this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
True Colors
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
身支度を済ませ、2人は寝子島シーサイドタウンの駅ビル『miao』を目指すことにした。
そこならブティックを存分に見て回り、スイーツを楽しんだ後に日用品や食料品だって買って帰れるだろう。
気が重かったお出かけも、デートとなれば真優理だって楽しんで……というわけにもいかないらしい。
(……朝食を準備したりするだけじゃ、解決しないよね)
いくら本人が乗り越えるべきだとわかっていても、どうにか絢が晴れやかな気持ちで試験に臨めるようにしてあげたかった。
快適に受験勉強へ取り組めるよう環境を整え気を遣ったところで、全ては本人の受け取り方次第だ。整えられた場に、感謝をする余裕があるのか気に障ってしまうかまではわからない。
(いっそ、少し早いけど服は合格祝い……なんていったらプレッシャーになるか。やめとこう)
もしかしたら、絢の不安は試験そのものではないのだろうか。
高校在学中にモデルや女優業を始め、新しい世界に触れてきた。でも、進学するという変化は新しく増えるのとは違い、戻れなくなる場所があるということ。
ちらりと絢の様子を見て、どうやって聞き出してみようかと考えていた矢先。
「猫……?」
塀伝いに歩いていた1匹の猫が、2人の前に降り立った。
普通の猫とは違う。そう感じるのは、2人がもれいびであるためだろうか。
放つオーラというか、人を前にしても落ち着き払い、優雅に歩み寄ってくる姿は、きちんと飼育された猫でも珍しいように思う。
「どことなく、ダンディそうに見えるわね」
「そう? 私はどっちかっていうとハードボイルドって感じに見えるけど」
少々異なって見えてしまうのは、何もおかしなことではない。同じ絵画を見て同じ感想が出ないのと一緒で、今までの経験や知識から違う印象になることもある。
ただ――なぜか、この猫の瞳が『濃青色』だということ。それだけは2人で一致していた。
もしかしたら、記憶にないだけで気になる何かを見たのだろうか。不思議に思いながら、絢は猫にそっと近づき傘を差し出した。
警戒するでもなく、これ幸いとばかりに寄ってきた猫を撫でる絢を見て、真優理も微笑ましくその姿を眺めていたのだけれど。
「なんだかんだ言っても、猫は猫――絢ちゃんっ!」
猫が気持ちよさそうにゆったり尻尾を一振りした瞬間。まるで足元から水が湧き出してきたかのように迫り上がってきた。
しゃがんでいた絢を引き上げようと真優理が手を伸ばすのと同じように、絢も猫を助けようと手を伸ばす。だが、そこは動物の本能なのか、それとも事態を理解しているのか、猫はタンッと塀に屋根にと登って避難してしまった。
それを確認する頃には膝上まで水に浸かっていて、何故と戸惑っていては避難もままならないだろう。
手を取り合い、身を寄せ合い。少しでも高台に行こうと確実な1歩を踏みしめて歩こうとする。けれど水は、あっという間に腰を飲み込み、容赦なく体温を奪っていった。
ロクに動けもしないまま、水はもう飲まれるのが先か流されるのが先かというところまで来ている。かじかむ手だって、いつ離れてもおかしくないだろう。
「真優理さん……っ!」
例え意識を手放し、濁流に流されたとしても。絶対にこの手を離すものかと握りしめ、絢は2人でしがみつけそうな物を探す。荒れ狂う天気の中、周囲を見渡す中で深く暗い濃青色の瞳だけは見つけることができた。
冷たい色。まるで月を失った明けない夜のような、陽の届かない海底のような色だ。
それは、表だって恋人として過ごせない2人が隠れるにはお似合いの場所なのかもしれない。
同性で従姉妹で。誰からも祝福されるわけはないし、真優理を思うからこその選択はあったはずだ。立場上、何かあれば矢面に立つのは保護者である真優理ばかりになってしまい、社会的地位や信用を失ってしまうのも想像に難くない。
一方で絢はといえば、女優への道は始まったばかり。元々あることないことを騒ぎ立てる業界なのだから、ゴシップも上手く利用すればチャンスに変えられるだろう。
冷静に考えれば考えるほど、この関係は真優理にとってデメリットしかない。でも絢は、この気持ちが間違っているとは思えなかった。
(そうよ、だから――ちゃんと告白した)
これから変わってしまうことがある。それに不安を感じるのは、まだ守られているからだろうか?
環境が変われば見ている物の視点が変わり、進路も関係も問題点は浮上してしまう。ずっと変わらぬままではいられないし、戸惑って立ち止まってもいられない。わかっていても、心の片隅はずっと曇ったままだった。
(でも、こうやって考えられるのが私。全てを晴らさなくていいの)
世界が水に包まれる直前、猫は驚いたように見下ろしていた。
だから絢は、不敵に笑ってみせる。嘘が必要になるときがあっても、心まで誤魔化すつもりはないと。
飼い慣らせない心の弱さが、まだ心の隅に居座っている。それも全部、自分の一部だと。
時間が止まったように静まりかえる水の中で、絢から酸素を分け合うような口づけを交わす。もう奪われる体温がないのか、不思議と寒くはなかった。
……いや、もうすっかり水は引いていて、見慣れた景色が戻っていることには肌感覚で気付いている。
それでも2人は、不安を全て溶かしきるまで口づけを続けていた。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
True Colors
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
恋愛
神話・伝説
NPC交流
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年11月28日
参加申し込みの期限
2023年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!