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寝子島高校
仲良くなりたい、その11
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何度修繕をしても、どこかが悲鳴を上げる猫鳴館。
夏は暑いし冬は寒い。雨風もロクに凌げず台風がくるたび大騒ぎするし、地下にも迷宮が広がっていて。
あれやこれやと言い出せばキリが無いほど、普通に住むには適さないオンボロ寮。数十年前には、取り壊しが計画されていたほど年季も入っている。
それでもここは、
邪衣 士
にとって心の拠り所だった。
(もう3年か……)
掃除の片手間にドアの立て付けを直すのも、様になってきたのではないだろうか。猫鳴館で暮らしていくのに必須だったとはいえ、多くの日曜大工の技術が士に染みついている。
先輩から伝授されたのは、到底付け焼き刃にすら届かない『気合いとコツで乗り越える小技』もあったし、どうしてもの時には助けになるらしい『最後の手段(3年に1度使用可)』なんて噂話もあった。
正直なところ、どれもあてにならないため、結局寮生は奔走することになるのだけれど。
(3年、かぁ)
実家を飛び出して、猫鳴館に住み着いて流れた月日は、生きてきた時間と比べても随分短い。
長い年月を過ごしたようでいて、たったの3年。されど3年だ。
今年度をもって寝子高を卒業する士は、必然的に猫鳴館からも退寮する。頭では理解しているのだが、どうにもイメージが湧かなかった。
そもそも、最終学年の冬休み直前という時期にもなって、まだ進路が明確ではないのも原因のひとつ。
綿密な人生設計がなかったとしても、選り好みさえしなければ大学には行けるだろう。体力仕事なら就職もできるかもしれないし、行き当たりばったりでも生きていける気はする。
けれど、やっぱりしっくりこない。
「……なんか、違うんだよな」
住み慣れた寮を離れるのが嫌なのは、きっと卒業を前にしたセンチメンタルな気分もあると思う。
ここは、公認ではないとはいえ寝子島高等学校の寮だ。来年度、入寮を希望する新入生がどれほどいるかはわからないが、部屋を明け渡し次世代に管理を任せなければならない。
(任せる……)
ドアも窓枠も、修繕したところはいっぱいある。
雨漏りをしやすい場所も、毎度踏み抜かれる階段も覚えている。
誰よりも猫鳴館を知っているとは言わない。寮長として気にかけているだけかもしれない。
でも、なぜだろう。心がモヤモヤしてしまって、渋い顔をしてしまうのは。
答えが出ないことを考え込んでも仕方ない。士は階段の手すりなど、具合の悪くなっているところはないかと探しながら、猫鳴館の掃除を続けた。
そのときふと、柱に新しめの猫の爪研ぎ跡を見付けて、何故か思い浮かべてしまった顔がある。
甘味が好きで、しれっと麻雀に混ざっていたりする
猫館 鳴
は、屋根裏に残されていた柱の付喪神だ。
現在は、この猫鳴館を支えているわけでもないため、人の姿をとって自由を満喫してくれても、寮が崩れ去ることはない。
今となっては、昔からいるらしい猫鳴館の住人のひとりだ。けれど、ひとではない彼女は、猫鳴館が取り壊されたら行くあてがない。
もし万が一、また寮が取り壊しだなんだと学校側と揉めたとしても、後輩だって守ってくれるし、呼びかければ元寮生だって力を貸してくれると信じてる。
最悪、鳴の本体である柱を背負って運び出すことも、可能……だろう。熊だって担げるし。
――ただ、譲りたくない。
いつも眠そうにしている目が、しぱしぱと瞬く。
何かがストンと落ちてきたような感覚に、士はその気持ちを反芻した。
「譲りたく……ない」
居心地の良くなった部屋を明け渡したくないでもなく、帰る家だと思っている猫鳴館に幼子のようにしがみつきたいのでもなく。彼女が暮らす猫鳴館を……いや、猫鳴館そのものと言える彼女をというのが正しいのか。
(どっちだっていいか)
とにかく、一番に守れる立場を譲りたくない。いつだって駆けつけ手を伸ばせる場所に居たいのだ。
思えば、2度も寮長を務めていたのだって、根底にその願いがあったのかもしれない。切っ掛けはもっと単純で、
『恩返しをしたい』
と思っただけだ。
毎日掃除してやればいい? こうして修繕してやればいい?
小さな積み重ねは、その日その日の恩を返せたって、大きな拠り所になった恩は返せまい。
「なら、返せるまで住むか!」
公認された寮でないとはいえ、寝子高と無関係な人間がいつまでも猫鳴館に住むことは、一筋縄ではいかないだろう。それなら、猫鳴館と関係を持ってしまえばいいんだ。
運良くここは、生徒の自治制に任されている。下手に大人は関与していない……なら、管理人にでもなってしまえば都合が良いだろうか。
あくまで書類上だけの話であれば、寮の体制自体は大きく変えなくて済む。有事時に責任を取る大人として、寮生の相談役としても立ち回れたら上出来だろう。
「まずは理事長か校長辺りに相談かな?」
のほほんとした2人にも呆れられそうなくらい、無茶苦茶な発想だ。でも、それくらい破天荒でなければ猫鳴館には住めないし、道という道にいつも迷ってしまう己らしい。
(あれ、でも……)
これは1人で決めてしまっていいのだろうか。やっぱり鳴に相談のひとつでもするべきか?
だって恩返しができるまで住むなんて、ほぼ生涯住むと言っているようなもので。
――もしかしなくても、プロポーズなのでは。
そんなことが脳裏に浮かび、思わず咳き込んだ。今日はやけに埃っぽいから致し方ない。
傷埋め用のパテが残っていたかなと道具箱を漁る士の手元を影が差した。
「なぁに、ニヤニヤして。面白いことでもあった?」
どこからか拝借してきたのだろうどら焼きを頬張りながら、鳴は問う。
神出鬼没な彼女に、どこまで隠し通せるかはわかったものではないけれど。
「まだ計画中。決まったら話すよ」
浮かんだ思いは否定せず、こちらの準備が整うまでは内密に進めることにしようと、士は笑みを浮かべた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月05日
参加申し込みの期限
2023年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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