ひねもすのたり、雲の切れ間に｜リアクション

ひねもすのたり、雲の切れ間に

～天使を見る目、羽毛の末裔～

よく晴れた休日の朝、御巫時子はいつものように鳥のさえずり声に目を覚ました。時子は眠そうに目をこすりながら布団から起き上がり、窓を開けて日差しを体いっぱいに受ける。
「ふあぁ……、良いお天気ですね……」
　眩しい朝日に目を細めると、時子は胸の前で両手を組み、目を閉じる。まるで神さまに祈りでも捧げているかのような格好だ。
　すると時子のいる窓辺に小鳥が１羽やってきて、ちぃちぃ鳴いた。
「はい、あなたもおはようございます……」
　時子はそのさえずりに答えて挨拶を返した。
　まるで子供がぬいぐるみに話し掛けるような様子だが、彼女の場合は違う。時子には本当に鳥と会話できるのだった。それが時子の持つろっこんの力である。
「こんなに天気も良いことですし、今日はお布団を干して掃除もしてしまいましょう……」
　挨拶を交わした小鳥が飛び去ってしまった後、時子は空を見上げてそう呟いた。