this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
LUCK COMING ~いつもそばに猫がいた~
<< もどる
1
…
18
19
20
21
22
…
55
つぎへ >>
◆エノコロ岬、猫恋の鐘
夏のエノコロ岬。潮風そよぎ、訪れる者をさわやかな空気で出迎えた。眼前に広がる海は穏やか。どこまでも澄んだ青空にぷかり浮かぶ白雲が、ゆっくりと形を変えてゆくさまを眺めているだけで、心洗われるようだ。
そびえる灯台の威容と、陽光にきらり輝く猫恋の鐘の愛らしい造形はちぐはぐに見えて、寝子島の擁する雄大な自然の手助けあってか、稀有な調和を表している。誰しもそう思わせる、特別な光景がそこにはあった。
猫恋の鐘が鳴る丘へと続く遊歩道を、
御巫 時子
は
五十嵐 尚輝
をともない歩いていた。
向かう先から涼やかに、鐘の音が響く。軽やかに遠く、凛として透明な。かろん、からんと鳴り、音はふたりの耳をくすぐり、楽しませた。
「素敵なところですね。尚輝さん」
「ええ。なんだかまぶしいくらいです」
いつも研究室にこもりがちな尚輝だが、このところは時子の導きもあり、こうして日の光の下で風光明媚を楽しむ機会も増えた。
んーっ、と空へ向かってのびをした時子から隠すようにして、尚輝は背中をとんと叩く。まだまだ身に染みたいつもの不摂生は抜けきらない。とはいえこうしてふたり歩くことで、いくらか運動不足の解消にも繋がっているのだろう。凝り性な彼も、今すぐ実験室へ戻って続きに没頭したい、との衝動にかられることはめっきり少なくなった。
「あ。また鐘の音が」
「綺麗な音ですね。……その」
いささか言いよどんで、時子は尚輝を見上げる。
「はい」
「私たちも……いっしょに、鳴らしましょうね」
「ええ。そうですね、はい」
す、と尚輝は顔をそらしてしまった。もちろんこれはやわらかな拒絶の意ではなく、単なる照れ隠しであることを時子は知っている。
くすり、微笑んだ。
「あら……」
鐘のあるほうへ向かう道すがら、歩むふたりの足の間を縫うようにくるくるりと、猫がまとわりついてきた。じゃれているのだろうか。
「可愛らしいですね。このあたりは、猫が多いですね」
「おや。なにかくわえているようだ」
こげ茶のまだ若い猫は、見れば口元にはむっと鈴のような、何かをくわえている。猫の顔を模した鈴のようで、このあたりで売っている土産物だろうか。
一向に離れようとしない猫へ、
「いっしょに、行きますか……?」
尋ねると、応えるようにふにゃあと鳴いた。気のない声だが、どうやら連れが増えたらしい。
二人と一匹で、波間の変わりようと空の青さを楽しみながら歩く。どちらのブルーも鮮烈で、目を射るようだ。
歩くと時おり、二人の指がちょい、ちょん、と触れる。このところ、そんなことが多くなったと時子は思う。
ちょん。ちょい、ちょん。ちょこん。
ちらと彼を見上げてみれば、やはり、慌てて顔をそむけてしまった。いっそむぎゅうと握ってしまいたいが、そこは周囲の人の目の中。照れくささが勝つ。
「ふふ……」
「ど、どうしました? 何ですか? ぼ、僕の顔に何か?」
「いいえ。今日は、素敵な日だなぁって……そう思って」
尚輝の目元はいつものごとく厚い前髪に遮られているが、耳まで真っ赤なのを見るに、先ほどのちょい、ちょん、ちょこんを彼もきっと意識していたのだろう。
「ふふふ……」
おかげで今日の時子は、笑顔の止め時が見当たらない。
おまけに、お目当ての猫恋の鐘へたどり着いてみれば、そこにはますます笑みが加速してしまう、幸せな光景が待っていた。
「これは。猫の結婚式? でしょうか」
「わあ……!」
タキシード風の衣装を着た猫。ウェディングドレスにヴェールをひらり風になびかせる猫。それを見守る猫、猫、猫たち。
まさしく、猫の結婚式だ。
「おや?」
尚輝の、そして時子の足にするりするりと身体を撫でつけて、こげ茶の猫は鈴をくわえて歩いてゆく。中央の台座に座る二匹の猫カップルを見上げると、ちりりと鈴を鳴らしてみせた。
「この子も、お祝いに来たんでしょうか」
二人を振りかえり、こげ茶の猫はみい、と応えた。
そして、猫恋の鐘は鳴る。軽やかに透明に、かろん、からんと、歌うように。祝福の音色は風に乗り、時子や尚輝の耳を抜けて、海へと広がってゆく。
台座の上の二匹の猫は、幸せそうににゃあ、ふにゃあ。
「尚輝先生?」
「ええ。鐘を鳴らすのは」
「もう少し後で……ですね」
「大丈夫。時間はたっぷりありますから」
今は、しばらくこうして、猫たちの結婚式を眺めていたい。
大好きな人と、目の前に満ちる幸福のおすそ分けをいただきながら、ゆっくりと。とろけてしまいそうなこの時間を、そっと彼の手を握りながら、静かに過ごすのだ。
<< もどる
1
…
18
19
20
21
22
…
55
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
LUCK COMING ~いつもそばに猫がいた~
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
風雅宿
水月 鏡花
墨谷幽
黒羽カラス
阿瀬春
蓮華・水無月
KAN
菊華 伴
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
イラスト企画用(600)
グループ参加
5人まで
シナリオジャンル
NPC交流
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
74人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年07月23日
参加申し込みの期限
2022年07月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年07月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!