【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者｜リアクション

【１０周年】吾輩は見た～週刊かぎしっぽのねこねこ記者

●週刊かぎしっぽvol.XX131『けもので水着なコンテスト！』

　たたたいへんにゃ！　真昼間なのに寝子ヶ浜海岸で百鬼夜行にゃ！
　けものの耳とかしっぽで水着な有象無象な生き物が集まっているにゃー！
　にゃにゃ！　三毛谷道哉さんがいるにゃ。
「道哉さーん！　今日も百鬼夜行ですかにゃ！？
　『かたしはやえかせせくりにくめるさけてえひあしえひわれえひにけり』
　って言ったほうがいいですかにゃ！？」
「はは、いやいや。これは寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト！という３６回も続いている水着コンテストだよ。今年のテーマは『けもの』だそうだ」
　人間は相変わらず不思議なことを考えるにゃー。ステージがあったので見に行くと、けものな恰好をしてきた人たちが順に出て歌ったり踊ったりしているにゃ。
　しばらくすると、三毛猫っぽい水着姿の母娘がステージに出て来たにゃ。
　たしかあの子は旧市街に住んでいる頑張り屋さんの娘さんにゃ。おじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らしながら、子育てをして、学校に行って、アルバイトにも行って、猫では考えられないくらいの働きものさんにゃ。

「梓智依子、寝子高１年生です。この子は娘の楓、４歳です」

　もーふもふもふ♪
　もふもふもーふ♪

　もふもふが繰り返される、可愛いけれども奇妙な歌を歌う母娘。
　なんだかクセになる歌にゃー。
　と思ったら、楽しくなったのか道哉さんも飛び入り参加してモフモフ歌っているにゃ。
　もっとも、吾輩たち猫は「モフ」って発音できにゃいから、にゃーにゃにゃーで歌っているけどにゃ！

「私は楓が大好き！」
「ママだいすき！」

　モフーーー―！　と最後に叫んで出番が終わったみたいにゃ。
　愛が溢れていたにゃー。
　母娘の愛は猫も心打たれるにゃー。

　ちなみに、智依子ちゃんと楓ちゃんが、この年のビーチ☆スターっていうのになったそうにゃ。
　吾輩、道哉さんや猫仲間たちといっしょに猫拍手していたにゃ！
　おめでとうございますにゃ！

「もーふもふもふ♪　もふもふもーふ♪　たしかにクセになるにゃあ」
「肉球と肉球を合わせてパフパフ、猫拍手！」
「智依子ちゃんと楓ちゃんの幸せを、僕たちも路地裏とか屋根の上とか島のあっちこっちで願っているにゃ」