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仲良くなりたい、その11
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毎朝きちんと登校して、決まった時間の授業を受けて帰宅する――という、単純明快な学生生活だったからこそ、高校時代の
初瀬川 理緒
はモデル業と二足のわらじを履いていても、さしてスケジュールに困らなかった。
授業が終わった後のスタジオ撮影、休日を利用したロケ。次第に忙しくなれば、体育祭や文化祭などの準備期間は早退することも増えたけれど、連日真っ昼間に学生を呼びつけるような、悪い事務所ではなかったからだ。
それは、売りの1つであった『現役女子高生』という肩書きが、必要とされていたのもあるだろう。
維持するためには、当然テストで赤点ばかり取るわけにはいかないし、出席日数だって必要だ。中退や留年とならないように、かつ補習でロケの予定を狂わせないように。事務所や撮影スタッフの大人たちが、最低限の声かけをして協力してくれたおかげもあって、理緒は目先の予定をこなすことに専念できた。
……まあ、出席日数と成績のどちらが危うかったかはさておいて、数字の取れる肩書きと企画だからという理由以上に現場に恵まれ、勉強と仕事を両立させるコツがわかってきたのも事実だ。
そうして春から大学生となって初めての冬を迎えた今も、理緒は二足のわらじを履き続けている。18歳も過ぎれば、もう大人の仲間入りだ。『2度と学業を蔑ろにして同じ轍を踏むまい』と心に誓って、スケジュール管理をしっかり行っているおかげで、単位が落ちる心配はない。今のところは。
(……課題の提出日、間違えてないよね?)
授業も仕事もない休日の朝。ふとそんな不安が過った理緒は、ガタリと立ち上がる。
「どうしたの?」
食後の飲み物を淹れてきてくれた
佐和崎 紗月
が、驚いた様相でこちらを見ていた。こんなとき、高校時代であれば紗月に聞くのだけれど、生憎と大学では全て同じ授業を選択しているわけではない。
「ちょっと気になったことが……って、紗月は今日何限からだっけ?」
「さっき変更の連絡が来て、今日は1日お休みになったの」
一緒に暮らす上で、食事が取れるかや帰宅の時間は知らせるようにはしているが、大学では講師の都合で時間の変更や休講が行われることも、ままある。その上、理緒と同じくモデル業を始めた紗月はソロでの仕事も順調に増やし始め、事細かに互いの予定を把握するのは限度があった。
だから、紗月の休みを知らなかったことは致し方ないのだが、それでも恋人と過ごせる時間があると知って、何もしないなんて選択肢は理緒の中にない。
もっと早くわかっていれば、事前にデートプランをたてておいたのに。こうも突然であっては何をしようか。
(息抜きに遊べるところ……それともボディメンテ?)
