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LUCK COMING ~いつもそばに猫がいた~
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「うんうん、観覧車を背にするворかっこいいよ! 青空が映えるね! 決まってる!」
ベンチの手すりにちょこんと自分のカプセルギア
вор
を置き、スマホをかざして楽しそうに写真を撮りまくっているのは、
稲積 柚春
。このカプギアのマスターでもあるが、今はただのぬい活(ギア活?)に精を出す女子高生だ。
お日和よろしい休日。ворと素敵な写真を撮ろうとシーサイドエリアに繰り出した柚春。
(やっぱりうちの子が1番可愛い!)
と、にこにこでворとの休日を満喫していたのだが。
「あれぇー? 稲積じゃない。何してるのぉ?」
声と共に覗き込まれたその姿を見て、仰天した。
「う、ウォルターさん?!」
柚春の想い人、
ウォルター・B
が背後に立っていたのである。
「はい、こんにちは。稲積」
ウォルターは海から反射するキラキラした光を受けながら、にっこり笑った。
「で、稲積何してたの? ……ああ、ворとデート中かぁ」
ウォルターがひょいとベンチを見て言う。柚春は慌ててぶんぶんと両手を振った。
「こ、これはデートじゃなくて、ぬい活中というか!」
「そうなのぉ? ворはそう思ってないと思うけどねぇ?」
ね? と言わんばかりにウォルターはворに近づき、ニヤリと笑って彼にぽんと触れる。物言わぬворだが、ギラリと睨んだような雰囲気になったのは、気のせいか。
(? ворとウォルターさん、こんなに仲良かったっけ?)
不思議に思う柚春だが、自分の大好きな2人が親密そうな事は、素直に嬉しかった。
「ウォルターさんはどうしたんですか?」
平日は学校で会えるのだが、こういう休日にウォルターと出会える事は貴重である。ウキウキしながら訊く柚春に、ウォルターは優しく答えた。
「僕は買い出し。家の者が忙しそうだったからね。でも、その前に天気も良かったからぶらぶらしてたんだよ、稲積」
『稲積』。ここで真っすぐにウォルターは柚春を見た。
「……そうなんですね! でも、会えて良かったです、ウォルター先生!」
柚春はベンチにいたворを手にすると抱きしめ、にっこりと笑った。―――心の微かな痛みの分、少しворを抱きしめる力が強くなってしまったかもしれない。
『休みであっても、生徒の相手をするときは仕事』。
真面目なウォルターは、今はその姿勢なのだろう。だが困ったことに、そんな真摯な性格もまた、彼の魅力の1つなのだ。
ままならない立場。ままならない気持ち。柚春はそっとворを撫でた。ворは何も言わない。……が、不思議な事に、カプセルギアであるはずのворの瞳に複雑な光が宿っているように見えた。
「せっかくだから、少しお話しませんか?」
気を取り直して、柚春がウォルターを誘った。
「んー? 別に急がないから、いいよぉ?」
(やった!)
のんびりした口調のウォルターの横で、軽くガッツポーズの柚春。が、その柚春の耳に、大勢の歓声とざわめきが入ってきた。
「サンマさんだー! それも限定猫耳バージョンだ!!」
「ええっ?!?」
思わず柚春は通りを見た。すると、遠くの方で人垣に囲まれたサンマさんの頭がチラチラ見える。その頭にはしっかりと猫耳がついているではないか。
「うそ、猫耳サンマさん?! しゃ、写真! いや、でもвор……先生……っ?!?」
振り返り、戻し。何度も首を往復させ慌てる柚春に、とうとうウォルターが噴いた。
「ク……ッ! ……稲積、僕がвор預かるから、行ってくればぁ?」
「え?! いや、でも……」
「大丈夫、待ってるから」
はい、と手を差し出すウォルター。一瞬柚春は躊躇したが、『待ってる』の言葉にトンと背中を押された。
「ありがとうございます!」
柚春は彼の手にворを預けると、すぐ人垣に向かって駆け出して行った。
「……はぁ~、つむじ風みたいだねぇ。若いなぁ。ねぇ、вор?」
残された男2人。のんびりとウォルターは即席の相棒に話しかける。
「せっかくだからさぁ、また男同士の話でもしようよ」
気持ちのいい海風が吹いている。しっかりとその手にворを包み込み、ベンチに腰掛けたウォルターは目を閉じた。
「デートだと思ったんなら、邪魔すんなよな、センセー!」
鼻面に、端正な見覚えのある少年の顔があった。僕の前ではいつもこの子は不機嫌な顔をしている。青い瞳をパチパチと瞬きした後、ウォルターは驚きもせず、にこりと笑った。
「やあ、また会えたね……вор、でいいかい?」
「うるせーな、そんな事あんたに関係ないだろ」
フン! と唇を尖らし、少年……
緑林 透破
はウォルターからそっぽを向いて腕を組んだ。
彼は訳あってворの姿を取っている思念体。ウォルターの推察は当たらずとも遠からずなのだが……どうやら教えてやる気はないようだ。
「邪魔する気はなかったんだよぉ? 何ならすぐ退散しようか」
「! それは、しなくていい! あんたがいた方が、柚春は嬉しそうだから……悔しいけど」
そう言って透破は少し下唇を噛む。その様子をウォルターは微笑ましく見ていた。この子も、稲積も、本当に素直だ。……なんて、羨ましい。
生きていく上で少しずつ滓のように積み重なったしがらみ。振り払えもしないそれに少しでも抵抗するかのように、ウォルターは軽く首を振った。
「そういや、稲積は君の写真を撮ってたよねぇ? 2人で他にどこに行ったの?」
話題を若い2人の事に向ける。透破は嬉しそうに、今日のお出かけ前の事から喋り始めた。
(こんな日が、あってもいい)
ウォルターはのんびりと透破の弾む声を聞いていた。稲積といる時、それも寝ている時にだけ現れる不思議な子。この騎士がいれば、稲積も安心だ。そして。
