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光陰矢のごとし。
ハロウィン☆デイズ最終日、仮装コンテストからまたたく間に一ヶ月近くがすぎた。
つまり、仮装コンテストのスペシャルゲストとして呼ばれた
初瀬川 理緒
と
佐和崎 紗月
がステージ上にて、突然の恋人宣言をしてから一ヶ月近くが経過したということになる。
もちろんふたりの宣言は報道されSNS上でも大騒ぎとなった。
『え? ドッキリ?』
『エイプリルフールは半年先だぞ』
といった素朴に嘘だと思う勢が当初は多かった。ジョークだと強固に信じる意見も見られたものだ。
だがやがてふたりの所属事務所が公式発表を行い、これが知れ渡ると怒り出す声が増えはじめた。宗教にからめて発狂する手合いは日本ゆえ少数(とはいえ無視できない程度にはあった)にとどまったが、
『裏切られた!』
『ファン辞めさせてもらいます!』
といった程度ならまだ可愛いほうで、思わず目を背けたくなるような罵詈雑言でののしるもの、理緒の写真集をビリビリに引き裂いた写真をアップするもの、ふたりのグラビア掲載誌を燃やす動画を公開したりするものなど過激な意見が大量に出回るようになった。
それが一通り出きったところで、つぎに登場したのは本件を理緒と紗月だけの話にとどめたくない連中である。
『なんで表に出てきたんだ黙ってろ』
『少子高齢化はお前らのせいだ』
『同性愛者は日本を滅ぼす!』
などとふたりがまるで社会問題であるかのように非難する声の数々だ。理緒と紗月の声明は同性愛者増大の原因になると熱弁をふるうもの、紗月を隣国のスパイ呼ばわりするもの、理緒の国籍を公開せよとわめくもの(公開も何も日本なのだが)など、書いている本人は大真面目かもしれないが、陰謀論でしかない悪辣な投稿が目立つようになったのだった。
だがそんなものよりもっとずっと圧倒的に多かったのは、理緒と紗月の決断を支持する声だ。
『ますます好きになりました』
『なにがあっても応援します!』
『暴言に負けるな! 写真集買うよ!』
『報道のおかげでおふたりのことを知りファンになりました』
『私も同性愛者です。勇気をもらいました』
といった暖かいコメントは暴論の何十倍もあった。嬉しかったのは支持が性別・セクシャリティ・年齢などを問わず集まってきたことだろうか。自殺を思いとどまったという少年からの投稿もあり、涙が出るほど嬉しかった。
沖縄ロケで撮影した撮り下ろし写真集『ふたり旅』についても、理緒は発売中止を覚悟していたのだがまったくの逆で、この騒動を奇貨として予約は激増、発売前の時点で重版が決まったのだった。雑誌やネットメディアからの取材申し込みも集まり、グラビアアイドルとしての仕事はむしろ増えたのである。
グラドル仲間や撮影スタッフからの声も好意的なものばかりだった。
あたしと紗月が恋人同士だって気づいていた人、けっこういたらしいよね。
たとえば『ふたり旅』フォトグラファーの
片庭 椎子
(かたば・しいこ)にしたって、「薄々わかってたよ」とあっさりと明かしてくれた。
「黙ってたのは邪魔したくなかったから。理緒ちゃんたちの恋ならいつまでも見ていたいって気がするじゃない」
とは椎子の言である。
それに悪意をぶつけたいだけの人間は、対象はなんでもいいのがほとんどだ。
まもなく、回転寿司屋でネタに消毒液をかけるなどのイタズラをして喜ぶ動画投稿が報道されると、無闇に騒ぎたいだけの声はどっとそちらに流れた。理緒と紗月に汚い言葉を浴びせていた輩(やから)の大多数は、そのままの口調で攻撃目標だけ変更したのである。いずれこの藁人形にも飽き、彼らは別のターゲットを探すことだろう。
それでも、
「まだこんなこと書いてるやつがいる。正直、しんどい」
理緒はスマートフォンを操作しながら、いつまでも自分と紗月を批判する投稿にいらだちを募らせていた。目が血走っている。