冬は気を抜くと食べ過ぎてしまうから、一緒にジムもいい。いや、温泉でデトックスをすれば代謝も肌のコンディションも上がるし、今の時期にぴったりだろうか。ならば、温泉街のほうまでウォーキングも悪くない。
「あたしも今日休みだし、どこか一緒に出かけようよ」
今日の予定を素早く考える理緒は、直前まで心配していた課題のことなど、すっかり頭から抜け落ちてしまっているようだ。
いくら提出日を誤解していようとも、明日なんてことはないだろうから1日くらい取り返しがつくという余裕もひとつ。それから、できるだけ紗月を甘えさせたいのもひとつ。
ハロウィンで騒ぎになって
からというもの、2人は互いにも周囲にも遠慮がなくなった。
親友の立ち位置で中途半端に誤魔化してきたけれど、今ならデートがしたいと言える。
手を繋いで歩くことだって、目立つデートスポットに行くことだってできる。
もちろん、世の中から偏見がなくなったわけじゃないから、怪訝な目で見られることもあるだろうけれど……
心ない言葉
が飛んできたって、理緒は紗月を迷い無く守れるし、紗月もまた理緒と一緒だから、怖くなかった。
「じゃあ……エノコロ岬のほうまでウォーキングに行かない?」
控えめな紗月はデートとは言わなかったけれど、エノコロ岬と言えば寝子島のデートスポットだ。
もう秋の花も散り、物寂しい様相をしているかもしれないが、別名恋人たちの丘と呼ばれるそこへのお誘い。
キャットロードの裏手にある自宅からだと、そこそこな距離になるからウォーキングにも申し分ないし、デートもボディメンテも両方できるだなんて、お得すぎる目的地だ。
「決まり!」
少し近所を歩くだけ。それでも、理緒は満面の笑みで返してくれる。
恋人の時間は、甘ったるく過ごすだけではないのだなと、紗月は小さく笑みを零した。
そんな幸せそうな2人を、じぃっと盗み見るものがいた。
魅惑のまんまる白いボディに、愛嬌たっぷりな黒ブチの猫。この見た目に油断を見せれば、人間も猫も関係なく『鍵しっぽ砲』の餌食となってしまうことだろう。
猫に人気の雑誌『週刊かぎしっぽ』で活躍している、敏腕記者
ねこ ねこ
。
それはもう『スクープあるところにこの猫あり』なんて呼ばれるほど著名な彼が、特ダネを目の前に大人しくしているわけがない。これはまさしく、獲物を見付けた顔だ。
(本人談)
(ふっふっふ。どうやら2人は、これからお散歩のようにゃ)
キラリと目を光らせて、リビングが見える位置から玄関が見える通りへと移動した。
マンションから出てきてもすぐさま追いかけられるように、茂みに身を……隠すのはちょっと寒いので、やっぱり向かいの家の屋根に登ることにする。
(女の子の身支度は時間がかかるものにゃ。紳士な吾輩は、ゆっくり待つことにして……)
風が止めば、じんわりぽかぽか温かい日差しに、ついうとうと。
ねこは取材も忘れて、暫し日向ぼっこを満喫してしまうのであった。
そんな珍客がいたことなど露知らず。理緒と紗月は、準備を済ませてウォーキングに出発した。
まず2人が目指したのは、寝子ヶ浜海岸。フォームを意識して歩けば、到着する頃には身体もすっかり温まって、海風が心地よい。けれど、このまま海岸沿いに丘を登っていくとなると、途中で少しウェアを調節したほうが良いだろうか。
軽くストレッチをしながら身体をほぐし、少し休憩を挟もうと適当な場所に腰掛けてみる。
夏とは違って、海岸には賑わう人影も無い。12月な上に平日の昼間だ。わざわざ冷たい海風を浴びて、物寂しく見える海を見に来ようとする人もいないだろう。
街道を走る車や遮断機の音が、人の気配を伝えている。なのに、そのどれもが遠いもののように聞こえてくる気がするのだから、不思議だ。
「色々、あったね」
他愛ない話をしていたはずなのに、海を眺めると会話が途切れてしまって、紗月はぽつりと呟いた。
暫し揺らめく水面に魅入っていた理緒も、その言葉に怒濤の流れをゆっくりと振り返った。
「色々過ぎるくらいにね!」
しんみりしてしまう空気を追い払うように笑うから、紗月も釣られるようにして笑ってみせる。
ひと月以上が経っても、ハロウィンでの一件は良い意味でも悪い意味でも紗月の中で印象深く残っていた。
人目を憚らず告白をしたこと。
それ自体は理緒に受け入れられたけれど、大衆にはすぐに受け入れられなかった人も多くいた。
心ない言葉が飛び交い、傷つく羽目になって……応援してくれる人もいたけれど、表向きには優しい言葉をかけておいて、本人の居ないところでは嘲る人だっていて。
何を信じれば良いのかわからない、そんな弱い自分でも理緒は傍に居てくれた。
(やっぱり、理緒ちゃんは太陽みたい)
その明るさなしには、どちらへ向かって歩めばいいのかも、自分を輝かす方法も見えてこない。不安を払拭し勇気をくれる存在と言っても過言ではない理緒には、感謝したってしたりない。
恋愛面だけでなく、仕事面だってそうだ。
普段はグラビアの紙面を飾るのに、
ファッションショー
にも出た。モデルの仕事といっても多様性があるのは知っていたけれど、自分にもその可能性を感じることができるような瞬間だった。
遡ればきっと、何もなかったときはない。理緒といれば心が震える。いつだって特別な時間をくれる人が、今も隣に居てくれている。
この幸せを、どう言葉にすればいいのだろう。嬉しいとただひとこと伝えるのも胸が一杯になってつかえてしまうから、泣きながら手紙をしたためたことすらあった。
少し白んだ海の色が柔らかくて、冬の景色だと伝えるのに心がぽかぽかする。
(なんだか、心どころか足元も温かい……?)
