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キャットロード・セレナーデ
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【この子がいたから】
「ママー!」
むぎゅっと飛びつく娘、楓を
梓 智依子
は受け止める。年々、この突撃の重みが増してきた。いつまでこうして受け止めきれるだろう。いつまでこうして、飛びこんできてくれるだろう。
「今日は、キャットロードでお買い物していくからね」
「きゃっとろー! ねこさん、みれるかな?」
「きっと見られるわよ」
ぱあっと輝く笑顔に、何度救われたことだろう。
手をつないでキャットロードへ。楓の足取りはまるで空へ飛び上がるようだ。
夕方のアーケードは人通りが増えていささか混み合っていた。放課後のこの時間は学校帰りの買い食い目当てな学生や、夕食の買い出しをする主婦、外回りを終えて会社へ戻る前にひと休みなサラリーマン、などなど往来の人々もバリエーション豊か。
智依子は楓の手を引き、喧噪の中へ分け入る。
「楓、ママから離れないでね? 迷子になっちゃうから」
「うんー」
と返事は返ってくるものの、早くも気はそぞろだ。あたりには小さな楓の気になるものがたくさんある。
てきぱきと用事を済ませてしまうのが得策か。智依子は祖母から託された買い物リストを取り出し、
「まずは八百屋さんで、じゃがいもと人参、玉ねぎを買いましょう。今日は肉じゃがを作るんだって。好きでしょ? 肉じゃが」
「うんっ、がじゃいもー!」
じゃがいも好きな楓は、八百屋の軒先に積まれたじゃがいもの山を見るに、大はしゃぎだ。他のお客の迷惑になってもいけないので、さすがに少し強めにたしなめる。
「こら。騒いじゃダメでしょ、楓」
「は~い。がじゃいも、がじゃいも……」
小声で続ける。たどたどしいステップが通行人にぶつからないか心配だが、まあよしとする。通り過ぎる人々はおおむね微笑ましく楓を眺め、「可愛いわね~!」なんて声をかけてくれたりするから、きっと邪魔にはなるまい。
買い物を済ませて、次は精肉店へ。豚こま肉を購入したところで、楓が子犬めいて鼻をひくひくとさせた。
「ママ~?」
「なあに? 楓。ああ……コロッケね」
こうした小売店の常として、キャットロードの多くの店舗においても、夕方は惣菜が割引になる。だからこそ人通りも多くなるのだが、せっかくこの時間に訪れたなら、恩恵に与るのも悪くない。
香ばしく匂いを漂わせる揚げたてコロッケを食い入るように見つめる楓へ、
「楓。食べたい!」
「うん!」
「大丈夫? おなかいっぱいになっちゃわない? お夕飯、食べられる?」
「たべれるよぉ~」
まあ育ち盛りの食べ盛りだ。少しくらいは大丈夫だろう。ほくほく、湯気の立つポテトコロッケを二つ購入し、一つを楓に渡す。たちまち、緩んだ笑顔がさらにゆるゆるとなった。
ベンチに腰掛け、
「いただきます」
「いたあきます!」
はふはふとアツアツのコロッケを頬張る楓を眺めていると、智依子の胸にはさまざまな感情が去来する。
14歳。盤石に子を産み育てられる環境にはなかったし、周囲の理解からもほど遠かった。大きな苦労を味わい、紆余曲折あって高校へ入学できたのは、3年遅れの今年からだ。
「あ、ねこ! ママ、ねこさんみてきていい?」
「ええ。遠くへ行っちゃダメよ」
「うんー」
こうして二人暮らしていけるのは……少なからず今幸福の中にあるのは、祖父母の存在があったればこそだ。母として楓を育てながら、自身もまた庇護のもとに守られている。
感謝の念は尽きない。
帰ったら夕飯の準備を手伝おう。今日はハローニャックでのバイトもお休みだし、勤労意欲が有り余っているくらいだ。祖母と一緒に、楓と祖父へ渾身の一品をお見舞いしてやろう。
そんな風に思いながら、コロッケを食べ終えたところで。
「……楓?」
娘の姿が見えないことに気が付いた。
人混みに紛れてしまったことがそもそもの原因ではあったが、今日の混雑に救われたところもどうやらあったらしい。慌てて楓を探しまわり、けれど見つからず、不安と喪失の絶望がじわじわと背中を這い上る中で、電話が鳴ったのだ。
息を切らして駆けた。
「……あ、きたきた!」
「智依子さーん、こっちこっちー!」
「楓ちゃん、ママ来たよー。良かったねぇ」
逃げ出した猫にちょっと気を取られた隙に、背の低い楓は人波で智依子の姿を見失ってしまった。
娘を見つけ、智依子へ連絡を入れてくれたのは、年下のクラスメートたちだった。いつも写真を見せてくれとせがまれるから、楓の顔を知っていたのだ。
「楓! もう、心配かけて……!」
「ママー! みてー、ねこさんさわれたよ!」
悪びれずにっこり顔の楓。その腕の中では、ここらの界隈で世話をされているらしい野良猫が、ふてぶてしくあくびをしていた。
「みんな……ありがとう。助かったわ」
祖父母と同じく、偏見なく接してくれる友人たちの存在に、自分は生かされていると実感する。そしてまぎれもなく、その縁は楓が繋いでくれたものだ。
彼女たちは頭を下げる智依子へ、白い歯を見せて笑った。
「いーってこと! うちらと智依子さんの仲じゃん~」
「そーそー、気にしない気にしない!」
「代わりに明日の数学の宿題、見ーせて♪」
「あっずりぃー! あたしも見せてよー、桐島センセーに怒られるー!」
「ふふ……ええ、いいわよ。解き方も教えてあげる」
こんな何気ない日常が愛おしく感じられようとは、数年前の自分には考えられなかった。
楓の頭を撫でて可愛がってくれる彼女らに感謝しながら、智依子はほうっと心穏やかに息をついた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月25日
参加申し込みの期限
2023年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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