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『somnium』で紙ねんどスイーツを。
somniumで紙粘土スイーツを。
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色塗りもすべて終わり、後は乾くのを待つだけになった頃、ちょうどお客さんが途切れたから、と高明が母屋の方に顔を出した。そうして、ずらりと並んだ小物に目を細めてから、お礼のスイーツは何が良いかな、と皆に尋ねる。
昨日からの休憩のケーキやお茶も、高明が店の合間を縫って「頑張ってるね」と差し入れしてくれていた。だが、それとは別に改めて、と告げられた言葉に、真っ先に反応したのは
鈴木 修一郎
である。
む? と不審に眉を潜めて、修一郎は高明の言葉を繰り返した。
「礼のケーキであると?」
「うん。何か好きなものはあるかな?」
「何を言うか、そのようなものが欲しくて手伝ったわけでは……」
いかにも心外である、とばかりに言い返しかけた修一郎だが、いや待つのだ、とふいに閃いた思い付きに口を噤んだ。そうして思い付きをしばし吟味して、うむ、と1つ頷いて。
いかにもわざとらしい、だが修一郎の中では自然な咳払いをすると、にやりと笑って高明と伊都子に、高笑いと共にこう言った。
「フハハハハ! ケーキは3つ寄越すのだ! これは譲れぬ! そして種類は木原高明! その妻伊都子よ! 貴様らが今、食したいものを寄越すがいいぞ!」
修一郎の要望に、きょとん、と高明と伊都子は顔を見合わせた。なかなか決められないからお勧めを、と尋ねられる事は時折ある事だけれども、それとは何だかちょっと違う気がする。
そんな2人を見て、ククク、と修一郎はほくそ笑んだ。それだけ聞けば何かを企んでいるようにも見えるが、純粋に修一郎のクセ(?)である。
「その内2つは貴様らが食すのだ。ククク、この私が真に要求する報酬は貴様らとのティータイムである!」
「おや」
「あら」
「ほれ、他の者も一緒にどうだ? ハーッハッハッハッハ!!!」
思わぬ要望に、今度こそ目を丸くした2人を見て、修一郎は上機嫌に高笑いをしながら周囲を見回しそう言った。そんな彼の態度に、この2日で慣れてしまった周りの皆も、『良いね』と頷き合ってティータイムに出来るよう、テーブルの上を簡単に片付ける。
高明達もにこにこ笑って、じゃあちょっとだけ、と一緒にテーブルについた。お店の方は幸い、今はちょっとお客が途切れているから大丈夫だと言う。
そうして、改めてどんなケーキが食べたいか尋ねた高明に、
花厳 望春
はありがたくリクエストをした。実のところ、ケーキとお茶も楽しみに、お手伝いを頑張ったのだ。
「俺、チョコレートケーキが食べたいです!」
「あ、あたしはこのお店初めてだから、一番人気のが食べたいなー」
「ぼくはシンプルないちごショート、でもタルト系とかも捨てがたい……!」
「えっと、私は……」
そんな望春の言葉に続いて、
鴇波 羽衣
や
神野 マキナ
、他の皆もそれぞれに希望を高明に告げた。それににっこり頷いて、リクエストされたケーキを用意する高明の手伝いを申し出た、
御巫 時子
はさっきまで自分で作っていたケーキが希望だ。
ずっと見ていたら美味しそうで、どうにも食べたくなってしまって。そんな事を恥ずかしそうに話してから、「そう言えばまた、新作のお菓子は出すんですか……?」と尋ねてみると、そのうちね、とにっこり笑顔が返って来る。
そうして木原夫妻も一緒に、和やかなティータイムが始まった。楽しげな席の中、モンブランを頂いた
旅鴉 月詠
は、自分が作った完成品の紙ねんどモンブランと並べてみて、その出来栄えを確認する。
そんな月詠の作品と、自分の作品をこっそり見比べていた
御剣 刀
は、うん、と頷いて頼んだレアチーズケーキに向き直った。そうして