いくらウォーキングをしてきたといえども、風の遮る物の無いこの場所で暖をとれるわけがない。紗月は不思議に思って足元に目を向けると、白黒のブチ猫が足元で丸くなっていた。
「あれ、この子……」
猫の多い寝子島で、記憶に残るほどよく見かける猫だ。
初めて見かけたのは
お三夜
だとは思うが、なぜかこの猫は紗月に懐いていた。けれど、理緒が撫でようとするとふいっと気まぐれに歩き出して避けてしまうのだ。
「一緒に宴会した仲なのにぃ!」
それも、翌日二日酔いになるほどいい飲みっぷりを披露したではないか。
にも関わらず、理緒には素っ気ない気がする。猫を撫でる紗月の表情に免じて言及はしないが、少しばかりは愛想を振りまいてくれてもいいのではないだろうか。
気を取り直し、紗月が頭を撫でるなら顎下を……と手を伸ばしてみるが、猫はもっと撫でろと言わんばかりに紗月の手のひらへ頭をこすりつけ、理緒の手をかわす。
「にゃあ~」
「ねこちゃん、理緒ちゃんにも撫でさせてあげてくれる?」
人慣れした猫は、撫でられることを嫌わない。
よほど目を爛々と輝かせていたり、雑に撫でる人は苦手意識を持つこともあれど、記者であるねこは猫であることを最大限に活かすタイプだ。
人間には怪しまれずに近づいて、ここぞという瞬間を記事へとすっぱ抜く。時折それは、猫の視点と常識へと改変されるから、人間から見た時には首を傾げることもあるらしいが、商売相手は猫なので、それは大きな問題では無い。
スクープのためなら子猫のように猫じゃらしに飛びつくし、ご飯が軟らかくなくてカリカリでも文句は言わない。そうした小さなことを気にしていては、記者など務まらないし野良では生きていけないからだ。
だから特別、理緒を避ける理由はない。ないのだけれど。
(むずかしいにゃあ)
理緒の足元に擦り寄って、色々と聞きたいことを整理する。
人から見ればどうかはわからないが、猫から見て紗月と理緒は番いのような雰囲気が、ずっと気に掛かっていた。
もちろん、紗月の笑顔が増えることには文句が無い。メス同士で仲睦まじい様子も、一部界隈に需要があるため週刊誌だって売れるし、それはこの際どうだってよくて。
「ねこちゃんも一緒に行く?」
気付けば2人は立ち上がって、エノコロ岬に行くんだよと笑っていた。
お花見でも無い時期の、ピクニックにも寒い今。薄々、そうじゃないかな~と思っていたし、だろうなぁと諦めたつもりではいたのだけれど。
「恋人たちの丘って呼ばれてるんだよ」
はにかむように笑う紗月の笑顔に、ときめきと切なさがねこを襲う。
満点の可愛さと、理緒が恋人であるという事実を改めて突きつけられて、自慢のかぎ尻尾がピンッと伸びるんじゃないかと思ったほどだ。
すすすっと紗月の足元に擦り寄り、着いていくという意思表示を見せる。
(まあね、知っていますにゃ。アイドルとは恋愛できないってやつですにゃ!)