―――このキラキラした子達といると、僕も元気が出てくるんだ。
穢れのない純粋な煌き。稲積とこの騎士。2人は似ていないようで、良く似ている。
教師とカプセルギア。ふわりと浮かぶように、ウォルターと透破はこの不思議な空間を共有する。
(ウォルターさん、寝ちゃってる)
人混みの中、何とか猫耳サンマさんを撮影できた柚春がベンチに帰ってくると、そこにはすうすうと寝息をたてるウォルターがいた。しっかりとворを手の中に包み込みながら。
―――何て、幸せな光景だろう。
柚春はそれに見惚れた。私の宝物が2つ、目の前にある。
しばらく柚春はにこにこしながら目の前の幸せを眺めていたが、静かにスマホを取り出し、1枚だけ写真に収める。そしてそっと、ウォルターの横に座った。
今、私達は先生と生徒ではない。街の光景に溶け込むただの2人。だから。
そっと、そっと。柚春はウォルターの肩にもたれる。彼を起こさないように。
「……ウォルターさん」
小さく呼んだ。頬が赤くなる。彼の声が聞きたい。
『柚春』
と呼ぶ、彼の声が。
トクトクと鳴る心臓の音。それは自分のものかウォルターのものか。分からないくらいの距離で、柚春はゆるやかに瞼を落としていく。
「……柚春、柚春」
自分を呼ぶ声で柚春は目を開けた。でもそれは切望していたウォルターの声ではなかった。
「あれ、君……」
目の前にいたのは、夢でよく逢う少年だった。
「柚春、楽しい?」
おでこが触れそうな距離で、少年が突然目の前で訊いてくる。夢でしか逢えないのに、名前も知らないのに、柚春はこの少年に何故か親近感を持っていた。が、何せべらぼうに端正な顔をしているので至近距離は心臓に悪い。サラリとした彼の黒髪が頬に触れた気がして、柚春はカアッと赤くなってしまった。
「え? た、楽しいよ! だってворもウォルターさんもいるし」
口ごもりながら答えた柚春はそこで気が付いた。
「あれ? ―――ここどこ?」
そう。見回せばそこは何もない空間。色も、距離も。ただ、少年と自分が存在しているだけ。いつも少年に逢うのは夢の中だけ。起きた時にはいない。という事は。
「もしかして私……寝ちゃってる?」
「柚春、正解」
柚春の小さな驚きの声に、少年……透破はパンと手を合わせて応えた。
「ええ?! せっかくウォルターさんがいるのに!」
慌てる柚春に透破は寂しそうな笑顔を見せた。
「うん、もうアイツは起きてるよ。柚春もそろそろ目覚めた方がいい」
「あれ、でも君が1人になっちゃわない?」
少年の寂しそうな様子が気になり、柚春が言う。しかし透破は静かに首を振った。
「大丈夫だよ。今日は結構夢を渡って疲れたし。それに、気になった物をアイツに頼んどいたから」
「え?」
何の事か分からず戸惑う柚春の肩を、透破はトンと押した。柚春は無重力空間のようにふわふわと透破から離れていく。
「さあ、楽しんでおいで。柚春の最高の笑顔を引き出すのは悔しいけど、アイツだから……今は、ね」
ポケットに両手を突っ込んで、強がるような笑顔を柚春に向ける少年。
「待って……!」
少年の姿が小さくなっていく。柚春は手を伸ばした。
「うん、待ってるよぉ?」
その声で柚春は目覚めた。それは紛れもないウォルターの声で。
「は? ウォルターさん?」
頭が混乱する。さっきまで目の前にいたのはあの黒髪の少年で。消えちゃいそうで思わず手を伸ばしたけど……。
そこで柚春は気が付いた。彼女は、ウォルターの手を握っていたのだ。
「わわわわわ?!?」
ますます慌てる柚春。しかしウォルターはその手を振りほどきもせずに言った。
「あのね、アメリカンドッグを買いに行かないかい?」
「は? アメリカンドッグ……ですか?」
「うん。ちょっとね、約束しちゃってさぁ」
そこでなぜかウォルターは、もう片方の手にいるворに目を落とした。
「えーと……別に構いませんよ?」
手を握り合いながら、至近距離で話し合う男女。傍目には恋人同士にしか見えないであろう。
「良かった」
満面の笑みで柚春にそう言うと、ウォルターはぐいっと彼女の手を引っ張り上げた。
「きゃっ?!」
思わずよろけてしまった柚春を、ウォルターはしっかりと抱きとめる。
「じゃあ行こうか柚春!」
「! は、はい! ……ウォルターさん!」
パッと彼の手は離されてしまったけれど。柚春は幸せに包まれていた。
今は、想っていいんだ。大好きって叫びたくなる気持ちを、抑えなくていいんだ。
目の前にあるウォルターの背中。早く追いつこうと気が逸る。しかし柚春はふと、誰かに呼ばれている気がして、今まで座っていたベンチを振り向いた。
そこには。アメリカンドッグを片手にこちらに微笑んでいる、あの黒髪の少年がいた。
「え?」
思わず目を擦る柚春。もう1度目を開けた時には、もうベンチにその姿はなかった。
「あれぇ?」
ぱちくりと立ち尽くす柚春。そこに声がした。
「ほら、行くよぉ?」
振り向けばウォルターがворを片手に手招きしている。
「今行きまーす!」
柚春はベンチに背を向けると、大好きな2人に向かって駆け出した。
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5人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
74人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月23日
参加申し込みの期限
2022年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月30日 11時00分
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