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キャットロード・セレナーデ
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【道は繋がる】
日も暮れて、寝子島に夜が降りおちる。
シーサイドタウンでも中心街に近いあたり、繁華街にはいまだ煌々とした明かりが灯るが、真夜中のキャットロードに光源はまばらだ。
黒白 滴
はそんな頼りない光の下、青く輝きを内包する闇の獣を従えて、ぎらつく青い瞳で
月原 想花
を見た。
「滴……さん」
「想花ちゃん、悪い子だねぇ。こんな時間にこんな場所で、何してるのかなぁ?」
悪夢に目覚めた夜。眠れず猫鳴館を飛び出した。
抵抗も許されず蹂躙されたあの日の悪夢。想いに気づき、前を向いて歩みはじめようと心を定めたところに失踪した彼女の悪夢。
これは夢の続きなのだろうか。
「ま、眠れない夜ってあるよねぇ。あんまりにも苦しくて、眠れなくて、眠ったら最後、そのまま……」
人通りは絶え、痛いほどの静寂が満ち満ちていた。遠くの車道から届く排気音くらいのものだ。
だから滴の声は遮るものなく、直接想花の耳と胸を刺すように響いた。
「死んじゃうかも。ってね」
「滴さん、ぼくは……」
彼女は言った
、『私から寝子島を守って』と。
その意味が今の想花には分かる。滴は自身に訪れる未来が分かっていたのだろう。囚われ堕ちゆく己の末路を察していたのだろう。だから想花らへ、その後始末を託すしかなかった。
どんな思いであの時、彼女はそれを口にしたのだろう。
「ぼくは……できないよ」
「ふーン?」
寝子島を守って、とはつまるところ、敵を排除してということだろう。敵とは他ならぬ滴だ。滴を排せば確かに島は安泰だろう。
けれどそれが正しいのだろうか? 心に正直に向かい合い、正しい行いと胸を張って断ずることができるだろうか?
「ぼくは、助けたかった。滴さんの心を」
滴を闇へ葬る? それで万事丸く収まり解決か?
そうは思えない。思いたくなかった。
「……どうしたらいい? ぼくはどうしたらいいの、滴さん……!?」
「あはは。それ、わたしに聞くかなぁ? 面白いねぇ、想花ちゃんは」
滴が手をかざす。瞬間、闇の獣……『どろでろろ』が青く牙を剥き、跳躍した。
はっとしてそれを見た時にはもう、肩口を切り裂かれていた。
「あッ……!」
「遅い遅い。それじゃ練習にならないよぉ、ほら逃げないと。走って走って!」
獣は暗がりに紛れるように襲い来る。三体の獣が入れ代わり立ち代わり、牙や爪を閃かせるたび内にこもる青い光が漏れ輝いた。
「う、あ……っ」
とっさに首をひねるも頬に浅く朱色の線が残る。突進を受け脇腹がみしりと不穏な音を立てた。足を取られ、ふくらはぎに噛み痕を残された。
愉快そうに唇を歪め、滴は指揮者よろしく手を翻す。指先の動きに合わせ、獣は跳ね、駆け抜け、想花を削いでゆく。
想花はただ、立ち尽くす。抵抗するそぶりもなくなぶられるまま、滴と対峙し続ける。
「う~ん。なんだかなぁ。逃げもしなけりゃ、立ち向かっても来ない。つまらないなぁ。これじゃつまらないよぉ、想花ちゃん」
逃げない。そう決めた。
彼女の今を覆す力も、強引に跳ねのけ葬る意志もない。あるのは想いだけ。なら、それを貫こう。
彼女の苦しみも悲しみも、あの積まれた家でつぶさに見たのだ。全て受け止めよう。
それで彼女を覆う闇が少しでも晴れるのなら……例え自分が何度、傷ついたとしても。
だって、
「ぼくは……ぼくは! ぼくは滴さんのことを、愛してるから!!」
想花の叫びが人気のないアーケードへ、幾重にもなって反響する。
ぴたりと、獣たちは動きを止めた。滴の踊るような手のひらの翻りも失せ、後に残ったのは深く荒く繰り返す想花の乱れた吐息と、
「…………」
狐に摘ままれたような、滴の呆けた顔。
沈黙が想花の胸を貫く。
「……はぁ。つまんないな」
「滴さ……」
「なんか白けちゃった。帰る」
滴は闇の獣の背に触れ、けだるげに腰かけると、ぴしゃりと揺らぐ闇を叩いた。
「またねぇ。想花ちゃん」
待って、と叫ぶ力もなかった。想花はよろめき、閉じられたシャッターにしばし身を預け、動くことができなかった。
朝方になって猫鳴館へ帰り着くと、誰にも見られないうちに自室へ引っ込み、傷の手当をし、布団をかぶった。包帯に絆創膏だらけのところを見られれば、ちょっとした騒ぎになってしまうかもしれない。それは避けたかった。
致命傷に至らなかったのは、彼女に少なからず手心を加える意志があったからだろうか。練習、とも言っていたし。いずれにせよ傷が消えるまでは少しかかるだろう。周りにはもっともらしい言い訳を用意せねばなるまい……猫を抱こうとしたら激しく抵抗され、爪を立てられたとか。
「滴さん……」
またね、と彼女は言い残して消えた。
またね。その機会はきっと、再び巡ってくる。
そう信じて、想花は薄いシーツを胸に引き寄せ、こんこんと深い眠りへ落ちていった。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『キャットロード・セレナーデ』、リアクションをお届けいたします。
私の地元にもアーケード街があります。ずっと昔からあって、いつでも人がたくさんで活気があって、いろんなお店が軒を連ねる商店街です。
コロナ禍となってからはあまり足を運べていませんけれど、子どもの頃からよく遊びに行っていた場所で、思い入れがあります。
キャットロードもきっと、寝子島に暮らす人には馴染み深く、たくさんの思い出が作られた場所なんだろうな、と想像しながら執筆しました。
このお話も、皆さんにとってそうした思い出のひとつとなれば嬉しく思います。
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました~。
次のシナリオでもお会いできますよう。その機会を心よりお待ちしております。
お疲れさまでした~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年01月25日
参加申し込みの期限
2023年02月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年02月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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