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寝子島高校
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ざぁざぁと雨が降る中、好んで出かける者は少ないと思う。
それも冷たく寒い1月の雨だ。急ぎ買いに行かねばならぬ物があるわけでも、まして大事な約束があるわけでもない。特段理由なんてないというのに、
月原 想花
は安っぽいビニール傘を手に雨の中を彷徨っていた。
(何がしたいんだろう……)
別に行きたい場所があるわけではない。いや、思い当たらないと言った方が正しいのか。
サコッシュの中から折りたたんだプリントを取りだし、想花は小さく息を吐く。
――雨天の場合は中止。
寝子島神社で行われるはずだった『五頭猫のお祭り』のプリントには、確かにそう書いてある。
傘をさすかどうか迷うほどの小雨ならまだしも、この天気では神社に赴いて知らせを確認するまでもなく中止だろう。
(でも)
ぐっと引き上げられた腕の感触が、夢と思えないくらいリアルだった。気のせいと片付けるには生々しくて、また
あの悪夢
にでも引きずり込まれるかと思ったくらいだ。
「……ぼくにどうしろって言うのさ」
泣いている女の人、必死な男の声。薄ぼんやりと会わせてあげればいいのかとは思ったが、その方法はまったく思い浮かばない。わかるのは、猫鳴館に閉じこもっていても解決しない、ということだけだ。
プリントをしまい、あてもなく寝子島高等学校前の通りを旧市街方面へ歩いてみる。
自動販売機の物陰で何かが動いた気がして視線を向ければ、濃青色の瞳が印象的な猫がじぃっとこちらを見ていた。
濡れることを嫌う猫も多いのに、さして気にせず雨の中で佇む姿は、どことなく普通の猫とは違う気がして。
「君、もしかして猫神様かな?」
疑問は、そのまま口からこぼれ落ちていた。
けれども猫は当然のように表情を変えず、返事の代わりか尻尾をゆるりと一振りするだけ。
「……そんなわけないか」
何を期待して問いかけたのだろうか。諦めにも似た笑みを浮かべ、想花は傘の柄をぎゅっと握りしめる。
こんなに簡単に会えるなら、あの少女だって泣いてはいないだろうに。気を取り直して、次はどこへ向かおうか――想花が猫から目を離すと、周囲は濃霧に包まれていた。
「え?」
見えるのは、手を伸ばした先ほどの距離。
車の走っている音はすれどもライトはよく見えないし、それが灯りを持たない人であれば、なおのこと直前まで存在を視認できない。
(どうしよう)
霧が晴れるまで、じっとしていたほうが安全だろうか。でも、この霧の向こうから知らぬ腕が伸びてきたら?
緊張で鼓動が煩い。こんな、逃げる場所も助けてくれる人も居ない中で、またあんな目に遭ったら……今度こそ
家族関係に亀裂が入る
どころか、人としてすら認識されなくなるかもしれない。
致し方ない、と思ったこともある。愛されなくなる要因を作ったのは、己の危機管理能力の無さだとも言い聞かせた。
両親の取った行動は生き物の防衛反応だと思えば納得も出来たし、元より比較される弟がいる中では遅かれ早かれこうなっていたのだろう。
(だけど、ぼくは)
ぐっと拳を握りしめ、濃青色の瞳をした猫を見る。想花にとってその色は、深い悲しみを連想させ心を揺さぶりかけてくるようだった。
どうせと悲観するのも、当然と自嘲するのも簡単で、そのまま流されてしまいそうになる。それでも。
「……逃げたらだめだっ!」
痛み分けをしたかったでもない、無かったことにできるくらい愛されたかったわけでもない。
ただ変わらずそこに居ていいんだと言って欲しかった。家族であることに変わりはないと思いたかった。
「ぼくは……苦しむために生まれてきたんじゃない」
ずっと諦めるばかりだった答えを、ようやく探し求めることができそうな気がする。
恐れを飲み込み、猫の頭に手を伸ばす。にゃあ、とひと鳴きする猫の瞳の色が変わった。
同じ青でもこんなに違って見えるのかと目を瞬かせ、想花はトパーズのような輝きに背を押されてもう1度周囲を見やる。
何も見えなくても、たった一筋の光を信じてる。今は小さな光でも、いつか立ち向かう力となる……そんな自信をくれる色。
それは自分を認めてあげるための、勇気の輝きだった。
霧が晴れ、暗く重い青に光が差せば。自分の見方が変われば――もうあの青は、怖くない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月28日
参加申し込みの期限
2023年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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