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- 00月00日生 00歳
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寝子暦1371年のハッピー・ハッピー・ハロウィン☆デイズ！
興奮冷めやらぬのかステージ中央に躍り出たサンマさんは声を張り上げた。
「いよいよスペシャルゲストの登場だぜ！ 地元寝子島高校出身のグラビアアイドル、雑誌や配信でも大活躍中のふたり、初瀬川理緒アーンド佐和崎紗月っ！ プリーズウェルカム、特大の拍手で出迎え頼むぜっ！」
招聘ゲストゆえ効果音も派手である。ふたたび花火の火柱が立ち盛大な紙吹雪が舞った。歓声も大きい。リッカルドはもちろん、ととおも秘子も立ち上がって喝采に加わっている。
彼女ら目当ての客も多かったと思われる。予想外の大歓声に、
「どうも～」
こんなに歓迎されるとは思ってもみなかったと、理緒は照れ笑いしながらステージに出る。
「紗月、笑って笑って」
胸が痛んだ。やはり紗月は思い詰めたような表情だったのだ。
「そうだね」
紗月もプロだ。表情を作った。理緒と手を結びステージ袖から出て行く。
だけど紗月の心の波が凪ぐことはない。
私は本当に理緒ちゃんのことを愛してる。
理緒ちゃんも私のことを愛してくれている。
……私と理緒ちゃんが出会ってからというもの、私たちの関係を『親友同士』と偽ってきた。でも、それでいいんだろうか？
理緒とサンマさんはトークをはじめていた。
「ふたりそろってウェディングドレスで来たかー」
「えへへ、似合う？」
「ベリグーどころか最高だ！ でも、あんまり早く着たら婚期を逃すっていうぜ？」
「ええー、そんなことないよー！ だったらサンマさんも着る？」
「なんでそうなんだよっ！」
さすが理緒、受け答えも面白い。会場は何度も笑いに包まれた。紗月はときどき合いの手を挟むだけだ。もちろん観客の大半も理緒だけを見ている。
人気なのは理緒ちゃんだから。私はただ、理緒ちゃんについてきただけだから。
それはいい。
問題は、いま自分が考えている『わがまま』だと紗月は考えている。
理緒ちゃんはトップクラスのグラドル。私は理緒ちゃんの陰でひっそり生えている雑草でしかない。
もしふたりの関係をここで明かせば、非難を浴びるのは理緒だろう。紗月は苦しい。そんなことが許されるのか、何千回も何万回も自問した。
でも限界だった。
スペシャルゲストとして仮装コンテスト出演の仕事が決まったとき、衣装にウェディングドレスを指定したのは紗月だ。
覚悟は決めている。
「じゃあそろそろパフォーマンスに移ろうか」
「えーっ！？ あたしたちもなんかやんの？」
「そんなイケズ言うなよ～、理緒と紗月がなんかやってくれるの、みんなも待ってるんだぜー？」
なあ？ とサンマさんは耳（と思われるあたり）に手を当て『声を聞かせてくれ』とポーズで示す。もちろん観客も心得たもので「待ってるーっ！」と大きな声で返してくれた。
「しっかたないなぁ～。じゃあ」
軽いダンスでも披露する段取りだった。理緒が踏み出そうとしたとき、
「待って」
紗月が止めた。
「理緒ちゃんいい？ 私から言いたいことがあるの、この場で」
「おっと、紗月からメッセージだな。オーライだやってくれ」
サンマさんも道を譲り、紗月はステージ前方に進み出た。
「理緒ちゃん、私ね」
横を向き、理緒の目を見て紗月は告白した。
「『親友同士』でいることに、もう耐えられないの」大きく息を吸って、続けた。「言葉でもキスでもいいから、私のことを恋人として愛してるって言って！」
サンマさんがマイクを取り落とした。
会場すべてが息をのんでいる。演技でもなんでもないことは一目瞭然だ。
理緒の口元がほころんだ。
落ち着き払っている自分に理緒は気づいていた。
こうなるってこと、もう心の底で予想してたのかもしれないね。
だから回答には迷わない。
「紗月……これがあたしの、あたしからの、あの時の返事」
衆人環境であってもかまわない。いやむしろ、ステージを取り囲む数百人、そのすべてが証人だ。
理緒は紗月の腕をまわした。
そして世界一優しいキスを与えた。
紗月も理緒の背を抱いている。キスに応じている。
後日の話だが先に書いておこう。
あらためてふたりは、そろって関係を公表した。完全にオフィシャルとなったわけだ。
SNSをはじめとした反響は、それはそれは大きなものだった。もちろん反発も口汚い非難もあったが、『ふたりの恋を応援してる』というものが意外なくらい多かった。
いいほうだけ見ることにしよう、それでいい。悪意は過去しか見ていない。ふたりがいるのは未来の側だ。
身近な話でいえば、公私ともに親しくしているカメラマン片庭 椎子（かたば・しいこ）からもすぐさま応援のメッセージが届いていた。
