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True Colors
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情報を整理すると、どうやら柚春とウォルター、そしてラッセルは同じ夢を見たらしいと言うこと。
そして夢と同じ色の瞳を持った猫と出逢うと、不思議な体験をしたということまで一緒だった。
「猫だけじゃなくて、夢の女の子と似た子に会いました。恋人たちの丘で、同じように泣いてて……」
「そうかー……ますます『ただの夢』なんて片付けられねぇな」
ラッセルはスケッチブックを取り出すと、まずは夢で見た猫たちの瞳と同じ色で丸を描き始めた。それだけでは閃かず、今度は色相環を意識して並べ直し、結んで図形が出ないかと試みる。
「この図形を寝子島の地図と重ねてみるとか?」
何かの場所を示しているかもしれないとウォルターはスマホを取り出すが、ラッセルはくるりとスケッチブックを回転させてしまう。
「や、反対色とかの位置は変わらないんですけど、これって上にくる色は特に決まってなくて」
どこか基準に合わせる物がひとつでもわかっていたら、試しようもあるのだけれど。ううんと唸って、今度は絵の具を混ぜ始めるラッセルに、晴月も同じように唸ってみせる。
「みんなが見た猫は、この5色なんだよね? それとも見ていない色の猫がいるかもしれないの?」
「猫神様は五頭猫とも呼ばれているから……新しい色より、この色自体に意味がある、かも」
色の意味。例えば赤なら警告、黄なら注意と意味を持つ物もあるが、それこそイメージを挙げていけば多岐にわたるし、それに纏わる物を寝子島内で探せというのも無理がある。柚春はもう1度夢を思い出すようにして、何かヒントがないかと考えた。
「……そういえば、どうして『藤黄色』だってわかったんだろう」
「だってあの色は――いや、確かにおかしいねぇ。色の名前なんて、星の数ほどあるだろうに」
不思議そうに顔を合わせる柚春達を見て、ラッセルも思い返す。色の名前は正式名称だけでなく通称も溢れている。専門的に学んでいるならともかく、同じ名称で呼ぶことの方が難しいはずだ。
「名前が怪しいってこたぁ……待ってろ」
筆をペンに持ち替えて、ラッセルは夢で見た順に色の名前を漢字で書き出した。次にふりがな、そしてローマ字。ここまでくれば、あとは逆さまから読んだり文字を入れ替えたりするのが、暗号文ではお約束だ。
とはいっても、ラッセルにはそれが1番苦手なポイントなので、手当たり次第にやってみるほかない。
「とーおう、わかたけ、のーせーしょく~」
晴月が懸命に読み上げるリズムを変えて考えている。その声を聞いて、ふと柚春の中にある読み方が閃いた。
スケッチブックの文字を追い再確認してみたが、どうやらこれで間違いない。
「これが猫神様の想いなら、あの子は勘違いしているかも……」
「おい稲積、なんか閃いたのか?」
ぐちゃぐちゃと書き散らしていたラッセルが、お手上げだとばかりにスケッチブックを柚春に差し出す。柚春はひらがなで書かれた色の名前の、最初のひと文字目を指した。
「これです。藤黄色の『と』、若竹色の『わ』。このまま繋げて読むと、言葉になるんです」
にこりとウォルターに微笑んで、解いてみてとスケッチブックが見やすい位置へと手を引いてみる。
全ての頭文字を繋げると『とわのあい』という言葉が浮かび上がった。
「何わかりずらいことやってんだよ猫神様は……よし、同じ男としてガツンと言ってやる!」
「あの子の……天女の誤解もとかなきゃですね。行きます!」
「じゃあ2人とも行ってらっしゃい。僕は全部が解決したあとの集合ポイントとして待ってるよぉ」
ひらりと手を振るウォルターを見て、柚春は「すぐ戻るから」と駆け出してしまった。これには世話焼きな性分が黙っていられず、ラッセルはウォルターを小突く。
「ここは一緒に行くところじゃないですか。さっきの言葉だって、誰に向けて言ってたか……」
「桜井」
その先は言ってはいけないよと言うように、唇に人差し指を添える。ウォルターは食えない笑みを浮かべたまま、小さくなる柚春の背を見ていた。
「僕はね、あの子の足枷になるつもりはないんだ」
だけど、と小さく呟いたウォルターは、何を思っただろう。
「不思議なことに巻き込まれて、60年も会えなくなるのは嫌だなぁ」
卒業させてあげたいしねと苦笑してみせる彼には、言い訳も必要なのだろう。
「俺に聞かせる理由なんて、それでいいんじゃないですかね」
とにかく柚春の元に向かって走れとウォルターの背を押し、ラッセルは周囲を見渡すとチョウゲンボウに姿を変えた。
『ったく……今日は手のかかる人に良く会うな!』
素直になれず軽口で想いを誤魔化す『藤黄色(
と
うおういろ)』
幼く見られまいと気丈に振る舞った『若竹色(