なんたって猫ですし。
その膝の上に乗ってゴロゴロすることは出来ても、ひとさまと恋愛をするのは、ちょっと無理があるなってわかってましたとも。
これは所謂、推しの結婚発表に動揺するのと同じで、本気で番いになろうという気があったわけではなく、今まで擬似的に見せて頂いてた笑顔が遠く感じるというか。
(あれ、結局それって、恋……?)
「にゃ……」
「大丈夫だよ、置いていかないからゆっくり歩こう?」
しょんもりと項垂れる様子に、紗月はくすくすと笑う。まさか、ねこに好意を寄せられているとは思うまい。
身体が冷え切る前にとウォーキングを再開させた2人は、1匹を連れて丘の上を目指した。
清らかな鐘の音が響く。
いつもは間を置かずに様々な音色を鳴らす鐘も、今は2人だけのものだ。
ただの験担ぎであろうと、改めて2人の将来を誓い合うのにこれほど似合いの場所は無い。
「……これからも、ずっと紗月と一緒にいられますように」
もう少し格好良い台詞回しも考えたけれど、それもそれで芝居くさくなってしまう。
であれば、シンプルに思ったまま誓うほうがらしいと思った。
「私も、理緒ちゃんと一緒に……いられる勇気が、消えませんように」
小さく呟いて、理緒の頬に軽く口づけた。
何が起きたって離れないと思っている紗月には、理緒と一緒にいることは誰に願うことでもない当たり前だ。
でも、それを諦めてしまうときがあるのなら……自信をなくしてしまったとき。
こんなときでも気弱に考えてしまう自分が嫌になる。
「紗月」
俯きかけた紗月を呼ぶ声は、力強かった。
無理に肩を掴まれたでも、手を引き上げられたでも無い。ただ名を呼んだだけの声が、顔を上げさせる。
「そうやって、あたしを見ていて。勇気なんて、いくらでも湧いてくるでしょ?」
眩しい笑顔に目を細め、そのまま瞳を伏せた。
人目はないけれど、唇を重ねるのはほんの数秒だけにする。
(猫ちゃんも見ていることだしね?)
足元でねこが赤面したような気がして、理緒は悪戯に微笑んだ。
家に帰る頃には、ちょうど昼時だった。
帰りがけに猫用の食べ物を買ってお別れしようかと思っていたけれど、ねこはマンションへとついてきた。
「来るのはいいけど、足だけは拭いてよ?」
「でも、野良猫だし……シャワー浴びさせてあげたほうがいいのかな」
冬場とはいえ、2時間も歩けば自分たちも汗をかいている。ならまとめて入ってしまおうかと企む理緒の目を逃れるように、紗月は買い物袋を片付けてくるとリビングへ行ってしまった。
玄関に残された理緒は、大人しく待てをしているねこの隣へしゃがみ込み、コソコソと打ち合わせた。
「……ねこちゃん。紗月とお風呂、入りたいよね?」
(おふろ!? わ、吾輩は紳士ですにゃ、そんな破廉恥な願望にゃんて……)
「シャンプーで全身マッサージ、ドライヤーでふかふかになったら、撫で撫でも捗るだろうなぁ……」
そして極めつけは、帰りがけに買ったおやつ。
ねこにとって、至れり尽くせりな夢のような時間が約束されていた。
「あたしと一緒に、紗月をお風呂に誘ってくれる?」
「にゃっ!」
こうして、理緒とねこがタッグを組んで『お願い』と甘えてきたことで、イチャイチャと楽しい時間を、のぼせるまで過ごすのだった。
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シナリオガイド公開日
2023年06月05日
参加申し込みの期限
2023年06月12日 11時00分
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2023年06月12日 11時00分
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