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LUCK COMING ~いつもそばに猫がいた~
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空中には揺れる提灯、遊歩道には竹灯籠。浮世離れした火の灯りを星と共に揺らす水面には、舟じみた大きさの蓮がぽかりぽかりと浮いている。
「なんだかあたしが乗ってもいけそうさね」
今にも折れてしまいそうに古い柵に浴衣の手を乗せ、
宇佐見 満月
は軽やかに笑って見せる。
「ほら、あのでっかいのとか」
殊更にはしゃいだ声で大きな蓮葉を指し示しながら、
(ちょっと、なんだってんだいこれ!)
背後にぬうと立つ熊のような男を振り返られずにいるのには理由がある。
気が付けば着慣れぬ浴衣を身に纏い、気が付けば傍らに浴衣姿の熊――もといご近所さんでもあり幼馴染でもある黒河 太一が佇んでいた。
(あたしゃ浴衣より祭衣装のが!)
お祭ともなれば胸をぎゅっとサラシで締め上げ、半股引に足袋に法被で町内会の神輿を担ぐが満月のお定まり。
だというのに、今日はしっとりとした浴衣。髪だって結い上げてうなじに後れ毛までほつれている。
(い、いやいや、髪なんざ結んだとこで何も変わりゃしないさね!)
サラシに法被のときの方が言ってしまえば露出も多いというのに、浴衣のこの無防備さは何なのだろう。そうして、
(……太一っつぁん)
傍らで途方に暮れた様子で立ち尽くす筋骨逞しい男の浴衣姿の目の毒具合と言ったらない。いつも通りの飾らぬ服装でいてくれれば、いつも通りに磊落な言葉を交わせたかもしれないと言うのに、
(……いや、どうだか)
あの春の日にしこたま呑んだときから、――太一からあの言葉を聞かされてしまったあの春の日から、あんまりまともに顔を見られていない気がする。
夏の初め頃にみんなで呑んだあの日もそうだった。ようやくまともに真正面から顔を見られるようになったのは、真夏の日の『お出かけ』の日。だと言うのに、
(ちっと服変わっただけでこれかい……?!)
浴衣姿の幼馴染がまともに見られない。見たら最後、顔が赤くなってしまう気がする。むやみやたらと照れてしまう気がする。
(アラサーだってのにこれかい?!)
心の動揺を押し隠さんがため、満月はこうなればと柵に足を掛ける。
「乗ってみるさね!」
「うわ、みーちゃん?!」
慌てた声と共、大きなてのひらが二の腕を掴む。掴んで、掴んだまま硬直する。満月も柵に足を掛けたまま動きを止める。
(っ……)
腕を掴むてのひらが、思ったよりも大きかった。二の腕を掴む力が、知っているよりもずっと強かった。
「とッ、……止めんじゃないさね!」
「とッ、止め、止めないけどもっ!」
振り返ることも振り払うことも出来ずに喚く満月に、太一が必死の声を上げる。
「みーちゃんのやることは絶対に止めたりしないけどもっ、……ちょっ、あの、……」
ううう、と太一は呻く。てのひらに汗が滲んでいる。それを憧れの女性に気づかれてしまうのが恥ずかしくて、それでも掴んだ腕を離したくはなかった。けれど、
(腕……!)
幼い頃からずっと憧れて尊敬し続けて来た女性の二の腕がとんでもなく柔らかくて、掴んでいるのがとんでもなく恥ずかしかった。
「あの、落ち着いてください、満月さん」
とりあえず下りましょう、と深呼吸を繰り返しながら満月の足を柵の上から下ろさせることには成功する。
「ええと、」
怒っているのかそっぽを向いて決して視線を合わせてくれない満月の、そっぽを向いたがゆえに見えるうなじの白さに途方に暮れる。このひとはどうして浴衣なんて纏っているのだろう。いつも通りの飾らぬ衣服で居てくれれば、きっともう少し落ち着いていられるのに。心臓を無暗に轟かせずに済むのに。
「乗るならあっちのもっと大きいのにしませんか。あれならふたりで乗れそうです」
「ついてきてくれるのかい?」
「だめですか」
ひとりだろうと凛と立っていられる満月になら断られるのも仕方あるまいと思ったのに、返って来たのは、
「よしじゃあ行ってみるさね!」
溌剌とした笑顔だった。
置いてきぼりにされないと思った途端に安心した。ずっと掴んでいた腕をそっと離す。ふたりで柵を越え、一際大きな蓮の葉の上によいしょと乗った、その途端。ゆらり、大きく足元が揺れた。
「わっ」
「何か居る……?!」
蓮の葉の下、水の中からぬうと顔を覗かせた毛むくじゃらに大きな目玉の何かにふたりは驚くも、それは身体を小さく震わせてふふふと笑い、ふたりを頭上の蓮の葉に乗せたままゆっくりとした動きで池の上を泳ぎ始めた。
向かう先の対岸では、眩しいほどに提灯が掲げられ、幾つもの屋台が軒を連ねている。
「送ってくれるのかい?」
満月の問いに、毛むくじゃらのナニカはぶくぶくと水を泡立てて返事をする。ありがとうね、と微笑む満月の横顔が先ほど掴んだ二の腕よりも柔らかくて、知らぬ間に満月の指先が浴衣の袂をつまんでいて、太一は思わず熱持つ顔を片手で覆う。
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イラスト企画用(600)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
74人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月23日
参加申し込みの期限
2022年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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