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LUCK COMING ~いつもそばに猫がいた~
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足元で猫が鳴いた。こんにちは、と声を掛けようとして、着ているはずのない浴衣を着ていることに気が付いた。
(ここ、は)
何度見知らぬ場所に迷い込んでいても、その度に胸がドキリとするのは変わらない。慣れているからと自分に言い聞かせても、それでもやっぱり手は小さく震えてしまう、てのひらに汗が滲んでしまう。
(だいじょうぶ)
轟く心臓を両手で抑え、
宮祀 智瑜
は夜色の瞳に力を籠める。ひんやりとした空気に深呼吸を繰り返す。落ち着いて、と周囲を注意深く見回せば、慣れぬ闇が視界を奪った。
「っ……」
震えてくずおれてしまいそうな膝を叱咤するようにぎゅっと地面に踏ん張る。
(……義弘先生……)
咄嗟にお守りのように胸に叫んだのは、大好きなひとの名前だった。
先生の名前に勇気を貰って一歩踏み出す。ふくらはぎにふわりと寄り添って来たぬくもりを見下ろせば、それは小さな猫だった。
「猫さんも迷子?」
そっと抱き上げ、もう一度周囲を見回す。少し闇に慣れ始めた瞳に、今度は招くように並んで灯る提灯が見えた。進むべきか否か迷うまなざしの先、赤い光の中を大股に歩いて行く長身を捕らえて、智瑜は目を丸くする。
いつもであればお祭りであっても背広であることの多い背中。お祭りであっても浮かれることなく、地域住民に迷惑行為を働く生徒が居まいか鋭く周囲を見据えるばかりの横顔。
背中に猫が貼りついていても両方の肩に猫が乗っていても、周囲に見慣れぬものが溢れていても、構わず先を目指して歩いて行こうとする、ぴんと伸びたその背中。
「先生っ」
見間違えるはずのない背中に、智瑜はありったけの声で呼びかける。
「義弘先生っ」
好きな人の名前を呼べば、重たかった足がふわりと軽くなった。子猫を胸に抱いたままに駆けだす。整備されていない遊歩道を掛けながら気が付いた。ここは何度も来たことのある場所だ。
(耳福池)
ここは、私の島だ。
「義弘先生っ」
池に鳥居の見えるところで先生の背中に追いつく。もう少しで手が届くと思った途端、ふっと身体が宙に浮いた。また転ぶ、といつも通りに身を固くした瞬間、
「宮祀」
伸ばされた腕が慣れた様子で身体を支えてくれた。
「気をつけなさい」
「ご、ごめんなさい」
聞き慣れた低音の声を耳元に聞き、智瑜は思わず頬を赤くする。浴衣の腕は、背広のときよりもっと体温を感じることが出来てしまうのだと知ってしまった。
「先生は、どうしてここに?」
先生と並んで立てば、真っ暗闇だと思っていた周囲は提灯と星明かりに満ちていた。誰も居ないと思っていた池の周囲には数え切れないほどの屋台に満ちていた。どこもかしこも、明るい声で笑う猫やおばけたちで溢れていた。あやかしたちでいっぱいの耳福池のお祭りはやっぱりちょっぴり怪しいけれど、先生と一緒なら全然怖くなんかない。
「気づくと迷い込んでいたが」
これは夢だろう、と難しい顔をする先生に智瑜は笑いかける。
「義弘先生が居てくれて良かったです!」
「そうか」
教え子の明るい笑顔につられ、
桐島 義弘
は眼鏡越しの瞳を淡く和ませる。
「宮祀を助けられたのなら、これは良い夢だな」
「はい、良い夢です!」
大きく頷いて、智瑜は先に立って歩き出す。先生が夢だと思っているのであればそれでも構わなかった。でも、
「せっかくなのでお祭り回ってみませんか、義弘先生」
「む、だが……」
他に困っている生徒は居まいかと周囲を見回すどこまでも生真面目な先生に、智瑜はちょっぴり考えて言葉を変える。
「一緒に探してみましょう、先生っ」
「ああ、そうだな」
それならばと並んで歩きだす先生の浴衣の袂を智瑜はそっと掴む。
「迷ったら困りますから」
「ああ、はぐれないように」
頷く先生の瞳の真ん中に自分の顔が映り込んでいる。それだけのことがとても嬉しかった。
「先生っ、たこ焼き食べませんかっ」
浮き立つ心のまま、ぴょんと跳ねる。にゃあにゃあと賛成する胸の子猫と一緒にたこ焼きの屋台で一舟買い求める。ねじり鉢巻きの黒猫から受け取ったたこ焼きを手に先生のもとへと戻り、手近な長椅子にふたりで腰掛ける。
「はい先生、あーん」
熱々のたこ焼きをふうふうと息をかけて冷ましてから、自分が口にするよりも先に差し出せば、
「いや、あのな、宮祀、」
先生は少し困ったような顔をしたものの、
「どうかしましたか、義弘先生」
当たり前の顔でたこ焼きを差し出し続ける智瑜の無邪気さに負けた。
「あーん」
「あ、あー……ん」
思い切ってぱくりとたこ焼きを口にする。熱さと教え子からあーんされたという罪悪感とも羞恥心とも取れぬ感情に惑い、義弘先生は熱ばかりを帯びる口元を片手で隠した。
ご機嫌でたこ焼きを食べる智瑜とうっすら赤い目元で周囲を見回す義弘先生の足元、猫たちがおこぼれを頂けまいかとにゃうにゃう鳴いている。
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グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
74人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月23日
参加申し込みの期限
2022年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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