編みぐるみを教えていた。
こちらはコースターに比べると、難しい部類だ。
分かっているから、見本や図鑑を用意して子供達が理解し易いよう、最大限の工夫を凝らした。
「そう、そこで目を増やして立体を造るんだ。うまいぞ」
横に並んで教えるのは、中学生くらいの少女達。
子供扱い出来ない、難しい年頃だ。失礼にならないよう気を遣いながら、静かに根気よく教えていく様に、真央も興味津々で見つめている。
「修ちゃん、凄く紳士なのだ」
「……後木、あんまり見られていると、やりづらいんだが」
「ごめんなのだ♪」
「後木。良かったら、小さい子がボタンや接着剤の類を誤飲しないよう、見てやってくれないか?」
「わかったのだ、真央ちゃんに任せるのだ」
真央が高い高いして遊んでやっていれば、広間に漂うのは香ばしいソースの香り。
お皿やお箸を人数分並べ終わった、
李 小麗
が皆を呼ぶ声が高らかに響く。
「お腹減ってないか? 満月がお好み焼き焼いてくれたから、こっち来て皆で食べるのだ♪」
「お待ちどお様! いっぺんに枚数焼けないから、喧嘩しないで出来たのから、切り分けて食べな!
チビ達は火傷しないように、よ~くフーフーして食べるんだよ。
ボランティアの人も、遠慮はいらないよ! じゃんじゃん焼くから、がんがん食べとくれ!」
宇佐見 満月
が声を張り上げ、歓声が上がる。
育ち盛りの子供達は、食欲も旺盛だ。
自分が作ったものを、夢中で頬張る姿に満月は誇らしげに胸をそらす。
満月にとっては、お好み焼きは両親との思い出の味。
こうしていると、亡き両親とどこかで繋がっているような、そんな気がする。
「慌てず、よく噛んでお食べ」
「はい、あ~んしてね」
北原 みゆき
は箸を上手に使えない幼女に、ふーふーしたお好み焼きを一口大にして、口に運ぶ。
「どう? 美味しい?」
「うん!」
満面の笑みに、みゆきも顔がほころぶ。
「おねえちゃんも、一緒に食べよう?」
幼子の思わぬ申し出に、みゆきは驚いてその子を見つめた。
まだ他人の事を気遣える年齢では、ないと思ったから。
自分と似た境遇の子が、共に暮らす環境に居るからなのだろうか?
一寸言葉に詰まった みゆきに、その子が小首を傾げて。
「うん、一緒に食べよ。いっぱい食べて、大きくなろうねぇ」
その子の髪を優しく撫でる、みゆきが浮かべたのは泣き笑い。
“楽しい” を、いっぱい集めて、一緒に生きて行こう。
生まれてきて、本当に良かったと思えるように。
「ねぇ、お絵かきは好き?」
口の端についたソースを、拭ってやりながら、みゆきが問う。
「うん、好きー!」
「良かった。じゃあ、あとでここのお爺ちゃんの似顔絵を、一緒に描こうねぇ」
「お爺ちゃんの?」
「ん、きっと喜んでもらえるよぅ」
みゆきの提案に、子供が頷く。
「うん、頑張る!」
喜んでもらいたいから。
皆がお好み焼きを食べる中、綾は一人で離れた場所に居た。
「おや、あの子……」
満月は以前、綾と
会った事
があった。ダイエットをしている風でもないし、身なりもきちんとしているのに、何故か水で空腹を紛らわせていた彼女は印象が強く、満月はその後を気にしていたのだ。
綾に歩み寄った満月は、人好きのする笑顔を見せた。
「あんた、きっちり食べてるかい?
おいで、お好み焼きあるから食べなよ。育ち盛りは食べなきゃ、身体に悪いよ」
「……! 貴女は、古本市の時の……いらしてたんですか?」
「ああ、あんたも来てたんだね。また会えて、嬉しいよ」
嬉しい? 満月の言葉を、綾は意外に思ったが、口には出さなかった。
「せっかくですが……私は、見返りが欲しくてやっているわけではありませんから」
満月は呆気にとられた。
「見返りって、そんな大げさなもんじゃないさね。
皆だって、同じだよ。人ってのは、持ちつ持たれつ、助け合って生きてんだ。
袖触れ合うも他生の縁って言うけどさ、同じ島に住んでるなら、尚更だよ。
これからしょっちゅう顔つき合わせるのに、こんな所で遠慮なんていらないよ」
「でも……私は今日、貴女に返せるものがありませんから」
かたくななまでに純粋な、綾の言葉。
けれどそれは格好はともかく、満月の好意を拒絶するもので……満月は少し肩を落とした。
「そうかい……分かった。邪魔してごめんよ、あたしも強要するつもりはないんだ。
ただ、覚えておいておくれ。自分の身体に溶け込んだ命の分、自分は大切なんさね。
後で、ちゃんと食べるんだよ? 身体は大事におし。女の身体は繊細だよ、無理は禁物だからね?」
満月は、くるりと背を向ける。
「気が変わったらおいで、待ってるからさ」
親指を立てて見せ、去ってゆく満月の背中を綾は何ともいえない気分で見送った。
(あの人は、なぜ私に優しくするのだろう……?)
聞いてみたい気がするが、ひどく無粋なんじゃないかという気もして。
それは適わなかった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年11月19日
参加申し込みの期限
2013年11月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年11月26日 11時00分
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