桜庭 円
と
弘明寺 能美子
の前に並んだ、それぞれのケーキをじっと見る。
「桜庭はシフォンケーキか、紙粘土で作っていた物と同じか好きなんだ? 弘明寺のケーキも美味しそうだな」
「僕はにゃーくんと分けて食べようと思って。実はね、前に来た時に……」
「わ、私も本物のケーキ食べようかしら、ッて思って……!」
刀の言葉に、嬉しそうに円がシフォンケーキの思い出を語る横で、能美子は何故か焦って取り繕うように急ぎ言葉を紡いだ。能美子もまた、紙ねんどスイーツを作ったり、みんなが作っているのを見ているうちに、本物が食べたくなってしまったのだけれども、素直にそう告げるのも気恥ずかしい。
そんな3人から少し離れた席に座る、羽衣とマキナは早速、それぞれに頼んだスイーツを1口ずつ交換したり、互いに「あーん」と食べさせ合ったり、存分に甘いものを楽しんでいる。お互い甘い物好き同士、こうして美味しいお菓子を一緒にわいわいと食べれば、心も弾むし会話も盛り上がると言うものだ。
良いよねぇ、としみじみ幸せに浸るマキナ達の反対側のテーブルでは、時子と修一郎が木原夫妻に、若い頃のまだサラリーマンだった頃の話や、お店のスイーツの話で盛り上がっていて。その近くでは
花風 もも
と
緋紅朱 赫乃
が、尽きる事のない甘い話に花を咲かせている。
ほろほろと崩れるケーキに目を細めながら、赫乃がそっと問いかけた。
「花風さん、の、好きな、人。どんな人、なの……?」
「どんな……?」
赫乃の言葉に、ももはちょっと首を傾げる。大好きなあの人の事を、たった一言ではとても言い表せそうにはなくて――幾ら言葉を尽くした所で、言い表せるとは思えなくて。
考え考え告げたのは、少し前に体験した出来事。
「――この間、お化けが一杯で暗い世界へテオ君に飛ばされてしまって……その時に、僕と手を繋いでくれたの。僕、怖くて……縋りついてしまってたけど、怒らないでいてくれたのよ」
それは恐ろしかったけれども、優しくて暖かな、素敵な思い出。そんな風に、今度はあの人ともっと素敵な、綺麗で幸せな思いでも重ねられたら素敵だと思う。
例えば、一緒に教会へ行って見たりして、キラキラ光るステンドグラスにうっとりしたりとか。一杯に咲いたお花畑で、一緒に花の香りに包まれてお昼寝をしてみたりとか――大好きな人と一緒なら、きっと最高に幸せに違いない。
うっとりとそう考えて、ももはこっくり首を傾げた。
「赫乃ちゃんは? 好きな人と、どこに行ってみたい?」
「あの人、とは……うん。イギリス、に、いきたい、な」
「イギリス? うん、素敵。でも何で?」
「好きな、人の、故郷、だから、かな……あと。私の、実家、かな」
赫乃は小さくそう告げて、その場面を想像してほわりと頬を赤く染めた。赫乃の好きなあの人を、いつの日か父と母に紹介したい――実際にそんな事になったら、どんなにか嬉しくて、恥ずかしくて、何より幸せな事だろう。
その想像を、巡らせるだけでも幸せな気持ちになる赫乃を、見ているももの胸にも暖かな想いが沸き起こってくる。そうしていつか自分もと、想像せずには居られない。
ふと、大好きな姉を思った。あの姉もいつか、こんな風に心がふわふわして温かくて、魔法のような恋をするのだろうか――そう考えていたら、ももに「お姉さんの、こと。好き?」と尋ねられたから、「うん、大好き」と答えた。何の衒いもなく。
そんな風に時間が過ぎて、やがてケーキを食べ終わった頃、仕上げの防水ニスを塗った紙ねんどスイーツもすっかり乾いて完成した。それを見た、羽衣の胸に何とも言えない感動が沸き上がってくる。
我ながら不器用だと思っているけれども、こうして形になって出来上がるとやっぱり、自分で何かを作ると言うのは楽しいものだ。それをしみじみ噛み締めて、羽衣はこっそり作っていた小物を木原夫妻へと差し出した。
それは精一杯丁寧に仕上げた、2人のマスコット人形。
