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キャットロード・セレナーデ
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【変遷】
あんなにも愛した相手だったのに。あたしは不誠実だろうか? 不義理と思われるだろうか。それとも祝福してくれる?
答えを投げても帰ってはこない。
朝鳥 さゆる
だって分かっている。とっくの昔、けぶる朝靄へ紛れるように彼は消えてしまった。
「お~。今日も賑やかね」
「……ええ。そうね」
さゆるの心を知ってか知らずか、
姫木 じゅん
は行き交う人の流れを眺めて言う。
昼のキャットロードが似合うとは思えない。さゆるも、じゅんもだ。明るい日の光の下はまぶしすぎる。けれど彼女が望むなら、その隣で歩もうと思える。
これほど前向きな心持ちになったのは、いつぶりのことだろう。さゆるは自身の変化に戸惑っている。長いこと暗く重たい、月の無い夜に捕らわれ、鎖でがんじがらめにされていた。自分をいくら傷つけても足りず、いつでも満たされなかった。何人の男の、あるいは女の間を渡り歩いただろう。このまま夜は明けず、ただ無為に朽ちてゆくのだと思っていた。
そうではなかったらしい。かたわらの彼女に救われたから。
「さてどこへいこうか……さゆる? どしたの?」
変化を好ましく思う自分と、自分なんかがと卑下する感情も、さゆるは同時に抱いている。片篠 藍人の記憶が薄れゆくことに、寂寥を感じればいいのか。一人煢然と生きることなく、共に歩む魂の分身たる彼女を見い出した己の心は信じるに足るだろうか。受け入れて良いものだろうか、その資格があると?
こんなあたしに?
「なーに、考えてるのかな。この子は」
放っておかれてむくれた童女のように、じゅんは憮然としてさゆるの頬を指先でつく。
分かっているのだろうか。さゆるが思いわずらうのは、半ばじゅんのためだというのに。
「……何考えてると思う」
「や、あたしが聞いたんだけど……急に言われたって分かんないよ。お腹空いた? 新しい服が欲しい? 人ごみに酔ったから帰ろってのはナシよ、来たばっかりなんだから」
「あたし、じゅんが好き。愛してる」
じゅんは面食らってか、目をしばたかせた。白昼、しらふでそんなセリフを臆面なく吐いたものか。
しばし瞳の開閉運動を続けてから、
「まあ、うん。知ってるけど。あたしもさゆるが」
「違うの。聞いて……何を考えてたか? あたし、すごく戸惑ってる。こんな気持ちは初めてだから。誰かを愛おしいと思うことはあっても、失いたくないと思ったことは無かった……だから」
すがるように手を握る。少し汗ばんでいた。秋の陽気にしてはいささか、暑い。
「あたしがこんな風になるなんて……幸せになっていいんだなんて、思ったことない。だってあたしは汚れてて罪深くて、じゅんの隣にいることがなんだか……じゅんがまぶしくて。あたしは」
「そんなの、当たり前じゃない。誰だってそうよ」
顔を上げる。夜色の濡れた潤みをはらむ瞳と目が合った。にか、と彼女は口角を上げる。
「戸惑うって、普通のことよ。さゆるは真面目過ぎるから、初めてなのね」
「あたしが……真面目って?」
「そ、バカ正直で曲がること知らなくて、純情で繊細でガラスみたいな乙女。あたしのさゆる。戸惑ったって、いいじゃない?」
不意に、つつくようなキス。人目はばかることなく、一瞬にして二人の世界にカーテンが下ろされる。
「戸惑うくらいがちょうどいいよ。そのほうがきっと楽しい。だって簡単になにもかも上手くいったら、つまらないわよ。ゆっくりと少しずつ、二人の気持ちを重ね合わせていけばいい。そうは思わない?」
もう一度唇をつつかれ、それで話は終ったとばかり、じゅんはどの店に入ろうか、お昼も近いしまずは腹ごしらえね、などと楽しげに歩き出し、まるで少女というより少年のように笑うのだ。
「そう。そうかも、ね。少しずつ」
「そうそう、ゆっくりね」
じゅんの嗜好を満たすべく、アーケードの一角にひっそりとたたずむ、ちょっとばかり特殊な書店へ足を運ぶ。
アニメやら漫画やら、オタク心をいかんなく発揮している時の彼女は、輝いている。それはもう文字どおり、まばゆいばかりに。いくつも本をカゴに入れ、なんとかいうアニメの稀少な限定商品の掘り出し物がたまたま売られていたとかでひとしきり興奮し、さゆるに手を合わせてお願い! と少しばかりの金を借り……まあさゆるにははした金で、借金とも思わないのだが。ともかく予期せぬ幸運に恵まれ、その日のじゅんは終始にこにこ顔のご満悦だった。
「昼間のキャットロードもいいもんだ♪ たまにはあたしたち、こうやってお日さまの下にも出ないとね。ね、さゆる」
「ええ。そうね、じゅん」
どちらともなく手を握る。そのぬくもりと確かな現実感に、さゆるの心はようやくにして定まった。
今はただ、彼女と生きてゆきたい。きっと真っすぐ、正しい道なのだと思えた。
変わってゆく。自分も、彼女も。それを恐れることなく、歩んでいけばいい。
「また来ましょう。二人で」
戸惑いは失せ、さゆるは人形が初めて笑むようにぎこちなく、はにかんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月25日
参加申し込みの期限
2023年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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