【１０周年】吾輩は見た～かぎしっぽオンニャイン配信中！｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～かぎしっぽオンニャイン配信中！

【＃11　コメント欄に聞いてみますニャ！のコーナー】

「……猫がしゃべってる」
「そりゃあもちろん、猫だってしゃべりますニャ。ま、たまーにこうやって、人間にも猫語が通じることがあるみたいですニャ。フシギですニャけど、ボクも取材がはかどるわけで」
「ふうん。そうなんだ。面白いね、bop？」
　好評のこのコーナー、『コメント欄に聞いてみますニャ！』。
　今回はニャット上で大注目な、稲積柚春ちゃんに質問していきますニャ。
「注目って、私が？　なんで？」
「そりゃあもうコレですニャ。コレコレ！」

「……プライバシーとか、デリカシーって言葉、知ってる？」
「たまに聞きますけど、猫辞林には載ってませんニャ」

　──質問その１「恋ですかニャ？」

「柚春ちゃん。猫も恋をしますニャ。恋猫つくって、交尾して、猫生を謳歌して……」
　ちょっとコメント欄のみニャさん、だまっててくださいニャ！　ジョニーくんはまだでしょとか、いりませんニャ！
「こい。恋？」
「恋ですニャ。柚春ちゃんは、この人間のオスに恋をしてますニャ？　ということで、合ってますかニャ？」
「……ふうん」
　ウォルター・ブラックウッドくんという人間のオスがスキみたいですニャ。柚春ちゃんは。
　なんか、首をひねってますけどニャ。
「あれ、違うですニャ？」
「う～ん。あなたに言ってもいいものか、考えてる」
「ほお？　と言いますと」
「一度言葉にしてしまったら、元には戻れないかもしれないから。取り戻せないかもしれないから」
　ほーん？　よくわかりませんニャア。
　コメントのみニャさん、分かります？

「質問の答えはね。自分で見て、確かめてみたらいいんじゃない？」
　とおっしゃる柚春ちゃんに抱きかかえられたまま、どこかへ向かっているわけですニャけど。
「あ。ワットの前じゃ、しゃべっちゃダメだよ」
「わっと？」
　おや。暗い夜の中に、ぼんやりとした明かりがありますニャ。
　ボク、知ってますニャ！　これは、『タチノミヤ』というやつですニャ。人間は時に『オサケ』を楽しむのです。猫にとってのマタタビみたいなものですニャ。
「こんばんは、ウォルターさん」
「こんな時間に……稲積は悪い子だねぇ。こんばんは」
　おや。ウワサをすれば、ブラックウッドくんですニャ。
　このタチノミヤは、ブラックウッドくんのイキツケだそうですニャ。
「……今は、先生の時間ですか？」
「あはは。さぁねえ、稲積はどう思う？」
「むぅ～」
　お、さっそくいいニャ！　が付きはじめましたニャ。コメントのみニャさまは、人間の『恥ずかしい』とか『いちゃいちゃ』には敏感ですからニャ。
　なので、このふたりもカップル……だと、思ったんですけどニャア？
「ウォルターさん、お酌してあげましょうか？　ぼく……私、愚痴とか聞きますよ」
「こーら。大人になったらね、って言ったでしょ？　今日は人と待ち合わせしてるし、また今度ね」
「はぁーい」
　向こうから誰かが来るのに気づいて、柚春ちゃんは退散することにしたみたいです。あれは確か……五十嵐尚輝くんと、黒崎俊介くん、それに浅井幸太くんですニャ。今日はオス同士でオサケを飲むようですニャ。
「遅咲きの桜が、綺麗ですね。またね、ウォルターさん」

「……っと、いうわけですよ。猫君たち」
　ふむふむニャー？
　柚春ちゃんとブラックウッドくんは、カップルではないのですニャ？　そう見えることもあれば、そう見えないこともあって、ニャんともフシギです。
　ひょっとして、人間の言う『恋』には、猫には無いなにかがあるんですかニャ？　もっと複雑で、猫には分からない……そう。カケヒキみたいなものが、あったりするのですかニャ？
　むつかしいですニャー。
「いちいち確かめてるようじゃ、話になんないよぉ。って、ことかな……ねえ、ワット」
　ちょっぴり寂しそうに、柚春ちゃんはぽつりとつぶやきました。

　──質問その２「コクハクしないんニャ？」

　コメントのみニャさんの質問にも、柚春ちゃんはすこうし考えて、にっこり笑っただけ。
「この桜と、次の桜は……『生徒で子供』の時に見る桜。でも、その次は……」
　言葉の意味は、ボクにはよくわかりませんでしたけど。
　柚春ちゃんの目に、夜空のお星が映ってきらきら輝いてるのが、ニャんだか印象的だったんですニャア。