またコン、ＤＯ！｜リアクション

またコン、ＤＯ！

◆始まる前の始まりの前の始まり

　太陽が天頂を通り越してすこし傾いた頃、うさぎ屋の客足が落ち着いてきた。
　休憩を兼ねて宇佐見満月は奥に引っ込むと、電話の前で足を止めた。その手には、なにやら一枚のチラシを握り締められている。
「町おこしだからねぇ、ここはひと肌脱ぐっきゃないね！」
　いたずらっ子のように笑って、満月は受話器を取った。
　規則正しいコール音が途切れ、規律正しい役人の声が聞こえれくると満月は声を潜めてこう言った。
「実は、町おこしに繋げられそうなアイディアがあるんだけど、相談に乗っちゃあ貰えないかねぇ？」

　その日からひと月後。
　第一回木天蓼市主催の町おこし合同コンパ『またコン』が、ついに開催される。

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