「これ。楽しい時間と、美味しいケーキのお礼です。ありがとうございました!」
「あの、私もお2人に……」
羽衣の横から時子も、つがいのオシドリをそっと差し出す。もし気に入ってもらえたら、お店に飾ってもらえたら嬉しいのだけれども。
そんな人々から少し離れた所では、
雨寺 凛
と
黒依 アリーセ
がついに出来上がったスイーツを、互いに見せ合っていた。互いの手のひらに載せて、くすぐったい気持ちで自分をイメージしたと言う紙ねんどスイーツをじっと見る。
「ふぅん……凛さんの中では、私はこんなイメージなのね。嬉しいわ。ありがとう」
「えへへ~。何か照れるね! アリーセちゃんからはこんな風に見えてるんだねー」
凛が作ったのは、クールでかっこいいイメージのアリーセを表現するべく、ビターチョコレート色の小さな丸いケーキ。小さなラズベリーを飾って、鮮やかなミントの葉を中央に乗せ、シンプルながらぱっと目を惹くように。
対するアリーセが作ったのは、いつも弾ける様な元気を感じさせ、頼れる副部長であり、音楽への情熱を胸に抱く凛を表現する為に、甘いチョコでコーティングした輪切りの蜜付けオレンジを乗せたケーキ。少し駄洒落も入っているけれども、パッションフルーツのムースもそこにあしらって見た。
ほんの思いつきだったけれども、実際に出来上がってみると何とも照れくさく、そうして相手が同じように照れくさそうにしているのが何とも嬉しい。そんな周りの様子を見ていた
後木 真央
が、はいはいはい、と手を挙げて伊都子に提案した。
「伊都子ちゃんさん、特に女の子はこういうの作るの大好きなのだ。どうせなら実費で毎月講習会しないのだ?」
こういうのを好きな人は多いだろうし、やったらきっとみんな喜んで来るに違いない。もし本当にやるのなら、新聞部の記事の練習も兼ねて今日の写真を取らせて貰って、小物づくり教室の紹介チラシを作りたい。
持参したデジカメを掲げながら、そう提案した真央に伊都子はちょっと乗り気な様子だった。左腕が治るまではどうにもならないだろうけれど、秋くらいからなら出来るかもしれない。
そういって前向きに、早速チラシの相談を始めた2人の様子をチラリと見て、部長である
八神 修
はけれども、自分で作った和菓子セットの出来栄えに満足な様子だ。お礼のケーキは、後で持って帰りたいとお願いしたから、まだ食べていない。
そんな様子を見ながらしみじみ、刀は「良い店だ」と呟いた。ほのぼのとした店主夫妻が居て、美味しいお茶とケーキが楽しめて、友達と気兼ねなくお喋りが出来て――
だから。
(奥さん早く元気になると良いな)
――それは刀のみならず、集った皆の願いだった。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、水無月 深凪です。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
お誘い合わせの上でご参加下さいました皆様、何となくお越しくださいました皆様、伊都子さんを助けに来てくださいました皆様、紙ねんどスイーツ作りはいかがでしたでしょうか。
水無月も実は紙ねんどスイーツにはものすごく興味がありまして、皆様と一緒に作っているような気持ちになりながら執筆させて頂きました。
和スイーツも、洋スイーツも、スイーツはなんだか見ているだけでも素敵だと思います。
お部屋にちょこんと転がしているだけでも、何だか絵になりそうです。
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年10月23日
参加申し込みの期限
2013年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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