「いよいよスペシャルゲストの登場だぜ！ 地元寝子島高校出身のグラビアアイドル、雑誌や配信でも大活躍中のふたり、初瀬川理緒アーンド佐和崎紗月っ！ プリーズウェルカム、特大の拍手で出迎え頼むぜっ！」
招聘ゲストゆえ効果音も派手である。ふたたび花火の火柱が立ち盛大な紙吹雪が舞った。歓声も大きい。リッカルドはもちろん、ととおも秘子も立ち上がって喝采に加わっている。
彼女ら目当ての客も多かったと思われる。予想外の大歓声に、
「どうも～」
こんなに歓迎されるとは思ってもみなかったと、理緒は照れ笑いしながらステージに出る。
「紗月、笑って笑って」
胸が痛んだ。やはり紗月は思い詰めたような表情だったのだ。
「そうだね」
紗月もプロだ。表情を作った。理緒と手を結びステージ袖から出て行く。
だけど紗月の心の波が凪ぐことはない。
私は本当に理緒ちゃんのことを愛してる。
理緒ちゃんも私のことを愛してくれている。
……私と理緒ちゃんが出会ってからというもの、私たちの関係を『親友同士』と偽ってきた。でも、それでいいんだろうか？
理緒とサンマさんはトークをはじめていた。
「ふたりそろってウェディングドレスで来たかー」
「えへへ、似合う？」
「ベリグーどころか最高だ！ でも、あんまり早く着たら婚期を逃すっていうぜ？」
「ええー、そんなことないよー！ だったらサンマさんも着る？」
「なんでそうなんだよっ！」
さすが理緒、受け答えも面白い。会場は何度も笑いに包まれた。紗月はときどき合いの手を挟むだけだ。もちろん観客の大半も理緒だけを見ている。
人気なのは理緒ちゃんだから。私はただ、理緒ちゃんについてきただけだから。
それはいい。
問題は、いま自分が考えている『わがまま』だと紗月は考えている。
理緒ちゃんはトップクラスのグラドル。私は理緒ちゃんの陰でひっそり生えている雑草でしかない。
もしふたりの関係をここで明かせば、非難を浴びるのは理緒だろう。紗月は苦しい。そんなことが許されるのか、何千回も何万回も自問した。
でも限界だった。
スペシャルゲストとして仮装コンテスト出演の仕事が決まったとき、衣装にウェディングドレスを指定したのは紗月だ。
覚悟は決めている。
「じゃあそろそろパフォーマンスに移ろうか」
「えーっ！？ あたしたちもなんかやんの？」
「そんなイケズ言うなよ～、理緒と紗月がなんかやってくれるの、みんなも待ってるんだぜー？」
なあ？ とサンマさんは耳（と思われるあたり）に手を当て『声を聞かせてくれ』とポーズで示す。もちろん観客も心得たもので「待ってるーっ！」と大きな声で返してくれた。
「しっかたないなぁ～。じゃあ」
軽いダンスでも披露する段取りだった。理緒が踏み出そうとしたとき、
「待って」
紗月が止めた。
「理緒ちゃんいい？ 私から言いたいことがあるの、この場で」
「おっと、紗月からメッセージだな。オーライだやってくれ」
サンマさんも道を譲り、紗月はステージ前方に進み出た。
「理緒ちゃん、私ね」
横を向き、理緒の目を見て紗月は告白した。
「『親友同士』でいることに、もう耐えられないの」大きく息を吸って、続けた。「言葉でもキスでもいいから、私のことを恋人として愛してるって言って！」
サンマさんがマイクを取り落とした。
会場すべてが息をのんでいる。演技でもなんでもないことは一目瞭然だ。
理緒の口元がほころんだ。
落ち着き払っている自分に理緒は気づいていた。
こうなるってこと、もう心の底で予想してたのかもしれないね。
だから回答には迷わない。
「紗月……これがあたしの、あたしからの、あの時の返事」
衆人環境であってもかまわない。いやむしろ、ステージを取り囲む数百人、そのすべてが証人だ。
理緒は紗月の腕をまわした。
そして世界一優しいキスを与えた。
紗月も理緒の背を抱いている。キスに応じている。
後日の話だが先に書いておこう。
あらためてふたりは、そろって関係を公表した。完全にオフィシャルとなったわけだ。
SNSをはじめとした反響は、それはそれは大きなものだった。もちろん反発も口汚い非難もあったが、『ふたりの恋を応援してる』というものが意外なくらい多かった。
いいほうだけ見ることにしよう、それでいい。悪意は過去しか見ていない。ふたりがいるのは未来の側だ。
身近な話でいえば、公私ともに親しくしているカメラマン片庭 椎子（かたば・しいこ）からもすぐさま応援のメッセージが届いていた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年01月15日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年01月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年01月22日 11時00分