直接コメントをしてきた相手ではない。そういうのは即ブロックするか通報するので問題はないのだ。わざわざ自分と紗月の名前を検索して、デマや誹謗中傷をふりまいているアカウントを発見し腹を立てているのである。エゴサーチ、略してエゴサと呼ばれる行動だった。一時期よりはずいぶん減ったが、それでも根気強く悪口を吐き続ける人間はいるものだ。好意的なコメント五つになごんでも、悪意のコメントひとつがあれば台無しだ。
すべての人に受け入れられるなんて思ってなかったけど、それにしてもこんな汚い言葉、酷すぎるよ。
「理緒ちゃん、もうやめない? きりがないよ」
となりの紗月が、心配そうに理緒の腕に手を置いた。
「わかってる」理緒は首を振った。「わかってるんだけど、やめられないんだよ」
もう嫌と叫びたくなっていた。泣きそうである。なのにやめられない。エゴサして大量のコメントを掘る。掘りつづける。理緒を『里緒』、紗月を『五月』と誤変換している投稿も少なくなかったから、毎回誤字の検索もする。そのたびひどいコメントに直面する、そしてますますいらだつの繰り返しだ。そんなことをしているうちに、世間には敵しかないのではないかと疑いたくもなってくる。
紗月は理緒がおちいっている無間地獄のような状態を理緒以上に理解していた。だが声を荒げたりスマホを無理に取り上げるようなことはしない。それこそ逆効果だとわかっているからだ。
なので落ち着いた口調で、優しく理緒に呼びかけた。
「ニュース誌で読んだよ。いまの理緒ちゃんみたいな行動、『ドゥームスクローリング(doomscrolling)』って言うんだって」
「ドゥーム? 何?」
「ドゥーム、つまり破滅とか罰って言葉と、画面のスクロールをあわせた造語。自分にとって腹立たしくて嫌な情報、落ち込むような情報ばかりスマホで調べつづけ読みつづけてしまうことだそうだよ。人間の脳の構造に根ざした行為って説もあるみたい。だから理緒ちゃんが悪いわけじゃないと思う。でも、中毒みたいになってるから、いったん、ほんの少しでいいから離れてみない?」
「中毒か」
うん、と理緒はうなずいた。
「たしかに、これは中毒かも。やばいやばい」
尽きることなき底なし沼にはまっていたようなものだ。紗月の言葉はしっかりと理緒の胸に届いた。
それにと紗月は言う。
「もうすぐショーが始まるんだから」
「だったよね」理緒はスマホの電源を切ってカバンにしまった。「晴れの舞台なんだから、イライラした顔してちゃいけないっ」
「そうだよ。楽しみだよね、公の場に出るのってハロウィン☆デイズ以来だもん」
紗月は本来、脚光を浴びることに尻込みするほうだ。しかも今日は並大抵の場ではない。ブランドデザイナーが来年の新作ドレスを披露するファッションショーなのである。ふたりは観客ではなく、モデルとしてランウェイを歩く大役も務めることになっていた。
通常はこんなシチュエーションを意識すればたちまち、「気後れする」「怖いよ」「出演は理緒ちゃんだけに変えてもらっていい?」と気弱な発言をするのが紗月の常だった。でも今日は理緒をドゥームスクローリングの罠から救いたくて、紗月は自分のことをかえりみず一生懸命強気の発言をして気持ちを高めようとしているのだった。
もちろん理緒は、紗月の心情をすぐに理解していた。
紗月、ごめん。
ありがとう。
紗月のその気持ち、本当に、感謝してもしきれないよ――。
気持ちを切り替えよう、紗月のために。
すくなくとも今日のステージが終わるまでは、嫌なことは考えないようにしよう。
「行こう」
紗月は立ち上がって、手を理緒に差し出した。
「最高の舞台が待ってる」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年03月30日
参加申し込みの期限
2023年04月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年04月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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