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仲良くなりたい、その11
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――毎日は変わらないだろうか。
ふと、6限が終わった清掃の時間に、
八神 修
はそんなことを考えた。
規則正しく起床し、チャイムとともに決められた勉学をこなし、食事を取るといった決められたルーティン。
もし微細な変化が起こっても、それは修正のできる誤差の範囲で、日々は道筋を大きく外れないようになっている。なぜなら、無意識下で選ぶ選択肢は『安定』と相場が決まっているからだ。
では、究極の選択とも言える大きな選択を、意図的に作り出さなければ『当たり前』からは脱却できないだろうか。
(必ずしも、そうではないかな)
変化を起こすには、相応の衝撃を与えたほうが強く反応は示す。
しかし大きな選択は、結局慎重になってしまうものだ。強すぎる衝撃は取り返しがつかないことも多いから、そうならないように今までの経験や知識から目測を立て、石橋を叩き、変えるチャンスを逃してしまう……なんてこともあるだろう。
でも、そうと意識しないような小さな選択肢は、毎日どこかに潜んでいる。
例えば今日、
七夜 あおい
を勉強に誘うか、誘わないか。誘うなら図書室か、喫茶店か、自室か。誘いに応じてもらえなかったとしても、また学校であおいと会えるのは変わらないし、誘わなかったからと疎遠になることもない。
誘わなくても毎日は変わらない。誘ったからって、明日が大きく変わることもないけど。
(未来は、明日だけじゃないからな)
たったひとつ。されどひとつ。小さな小さな選択肢の行き着く先が、未来を変えることはいくらでもある。
そういう積み重ねが、彼女に信頼を与えて異性として意識してもらえるきっかけを作った。
「あおい」
持ち場から戻ってきたあおいを呼び止める。同じクラスでも班分け行動になるときは、必ずしも同じ班になるとは限らない。だから修は、不自然無く出来る範囲で「頑張ってね」とか「お疲れ様」と声をかけるように心がけている。
きっと他人から見れば、ささやかな日常。けれどこれは、用事が無くても挨拶が出来るように、当たり前に声をかけられる間柄になれるようにと、修が努力したからこそ手に入れることが出来た大切な時間だ。
日々些細なことでも声をかけ、あおいが笑顔を返してくれるようになったからこそ、日常になった。初めは大きな一歩だったかもしれないけれど、理由がなければ一緒に過ごせないような、そんなよそよそしい時間を脱却したのは、大きな選択で起こした変化ではないはずだ。
「今日の放課後、図書室で勉強する予定なんだけど、一緒にどうかな」
進路の決まった彼女はなにかと忙しいだろう。
新生活への段取りもあるし、年の瀬に実家に帰るのかとか、遠く離れる友だちとの思い出作りとか。無遠慮に呼びつけても良いような時期でもないことが分かっているから、修は気楽な感じで声をかけた。
「そうだね、期末テストの範囲も決まったことだし……ご一緒しようかな」
静かに受験勉強をする場所を求めるだけなら、空調にしても椅子にしても、自宅のほうが快適だ。けれど、数多くの生き物を飼っていると「遊んで」の攻撃に耐え忍ぶことも難しく、適度に同様の目的がある生徒が集まった場のほうが集中できることもある。
図書室であれば、気兼ねなくあおいとも過ごせる、というのも大きな理由かもしれない。
「二学期の総復習は結構範囲が広いからな。早めに手を打つに限るよ」
「受験が終わっても、テストは免除にならないからね」
一足先に推薦で大学が決まっていても、卒業まで遊んでいられるかと言えば、そうじゃない。テストだって課題の提出だって、きちんとしなければ卒業を認められずに進学の話も白紙――なんて、恐ろしい噂がある。
それが本当なのか、推薦を羨んだ一般入試組による嘘なのかはさておき。
「どこかわからない?」
「うーん……今のところは大丈夫だと思うんだけど」
不安があるというなら、取り除くだけ。その力添えが出来るなら、これほど喜ばしいことはない。
修は一緒に勉強ができるささやかな日常にある幸せを、ひっそりと噛みしめた。
放課後すぐは、出入りもあって少し騒がしかった図書室も、すぐに静かになる。
紙の捲る音やシャープペンシルを走らせる音しか聞こえなくなってきて、ちょっとした小休憩のお喋りの声も気を遣ってしまう頃。キリの良いところで顔を上げた修は、図書室の掛け時計を見た。
(17時過ぎか……)
先にざっと範囲をさらって、テストまでの勉強計画を立てていたのもあって、体感ではさほど長く勉強をしたとは思っていなかったが、窓の外は十分暗い。
あおいを送っていくつもりでも、閉門時間などを考えると、長くてあと1時間といったところだろうか。
――今日は何時まで大丈夫?