わ
かたけいろ)』
大人だからと寂しさに蓋をしていた『濃青色(
の
うせいしょく)』
自分に厳しくありすぎて、頭の硬い『茜 色(
あ
かねいろ)』
本能に従い、唯一天女を探していた『今紫色(
い
まむらさきいろ)』
あの夢では天女が泣いていた。だから、彼女が憂いて助けを求めたのだと思ったけれど。
「助けを求めていたのは猫神様達だった……あなたに、『とわのあい』を届ける方法を探していたんだ!」
天女を見つけ出した柚春は、どうにか信じて欲しいと訴えた。
「猫神様はみんなひと癖あって、わかりづらいこともあると思う。でもそれなら、自分からも伝えなきゃ」
伸ばした指先が触れない、ほんの1歩先。
見えるのは線引きばかりで、越えたところで何かがある保証もなかった。
「目に見えて、聞こえる物だけが全てじゃない。でも僕は、何度でもワットが好きって伝えるんだよ」
どれだけ好きでも、同じ気持ちだよって返してくれても。『今は』難しいことがあると、わかっている。
見えない口約束を信じて待つしかできなくても……それだけじゃ、足りない。見失いたくなんてない。
「会いたいって言ってみたら?」
まるで迷子になった子供のように、天女は困惑していた。
躊躇って、諦めようと首を振り。それでも震える唇で紡ぎ出した想いは、堰を切ったように響き渡った。
チョウゲンボウが高らかに鳴く。
オルゴールの鍵を首から下げたその鳥は、島中を飛び回って猫神へと呼びかけていた。
『どこかで聞いてんだろ! このままでいいのかよ!』
猫を見つけては近寄り、瞳を確認してはまた空に飛び立つのを繰り返し。ラッセルは何度だって呼びかける。
その声に、のそりと姿を現したのは茜色の瞳の猫神だった。
『行こう! みんなでだ! 伝えないと後悔しちまうぞ!』
暫し丘の方を見つめて熟考していた猫神の表情が変わる。天女の声に、迷いを捨てたのだろう。
走り出す猫神に、続いて集まる光がある。きっともう大丈夫だなと安堵し、ラッセルは変身を解いた。
「ねーねーラッセル。結局、『とわのあい』ってなんだったの?」
「え!? えぇっとな……なんつーか……見届けたらきっとわかるって!」
「見届ける? あっ、ちゅーするやつだ! 白いヒラヒラの服を着て、お花がぶわーって!」
晴月の偏った知識に頭を抱えつつ、説明のために見届けるとなると天女の元に向かった誰かさん達も見えてしまうことを思い出した。
「あー……うん、晴月の見たいやつとは違うっぽいし、見届けなくてもイイカモナァ?」
どちらも上手くいっていることを確認したくはあるけれど、そういうのは覗き見てはいけない気もする。
ラッセルは晴月の興味を別のことに移そうと、必死に話題を探す。
(そういや……桔梗の花言葉って)
確かあれも『とわのあい』だ。
それに気付いていれば、謎解きももう少しスムーズに進んだかもしれないと思うと、少しばかり悔しいが。
「よーっし、寝子島神社へ行ってみるか! 天気もよくなりそうだし、お願いに行くぞ!」
久しぶりの晴天に恵まれた寝子島に、一台の大きなトラックがやってきた。
何やら声を聞いたという神職の計らいで、五頭猫のご神体が渡御されたようだ。
神輿とは乗り心地も違っただろうし、出迎えの祭事もない。全ての縁の地を訪れることも叶わなかった。
けれど。
久方ぶりに並んで寝子島神社へと安置された天女と五頭猫のご神体は、とても幸せそうだったという。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
みなさまご参加ありがとうございます、浅野です。
お待たせ致しました!
不思議な色の体験をしたいのだとわかった方は、そちらのお話を。
謎解きをしたいのだとわかった方には、不思議体験よりも謎解きを優先させて頂きました。
どちらかわからなかった方は、バランス良くなるようにしたつもりなのですが……合ってますように!
ご意見ご感想、もしくは「読んだよ!」の代わりにダイヤリーのページチェック入れて頂けると、めちゃくちゃ喜びます。
お時間ありましたら、よろしくお願いします~!
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担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
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NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月28日
参加申し込みの期限
2023年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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