ノートの端に書き込んで、隣の席に座るあおいの視界へ入るようにする。まるで、授業中に手紙がまわってきたかのようなそれに小さく笑って、あおいはその続きに書き込んだ。
――最終下校まで大丈夫!(ฅ'ω'ฅ)
そうして授業中でもないのに、コソコソと筆談が始まる。さも『勉強はやってますよ』という態度は崩さないままノートに書き込みをしているけれど、真剣に書いているのは雑談だ。
ちらりと隣の様子を窺って、返事を待って。
授業中のように、相手に届く前にどこかで止まってしまう心配も、先生に見つかって怒られないかとドキドキする必要もない。
目を盗んでやりとりをするなら、スマホだってある。でも、マナーモードにし損ねていたら迷惑を被るのは相手側であるし、それに。
(手書きの文字でやりとりできるというのが、また嬉しいよな)
授業中であれば、どちらも褒められたものではないけれど。
気付けばノートの隅っこは雑談で埋まってしまっていて、修はクスリと微笑んだ。
おかしなことを書いたかなと、ノートを覗き込むあおいも、ややあって気付く。勉強のためにと図書室に来たのに、これではお喋りをしすぎだと苦笑して、自分が書き込んだメッセージにイラストを書き添えた。
――今日は頑張れたら、コンビニに行くんだ!
どうやら、目的はふかふかの肉まんらしい。
両手をぎゅっと握ってやる気を見せるあおいは、楽しみで仕方が無いようだ。
『頑張って』
声にださず、ゆっくり読み取れるように口パクで伝えた。
ご褒美を貰ってもいいと思えるラインは、あおいにしかわからない。そのジャッジを緩めることが出来ないのなら、修に出来るのは応援することだけだ。
そろそろ、小休憩もおしまい。
再び課題に向き合った2人からは、先ほどまでと同じようにシャーペンを走らせる音がする。
ずっと変わりないようで、実はこっそり違うこともやっていただなんて、気付かない人もいただろう。
周りから見れば何も変わっていなくたって。昨日と同じ日常であったって。
本当はちょっとだけ違うのだと、お互いに感じ合えていたらそれで良い。
――オマエら昔っから仲良かったよな!
話していても冷やかされないくらい当たり前になったけど、誰だって初めは見知らぬ他人なんだ。
それが知人になって、友人になって。……特別な、信頼の置ける親友になって。
毎日の変化がゼロに近いように思えても、長く見ればゼロではないということが、今を変えられる証。
(だから今日は無駄じゃないし、明日はきっと何かが変わっている)
亀の一歩でも歩みを止めなければ兎より早く目的地へ着けるのだから、自分に出来ることは諦めないことだけ――と、次の問題に取りかかろうとしたとき。
「……あおい?」
自分の頬を指先でこね回しながら、思案顔をしている。どんな顔でも可愛いけれど、何事かと思って思わず声をかけてしまった。
「あー……、あのね、もう少し勉強するよね?」
「何か予定を思い出したなら、切り上げるけど」
まだテスト範囲が告知された段階だから、無理に進める必要も無い。私用があるというのであれば残念だが、次の機会だってあるだろう。
どうしたものかと唸るあおいは、ちらりと掛け時計を見て、やっぱり頬をこね回している。
「予定はないんだけど……」
ご褒美にとコンビニの肉まん、それもテスト期間を乗り切るために300円はするリッチなタイプを買う予定だとあおいは告げて、むにっと頬を摘まんだ。
どうやら、食堂の献立も気になるメニューだったと思いだし、肉まんを欲している口をどうにか宥めるか、ご飯を調整するかで迷っているらしい。
(女の子だな)
見目でいうなら気にするほどふくよかではないから、行きすぎた自制は控えて欲しいところだけれど。それでも、食べてもいいとも悪いとも言い難いのが、この手の問題の答え方だ。
「じゃあ、こうしない?」
今日はテストを頑張るぞと、半分にわける。またテストが終わったら、お疲れ様で半分にわけて食べる。
ついでに少し早めに勉強を切り上げて、ひとつ遠いコンビニを目指してウォーキングするのもいい。
「運動によって集中力の向上が見込めるし、カロリーも消費。食べる量を半分に控えたら夕飯も食べられるよ」
「えっ、何それ。お得!」
つい張り上げた声に視線を集め、あおいはペコペコと頭を下げることになるのだけれど。
照れ隠しに笑ってくれる顔が、昨日と違う今日が――修にとって特別な日常となった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
ゴールドシナリオ(200)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
15人
参加キャラクター数
13人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年06月05日
参加申し込みの期限
2023年06月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年06月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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